Ciapp
□負けないくらい
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「ごめ、んね」
冷たい風が吹いた気がした
顔全面に、何かがぶつかってきたような気もした。痛くて、痛くて、悲しくて。
「そ、っか」
その一言を言うのがやっとだった。
ずっとずっと君を見続けてきて、ずっとずっと君が大好きだったから。その思いを殺すにも殺せなくて、ついには口から出ていこうともするから必死で食い止めてきたけれど、それももう、できなくなってきてしまったから、
君に
「好き」
と
言った
の
だけど、
君には好きなひとがいるようだった。あっさりと、「ごめんね」の言葉をもらった。こんなにも、強くつよく、君を思っているのに、君の思いは、ほかの誰かに向いていたんだね
強く思ってもそれは一方通行な思い。誰よりも負けないくらい、君を思っていた、だから、だから―…
こぼれおちた涙も、冷たい風が乗せていった
負けないくらい想ってたのに
(それでも、散るものは、散る)