愛らぶ男主

□愛らぶ男主・短編#3
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【あと1%達成で俺はお前の彼氏(検索:ぽちゃ・運動会・恋愛)←裏ぢゃないよ】



俺がお前を好きな時
お前を俺の先輩が好きで。

先輩はモテる男で
女には困らない。


なのに先輩は自分から
「優衣を落としたい」と言った。

俺に勝ち目はない。

先輩は今付き合ってる彼女に飽きている。

ところが
彼女にバレて優衣が苛められ

俺が庇うと
先輩の彼女が言う。

「優衣をあんたのものにしちゃいなよ」

…あんたたちじゃあるまいし。

簡単にキスしたり、下半身つなげたり
できねーよ。



優衣は
そうでなくてもかわいい。

綺麗な髪はさらさらで
抜けるように白い肌は柔らかそうで


去年からずっと隣の席。

優衣の横顔ばかり知ってる。

「ね、拓海くん」

「ん?」

「春の運動会。何に出るの?
あたし、どうしよう」

優衣は

びっくりするくらい
運動神経がないのだ。




去年は好きだった。

好きで好きで好きで。

なのに、かっこいい先輩は優衣狙いで

俺は勝負する前に投げていて

だけど


優衣は
先輩から逃げ切った。

先輩の彼女は凄まじく

しまいには先輩が彼女をぶん殴っていた。

なんか修羅場だ。

「優衣」

俺は運動会の一覧表を指差した。

「玉入れでもしろ」

「…二人三脚とかどうかなあ」

もしもし?
俺の話聞きましたか?

「ね、二人三脚」

「…誰と」

「拓海くん!」

「ぐは?」

俺が聞き返すと

運動会実行委員の
悪友が
二人三脚に優衣と俺の名前を書いた。

サイテーや。




「小石川。よかったな」

悪友が言う。

「優衣のこと、今でも好きだろ」

「あの、モテモテの先輩をふるような
理想が高い優衣に
好きとか嫌いとか
言う気がしねえよ」

「小石川。
お前、気弱な」

「うるせい」

「たぶんさ。あと1%くらい足りないよ、小石川」

「は?」



放課後、

練習…。

足首を結びつけるだけだと
捻挫するので

膝も結ぶ。

「…」

ブルマーの足だぞ!

俺も短パンや!

「ち、ちくちくしねえか」

俺の毛の中に優衣の皮膚だぜ、おい。

白っ!

やわらけ〜


しかも肩を抱き合うぜ。

ふわふわだ…


綿菓子みたい。


更にだ。

脇に優衣を挟んでる。

優衣の
ぽちゃがあたる。

やわらけ〜
あったけ〜


「拓海くん、行くよ!」

「おう」

ぺちゃ


ソッコーでコケル。
抱き起こす。

「ふええ」

「…」

お子ちゃまめ。

こんなで運動会大丈夫か。


帰りも遅くなるから送る。

優衣は
カバンを抱きかかえている。

「なにしてんだ」

「前に知らないオジサンに
カバン取られて
追いかけられたの」

ヘンタイか。

「…大変だな」

優衣くらいかわいいと。
色々あんだな。

「今日は拓海くんいるから安心…」

優衣はカバンをぎゅうっと抱きしめて言う。

「拓海くんがいると安心する」

「…」

気の毒な子や。


゜・*:.。..。.:*・゜゜・*:.。..。

俺の友達は
俺が鈍いと
凄く言う。

「小石川。
もう少し積極的にだな」


運動会当日。

やはり派手に優衣はコケル。

「拓海くん、ありがとう。ごめん」

何回もコケル。


そして

うちらはドベだった。

「ごめん、拓海くん」

飯の時間もしょんぼりしてるから
哀れに思った俺は
優衣の口に
唐揚げをぶっこんだ。

「塩唐揚げうまくね?」

「おいちい」

「だよな。塩胡椒レモン、最高だよな」

「うん」

お、笑った。
かわいい奴。

「小石川くん、あと…リレー出るんだね」

「まあな」

そうね。みんな俺の足を心配したよ。

何しろ優衣とコケてばかり。

「私ね」

優衣が言う。

「二人三脚終わったら拓海くんに告白しようと思ってた」

「?」

「でもコケてばかりで。迷惑かけちゃった」

「…俺は優衣と入学式で会った時から
すげー好きで
でも先輩が優衣を狙っていたから
諦めてんだけど」

「…」

「俺が優衣を諦めて
優衣が俺を諦めて」
「諦めてない…自分に呆れただけ」

「時差もいいとこだよな」

「…好き。拓海くん」

「うん。あのな。
二人三脚を優衣が選んだ時
優衣の運動神経じゃ無理だって思ったぞ」

「う」

「でも完走したから。
お互い、諦めないでいいよな?」


たとえ完走しなくても

俺が先輩よりモテなくても

「優衣」

「うん」

「俺、お前、好きだぞ」

「拓海くん…私も」




午後の部が始まる。


優衣がはちまきを貸してくれた。


彼女持ちは
彼女のハチマキして走るんだよな。

先輩は
相変わらずモテモテで
やっぱり足が速いだろうが


でもやっぱり負けられない。
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