てんたぷ本文
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「え…大学受験?」
「うん!チャンジョも一緒に受けるの」
「そうなの…」
リッキーにしばらく会えないって言われて、え?別れ話??って思ったら大学受験だかららしい。
大学ってどこ行くんだろ…
そうゆう話した事なかったな…オレだって一応大学生なのに…1回も相談なかったな…
っていうか、オレが大学受験の時はリッキーガンガン会いに来てなかった?!
やっぱり受験を期にオレから離れる気なのかな…
「…なぁ、大学ってどこ行くの」
「え?あれ?ボク言ってなかった??」
聞いてないし!今受験の事聞いたんだし!!
遠くだったらお別れ決定だな…
「ニエリヒョンと同じ所だよ」
「え、」
不安に握りしめていた手に重なったリッキーの手が不安を解すようにさすりながら、でも違う学科なんだよねぇと話す。
「一緒の学科じゃなくてゴメンね」
「べ、別にっ…!」
チュとキスされてオレが狼狽えてる間にも、
「本当はヒョンと同じ学科で同じ講義受けたかったんだけどぉ〜」とか「でもお昼一緒に食べれるね!」とかとか…。
オレが狼狽えてる間にリッキーの話はもう「サークル何に入ろうかな!」になっていた。
「もう、なんにでも入れよ…」
話についていけないオレは、ぐったり床に倒れこむ。上から覗くリッキーはとても楽しそう。
「ねぇ、ヒョンここから大学って何分?」
「はぁ?…15分…だけど?」
そっかぁ!って言ってなにやら取り出したノートに書き込んでる。
「ねぇ、ねぇ、家賃は?」
「…5万だけど、…」
ふんふん!ってまたノートに書き書き。
「なぁ…なんなの?」
なんでそんなに聞くの?今までそんな事聞いた事もなかったのに… ヤバイ…涙出てきた…
「え?ヒョンと同棲しようと思って」
「は?」
思わず起き上がってリッキーを見やると、ニコニコ笑いながらオレの目尻を拭った。
「泣くほど嬉しかった?」
「なっ、ちがっ…!」
「家賃は折半でさ」
「ちょ、まっ…んっ、」
「ちゃんとゴミ出しとか手伝うから」
ちょっと待っててば!
顔中にキスされながら、いきなりの話についていけない。
「ねぇ、一緒に住もう?」
ビックリして止まった涙が溢れてくるのを、リッキーは笑いながら拭ってくれる。
「この涙はOKって事?」
「うっ、…まだ受かってもいないくせに…」
「そこは応援してよー」
抱き着いてくるリッキーを抱き返せば、今度はちょっと深めのキス。
「んんっ、」
「…絶対合格するから」
珍しい真剣な顔のリッキーに、うんとだけ返して今度は自分から抱き着いた。
「ヒョ〜ン!合格したよ!」
「おめでと…って、ちょ、なにその荷物!!」
「引っ越しは、早い方がいいでしょ?」
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