高杉誕生日祭
□8、問題用紙で折り紙するな
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8、問題用紙で折り紙するな
「ね、センセー」
「何だ?」
俺がここに来て1ヶ月が経った。
俺が担当するクラスの生徒ともようやく慣れてきた頃。
俺にとっての問題児、彩鈴がいつものように話しかけてくる。
「毎回小テストの問題を難しくするのやめてくれませんか?」
「教師は生徒に満点取られたら負けなんだよ」
「満点取るぐらい勉強したって褒めるところじゃないですか?!」
英語はとりあえず定着させるのが時間かかるから、
俺は毎回テストをすることにしているが、こいつは毎回毎回満点を取りやがる。
これでも難易度を十分にしているのにも関わらず、だ。
おかげで平均点が下降しまくっている。
「お前や双海と同じ出来をあいつらに問うには無理があるのは分かってるけどな」
「流宇は英会話しか出来ませんよ?」
「・・・アイツのテストいつも満点じゃなかったか?」
「あれ・・・?」
真剣に悩み出した彩鈴の姿を微笑ましく思いながらも、次の授業があることを思い出してしまい、準備にとりかかった。
双海の成績は確かに良いが、何故か筆記の成績は最悪である。
リスニングやオーラルは完璧なんだが。
「教室行くぞ」
「は〜い」
俺の半歩後ろをてこてこと小走りで追いかけてくる姿が小動物みたいだ。
普段もそう思ってるがな。
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