捧げ物
□すれ違いの恋人たち
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いつからだっか忘れたけど、確かにあの日から気になり始めていたあの人の事。
それは部活で嫌がらせにあい、公園で1人泣いていた。
「っ……ひくっ。…。折角…貰ったのに…。」
お母さんに誕生日プレゼントで買ってもらった、キーホルダーが壊されていた。
「…アホ女?」
顔を上げると獄寺さんが立っていた。
「…大丈夫だ…。」
そう言って頭をなぜられた。不思議と嫌じゃなくて、気が付けば獄寺さんにしがみつきわんわん泣いていた。
獄寺さんも拒絶せず、ただ慰めてくれていた。
あの時から、なんだかいつもと違う感情が芽生えた気がした。