Short Stories
□Reverse of heart
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何で言えないんだろう―――
『Reverse of heart』
「一体約束忘れるの何回目よあのバカ!!」
本当に毎回のように忘れやがって。
あんな奴、大っ嫌い!
「そんなにどうでもいい存在なのかな・・・」
ベッドに寝転がりながら1人、鳴らない携帯を眺めていた。
泣くのを必死に堪えながら―――
でもね、嫌いって思っても。
本人を目の前にして、言うことは出来ない。
『嫌い』って言えたらどんなに楽だろう。
どうしても、嫌いになれない。
ずっと、私は彼が好きすぎて。
泣きたい気持ちを抑えて、私はノート2冊で力一杯土方の頭を叩いてやった。
「っ〜〜!!」
痛がってるのをみて、少し申し訳なかったけど・・・。
私が受けた傷よりは断然マシだ。
『好き』とも言えないけど。
『嫌い』とも言えない。
本当に『大嫌い』って思うのに。
口から出そうになるのは『大好き』の言葉。
矛盾し過ぎている気持ち―――
2007.09.18