高杉誕生日祭
□2、大人な貴方と子供な私
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2、大人な貴方と子供な私
それから、高杉先生は教科書に従って授業を始めた。
私はと言うと、さっきから顔が熱いのが治まらない。
それに、心臓もずっとドキドキしてる・・・。
大好きな英語の授業なのに、全然集中できない・・・!
「雅、次の例文・・・、ってお前大丈夫か?」
「え・・・?!」
大丈夫かって、もしかして心臓の音聞こえてるとか・・・・・。
・・・それはさすがにない。
絶対にないはず。
「顔、真っ赤だぜ?
熱あるんじゃねェだろうな?」
「ひゃっ!」
さっき触れられた手が、今度は額に触れた。
ビックリして、私は逃げるように立ち上がる。
「雅・・・?」
「ご、ごめんなさい・・・!」
どうしよう。
どうしよう。
どうしたら、いいの・・・・・?
「オイ雅!!」
足が勝手に動き出して、教室を飛び出してしまった。
どうしてあんなことを・・・・・?
高杉先生にとっては、きっと何の意味ももたない行動。
でも、子供の私には・・・・・。
煩さが増す鼓動と、治まらない顔の熱。
高杉先生は、大人の男性だ―――――。
2009.08.10