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□ハンター試験
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ーちゅんちゅん...
「それでは、此れからハンター協会企画"仲間と絆を深めよう"イベントを開始致します!」
何処からともなく現れた協会から派遣されてきたであろう女性が突拍子もない事を叫ぶ。
「...は?」
俺、キルア=ゾルディックは色んな事情で今年のハンター試験に参加したんだけど...。
馴れ合うだけの"人間関係"を築く為に受けに来た訳じゃない。
「ねえお姉さん。」
ふと、警戒心を感じさせない穏やかな声で思考を遮られる。
此奴はゴン...ゴン=フリークス。親父を捜す為、このハンター試験にやってきたらしーーー
「キルア、余計な妄想は控えるのだよ。」
「そうだよキルア! キルアばっかかっこよく見えるじゃんか。」
随分ひでぇ事云うんだな...
「うっせーな! つか妄想って何だよ妄想って。」
此奴ら人の事ばっかりケチつけやがって...じゃあ少しくらい 妄想 とやらの手伝いを...
「あ!」
ゴンが船から身を乗り出す。
そして、何かを指差した。
指の先には、密林が広がる島がぽっかりと浮かんでいた。
「さあ皆さん、イベントはあの島に着いた瞬間からです! 仲間を沢山作れば今後の評価について関わるとか...!」
なんだと、それはめんどくさい。
「あ、言い忘れてましたけど殺しはoutですからね、お気をつけ下さい。」
上記を全て言い終えると、にこりといかにも胡散臭い営業スマイルを浮かべる女性が一瞬、悪魔に見えた気もした。
「それにしても不思議なイベントなのだよ。」
此奴はクラピカ。何か過去色々あったらしい。長いから省略。
「そうだなァ...」
船酔いから回復したのか、やっとレオリオのおっさんも喋り出す。
おっさんの過去とか知らないし興味ないから省略。
「ま、とりあえず俺達はもう仲間だよね?」
ゴンが屈託の無い笑いを見せる。
そんなゴンが何だか羨ましい。
「そゆことか。」
ふふんと鼻をならし、ゴンと肩を組む。
その刹那、
「きゃあああああああああああああッ!!」
密林の奥で女の子の叫び声が聞こえた。
「ゴン!」
「うん、行こう!!」
ゴンはリュックを背負い直すと俺たち3人とアイコンタクトをとった。
そしてゴンと俺、クラピカレオリオも弾かれたように密林の奥に飛び込んで行った。