愛らぶ男主
□その世界には何も#2
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優衣さんが恋人になった。
海に行くことになっている。
交際前からお泊まりをしてしまったせいか、すんなりと一泊二日となった。
ただし、優衣さんのことだから、あの時の延長線に気持ちがあるに違いない。
「…」
(そういう、無邪気で純真な気持ちがあるに…ちが…い…な)
車から降りた優衣さんがパーカーを脱いだ。
「!」
ビキニか!
白い肌がさらされ、俺は慌てふためき、パーカーを着せて、きっちりとファスナーを閉めた。
「…まさか…下は…パレオ?」
「うん」
頷く優衣さん。
今日は髪を片方に寄せた三つ編みにしている。
「見る?」
背中を向ける。
うなじに後れ毛がかわいい。
白いパーカーとロングスカートに見えたそれはパレオだった。
横の結び目をゆっくりとほどかれる。
そこには桜色のビキニが現れた。
美しい肌に生える綺麗な色で、小さなスカートのフレアがついていてかわいい。
いや、よその子が着ていたら「あ、そ。かわいいね」くらいのものだが、俺の彼女が太ももを日の光に曝すのは許せない。
かわいいお尻がプリンっと丸く、そのふくらみの継ぎ目がわずかに食い込んでいた。すなわち問題外だ。
「日に焼けるからパレオもつけておきなさい」
「え。大丈夫ですよ」
「日焼け止めクリームは?塗った?」
「ううん」
「ならば俺が塗る」
車にふたたび押し込み、後ろから抱き寄せ、ファスナーをおろす。
わずかに手が胸にふれてしまった。
ふっくらとしていてかわいい感触。
パーカーを肩から少し下ろしただけで、華奢なうなじが水桃みたいにやわらかく光を跳ね返す。
男とは違う首から肩の流れはまろやかだ。線が細い。
二の腕の白さは噛みつきたいほど色気がある。
更にパーカーを下ろしたら脇から漏れて見える乳房も視界に入るだろう。
背筋の美しい谷間
絹のようになめらかな肌
腰のくびれと、こちらの気持ちをぐらつかせる、桃のようなお尻をつなげているくぼみ…
「塗ってあげるからね」
低い声が喉から漏れた。
俺はパーカーを後ろから脱がせた。
優衣さんの体が跳ねる。
俺は手のひらに白い日焼け止めクリームを取る。
そしてゆっくりと優衣さんの背中をなぞった。
ぴくんっと震える優衣さんの二の腕を逃がさないように片手でつかむ。
容赦なく優しく、あくまでも時間をかけて背中に白いクリームを薄く伸ばす。
「…っ」
優衣さんが震える。
「どうした」
「く…くすぐったい」
俺は背中から太ももに手を伸ばした。
「そ、そこは自分で塗れるもんっ」
「じゃあ、首を塗る」
うなじを背中から指で撫であげる。
耳の後ろをなぞり、耳穴をくすぐるように小指でなぞった。
「きゃ…っ」
ぴくぴくっと動いた優衣さんを背中から軽く抱き、後ろの方から手を伸ばし、膝にふれた。
剥き出しの肩に頬をのせる。
「俺にも塗ってよ」
振り向いた彼女の目の前でVネックのTシャツを脱いだ。
優衣さんが息を呑み、俺はそんな彼女の瞳をのぞき込む。
「むらが出ないようによろしくお願いします」