てんたぷ本文
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[カフェ DaNiC]
チリンチリン〜♪
「いらっしゃいませ…あれ、チャンジョくん!こんにちは〜ひとり〜?」
「こんにちは」
平日のヒマな時間。
料理の仕込みも何もやる事がなく、さらにお客さんもいないからめちゃくちゃヒマだったからチャンジョくんが来たのは、とても嬉しかった。
「席…」
「空いてるからどこでもいいよ」
お冷を持って行くと、いつもリッキーと座る席…じゃなくてカウンターの前の席。
「ニエルさんご飯作れます…?」
「えーココ、カフェだよ〜?」
「そっか」って、ちょっと頬っぺたを赤くしながらオーダーしたのは、オムライス。
子どもっぽいそのオーダーに、クスリと笑えばギロリと睨まれた。…黙って作ろう…。
「はい。オムライス〜」
「わっ…トロトロ…」
顔を見れば、キラキラした目でオムライスを見ていて作った本人としたらこれほどなく嬉しい。
小さくいただきます。してから、ハフハフと食している。
「…ニエルさん、料理美味いですね」
「はは!ありがと。でもオレ、カフェの店員だよ?」
また「そっか」って言って、黙々とオムライスを完食してくれた。
「ごちそうさまでした」
「はい。お粗末さまです。オムライス好きなの?」
完食してくれた嬉しさに思わず聞いてしまった質問。また睨まれるかも、と思ったけどそうじゃなかった。
「それほど…。でも」
「でも?」
このカフェに来るようになって2ヵ月位?
いつもリッキーと言い合いしてるか、真剣に勉強しているしか見た事なかったから、
「ニエルさんのオムライスは好き」
はじめて見た笑顔に胸がキュンとしてしまった。
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