恋人は専属SP

□ばぶちゃん・その@
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【ばぶV(託児施設は一柳昴)】




今回のあなたは、桂木大地の娘。
政治家になった母は忙しく
あなたは
保育施設を転々として育てられていますが
本日は非番の昴さんちに預けられている生後1歳。

「いいか、昴」

桂木は、手にでんでん太鼓とマグカップ、
ばってんおんぶひもで
優衣を背中に背負い
昴の高級マンションを訪れていた。

筋肉むきむきな男の背中によだれを垂らし
「だあっ」と言うあなた。

「ちゅばる。ちゅばる」

昴を指差し、ご機嫌です。

優衣が一番最初に覚えた言葉は
家電!

次が
まいったな…

そして、
ちゅばるである。

いかに昴が優衣を
面倒みてきたかわかろうというもの。


今日もばってんおんぶひもから身を乗り出し
昴に抱っこを強請ります。

「ちゅばる〜」

「はいはい」

昴は桂木さんから優衣を受け取ると
優衣は昴にしがみつき
「ちゅばる〜」と、うっとりしています。

「ちゅばる、ちゅきっ」

「……」

桂木パパは眉間にしわを寄せ
頭の後ろに手をやり
遠い目をした。

娘の、“ちゅばる好き”は凄まじい。

家には昴の団扇があり
だーだー言いながら
“ちゅばるちゅばる”とパタパタしている。

ちゅばるビデオもある。

桂木パパとしては面白くない。

しかし、託児所(超・無認可・優衣専用)の中で
昴ほど面倒見の良い男はいない。

優衣も、昴のとこなら喜んで行く。

最近は、トイレトレーニングもしているから
おまるも持ってきてるが
パトカーの形をしている。


おもちゃの手錠で遊んでいたり、
末恐ろしい娘である。

「さて、優衣」

「ちゅばる!ちゅー」

優衣は昴の口にキスをする。

「ちゅばるう!」

優衣唯一の二語文が

「ちゅばる!ちゅー」

ちなみに優衣がちゅーするのは昴だけ。

桂木パパにはしない。

「いやいやあ」と、くねくねするのだ。

パパは悔しい。

しかし娘は気にしない。

「ぱぱ、ばいばい」

あっさり、桂木パパを追い出し
昴に抱きついて頬にキスしている。

「優衣…飯食ってきたか。何食べたい?」

「ちゅばる」

「ば////ばか!」

「ちゅばるう」

仕方ないから、オムライスだ。

柔らかい柔らかい、ふわふわオムライス。

野菜くずのコーンスープ

さくらヨーグルト


「だああ!」

優衣、狂喜乱舞。

「ちゅきちゅきっ」

ごはんを食べて、眠くなり
昴にしがみつきます。

「ちゅばる、ううんうううん」

昴にヨシヨシし
昴を抱き枕。

「ちゅばる〜」

……最近の昴は
優衣ひとすじ…というかナンちゅうか…

優衣のかわいさに匹敵する女がいない。

だからといって嫁はいらない。

「結婚したくないが娘は欲しい」

訳の分からない状況である。


さて。

うんち、です。


優衣ちゃん、よちよち歩き。

昴に抱きつきたさに

その辺の子供より早く歩き出しました!

やはり、移動手段は大切です!



でも


でもっ

優衣、女の子だもん!

大好きなひとに
「うんち」なんて言えない。

でも、漏らせないよお!









がまんちゅるっ!


だって、ママがっ!

かわいいトレーニングパンツ(ムーニーちゃん)
はかせてくれたからっっっ!



危険を察知
SPの勘でおまるに乗せる昴。

「パトカーなんだろ!
ちゃんと捕獲させろ!」

優衣ちゃんのおまるはパトカーなのだ!

あくちゃんは、でんでんむしだったよー!
写真見たら、触角もげてた。

え?関係ない?



ぷりっ←ばななうんち

「お。うまいじゃん」


昴さんに誉められました!


こうしてあなたはトイレトレーニングを終え
…プリンセスの道を……←ゼンさんルートと一瞬間違えました。


お尻を昴に洗ってもらいます♪

「ひゃあ!」

「気持ちいいか」

「ひゃい♪」



そうこうするうちに
パパお迎えの時間。

優衣絶叫!

「やら!やらやらやら!ちゅばるー!」

……


優衣にとって
最高級の託児施設、一柳昴。


別れはとても切ない。



「班長」

昴は言います。

「お嬢さんを俺にください」

「断る!」

「うわあああん!ちゅばる〜!」

こんな調子で帰る優衣ちゃん。
車の中でも
恋しい恋しい昴を思い
泣きじゃくります。

(大きくなったら
おひめさまになって
ちゅばるとけっこんしゅる!)



固く固く決意します。


待っててね…ちゅばる…っ!


ちなみに優衣ちゃんが18の時、
ちゅばるは46歳。



……頑張っりゅっ!

頑張って、いい子で待っててね!ちゅばる!
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