びえび本文

□はぐれない方法
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「ヒョン!花火見に行きましょ〜」

「あぁ〜ん?花火〜?人ごみやだ…」

「え〜やだ!行きましょ〜」


やだやだいいながら、人の手を握ってブンブン振るジェノンがちょっとカワイイな…と思ってしまうあたりがヒョンとしてダメなんだろうな


「わかった、わかった行くから。用意しろよ」

「わぁ〜い!」


パタパタと自室に用意しに行ったジェノンを目で追っていると呆れた顔のヨンジェと目があった


「なに?」

「はぁ…ヒョンは甘すぎ…だから調子に乗るんですよ」

「別に甘やかしては……いる、か…」

「いますよ」


キッパリとヨンジェに言われて、
自覚はしてたけど人からもそう見えているのかと思うとちょっと気を付けなきゃなと思う。


「僕には全然かまってくれないくせに」

「なんだ、かまって欲しいのかー!」


ヨンジェに抱き付いて頭をワシワシと撫でていると、後ろから低い声が聞こえて
ヨンジェと一緒にビックリした


「なにしてんですか」

「わっ!ジェノン!ビックリさせんなよー」

「ねーヒムチャニヒョン」



む〜と唇を尖らせたジェノンにガシッと手首を引っ張られて玄関まで歩かされる



「ヒョンはボクと花火見に行くんです!」

「うん、行くよ?どうしたの?」

「もうっ!…早く行きましょ!」


なぜか知らないけど、プリプリ怒ってるジェノンに続いて玄関から出る瞬間

後ろを振り替えれば、ヨンジェがいってらっしゃーいと、やけに笑顔で手を振っていた。



────


ガヤガヤガヤガヤ、


「わぁ〜ヒョン!あれ食べましょ!あっ、あれも〜!!」

「ジェノンヤァ〜あんまり食べ過ぎるとお腹痛くなっちゃうよ」


若いから大丈夫です!っていうのは、
オレにケンカ売ってんのか?!



どこから湧いて出たのか結構な人混みに
流されて、流されて、気付いたらジェノンとはぐれてしまった。

あちゃー

はぐれちゃった…ヤバいヨングクに怒られる…


あぁジェノン、泣いてないかな…

さすがに泣いてないか。男の子だもんな。

でもあんなかわいい男の子がいたら
誘拐されるかも…

いや、…あいつデカイから…いやでも、…


あぁっ!考えれば考えるほど心配になってきた!!

考えるより、ジェノンを探そう!!


そう思って駆け出した時、

大きな声で


「ヒョン!ヒムチャニヒョン!!!」

「ジェノンヤァ〜!」


後ろを振り向けばジェノンがすごく焦った顔で抱き付いてきた。


「あぁ〜ゴメンなぁ。ハグレちゃって」


こんな人混みの中ひとりで心細かったんだろうなぁ


とりあえず、食べ物はゲットしているジェノンと石段に腰掛けて落ち着く事にする


「ヒョン、ゴメンなさい…」

「ヒョンこそゴメンな?心細かっただろ?」


申し訳なく思って冷えちゃった
たこ焼きをあ〜んと、差し出せば目をパチパチさせながらも嬉しそうにかぶりついてくれて

こっちも嬉しくなる


「ヒョン、もっと食べたいです」

「はいはい、…ほら、あ〜」


自分でもたこ焼きを頬張りながらふたりで
買ったものも食べていく

焼きそば、焼き鳥、イカ焼きとジェノンが
買ったものは、甘辛いものばっかりw

まぁ、自分もジェノンの事言えないんだけど


「ヒョンは何買ったんですか?」

「んとねーおでんにトッポッキにフランクフルト!」


石段の下の祭り騒ぎを見ながら次はあれ買いましょうとかお土産には何にしようか?とか話しながらフランクフルトを食べていたらジェノンがいきなり黙ってしまった。


「んっ、…ジェノン?」

「っ…」

「?どうし…あっ、串抜けちゃった」


まだ半分以上残ってるのに串が抜け落ちてしまった。あぁー…手で食べるとベタベタになるからなぁ…頑張って口だけで食べるか


「ヒョ、ヒョン…」

「んぁ?ん、…んっんんんー…んぐ、んぐっ」


ぷはぁ!やっと食べ終わったっ!
フランクフルト一気喰いって結構大変だなぁ
アゴ痛いし…


「はぁ疲れた…で?ジェノンどうした?」

「な、なんでも…ない、です」


口に手をあててあっちを向いてしまったジェノンに自分も食べたいのにオレがが全部食べちゃったから拗ねてんのかな?


「じぇのんぁ〜ゴメンね?食べたかった?ヒョンがもう一個買ってあげようか?」

「い、いらないです!…ヒョンのせいでしばらく食べれないよ…」


ん?最後あたりよく聞こえなかったんだけど…

まっいっか!


「んじゃぁ、お土産とか買ってもう帰るかぁ」

「そ、そうですね」


ゴミを袋に入れて石段を降りた所で
ジェノンに手を差し出される…ん??


「なぁに?」

「手…繋ぎましょう?また、はぐれちゃったらヤダから…」


この年で弟と手を繋ぐのは恥ずかしいが、
はぐれない方法はこれしかないか…仕方ない


「そうだな…ゴメンな相手がヒョンで。今度は恋人と来れればいいな」

「ボクは別に…むしろヒョンとが……」

「んー?ゴメン聞こえなかった。なぁに?」



ギュッと手を握りなおしたジェノンは、
ニッコリなんでもないですって言ってわたあめ買いに行きましょーって駆け出した。














ヒョン!来年のお祭りは、恋人として行きましょうね!!





******



デ「は?フランクフルトで?!」

ヨ「どんだけ溜まってんの…ww」

ゼ「だって、あんなのっ…!ヒョンたちだって見ればなりますよ!!」

ヒ「なにがなるのぉ〜??」

ゼ「な、なんでもないです!!!」




恋愛経験ゼロなゼロくんには、フランクフルトはパンチが強すぎました。





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