IS 〜Poke-Master〜

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 交通事故で死んだと思ったオレが見たのは、巨乳のお姉さんでした。


『…………』
「…………」


 辺りは真っ暗なのに、自分とそのお姉さんの姿だけははっきりと見える。ここがどこなのかは兎も角、現実世界じゃないことだけはなんとなく察しがついた。
 お姉さんが口を開いた。

『ポケモン、好きなの?』
「は?」

 無駄に神秘的な声で、お姉さんはどうでもいいことを口走った。
 もしかして、今オレが着ているシャツを見て言っているのだろうか。と思って自分の格好を見てみたら、白装束だった。あ、これ確実に死んでますな。

「いや、別に特別好きなわけじゃ――」
『いいよね〜ポケモンは。あれほど奥が深いゲームはないと思うんだよね、私』
「はぁ。よくわからな――」
『6種類のポケモンと4つのわざ。計24種類+交代という選択肢を駆使して、相手を攻略していく。なんだか恋愛とか、戦争に近いものを感じるよね。恋愛戦争だよね!』
「いや、それだと意味変わってくるだろ……」
『というわけで、君には別世界にいってもらうよ!』
「脈絡がない!?」

 ポケモンの話だったんじゃないのか!?

『今回は君のポケモン好きに免じて、素敵な特殊能力をプレゼントしちゃうよ!』
「別に好きといった覚えはないし、とりあえず状況を説め――」
『それじゃ、いってらっしゃ〜い』
「ちょ、まっ……もういくの!? せめて素敵な特殊能力とやらの説め――」
『スイッチおーん』
「人の話を聞け! ってなんかこっち来ぶらばぁあっ!?」


 トラックに轢き飛ばされた。


 そこから先の記憶はない。

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