道慈 通常

□4日目
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【ある日の朝】ん…朝か…ありがとうな椿。椿、おはよう…昨日は色々と大変でワルかったな…。ぎゅう♡疲れちまってたろうけど、朝起きるのは辛くなかったか…?俺も今日は仕事がねぇからって調子こいて、寝すぎちまったぜ…。今、何時だ?



えっとね…もうこんな時間!?



なるほど…そんな時間か…。結構いい時間だな。思いの他ぐっすり眠っちまってたみたいだ…椿よく眠れたか?腹も減ったし朝食にするか。卵があるから…目玉焼きとトーストで良いよな?特に希望がなけりゃ俺が作っちまうが。



私も手伝うよ!



んじゃ、一緒に作るか――【数分後】お、良い感じなんじゃねぇか?じゃあ食うか。いただきます…。モグモグ…美味いな。今日なんだが、組でやってる商売関係で必要な女性用の日用品を買い足しに行きたいと思ってる。椿も一緒に来てくれ。



うん!わかった!



女の目線が欲しいんだ…助けると思ってよ…頼むぜ。まあストッキングやら歯ブラシやら、大体椿も想像できるような消耗品だ。なんせ女性用だからな。椿もいてもらえると助かるんだ。他にも必要そうなものがあれば助言をくれるとありがてぇ…。



わかった!



ああ、助かんぜ。…ご馳走さん。椿も食い終わったみてぇだし、出かける準備するか。椿も着替えて…寝癖直してこい。急ぎじゃねえからまあゆっくり準備して来いよ。終わったら声かけてくれ。



えっ!?寝癖ついてた!?すぐ直してくる///



準備できたな?――お、その恰好…似合ってんじゃねぇか。これが洒落た用事だったら良かったんだが…そこはご愛敬だ。――じゃあ行くか、そんなに遠くはねえからな、歩いて行くぞ。いつも世話んなってる店があるからそこに行くぜ。



うん!



…ここだな。店主にも話は通してあっからよ…一先ず用事はすぐに済む筈だ。入るか。…アダルトショップに見えるがいつも世話になってる店だ。店主が組の昔からのなじみでな…きちんと日用雑貨も揃ってるからよ、緊張するこたぁねぇ。



う…うん…



ははっ、その恥じらいも尊いモンだからよ…忘れねぇようにな。「いらっしゃい、ああ君か、待ってたよ」――ああ、注文したモノを頼む。それと少し買い足しがあるから店内見せてもらうぜ…。さて…椿、こっちだ、店内は入り組んでっからよ…はぐれんなよ?



そんな子供じゃないから大丈夫だよ!



んな事はいいから、くっついとけ。女性用の日用品は…この辺だな。ストッキングと歯ブラシと…カミソリ、化粧落とし…消耗品は減りが早いから多目にあっても困らねえだろ。椿はなんか必要なもん思いつくか?



化粧落としを買うならコットンとかもあってもいいかも!



なるほどな…参考になんぜ。その辺も揃えておくか。椿を連れてきて正解だったぜ…何だかんだ、こういうモン買いに来ると、合ってっか自信持てねぇんだよな。…まあこんなもんだな。かなり荷物か多くなるから部下に車で持ち帰らせるか…椿少し待っててくれ。



わかった



――待たせたな。荷物は部下に任せたから大丈夫だ。次は…そうだな。昨日、ダメにしちまった本をもう一度買いに行きてぇからよ…帰りに本屋に寄りてぇんだが、付き合ってくれるか?



いいよ!今度こそ読んでほしいな!



…ありがとうな。じゃあ行くか。まさか買った本が、あそこまでボロボロになっちまうとは思わなかったからな…正直、あん時は冷静に振舞ってたがよ…あんな少年誌みてぇなことが現実に起きるってのも、中々衝撃だったんだぜ?



全然そういう風には見えなかったのに…でもあの本で守れたならよかった!



ははっ、正直、死んだと思ったくれぇだ。何にせよだ。あの本があったおかげで助かったからよ…椿には感謝してぇし、やっぱちゃんと読まねぇとってのも思うしな。――ほら、本屋に着いたぜ。確か昨日買った本は…これで間違いねぇよな。



うん!面白いから今度こそ読んでほしいな!



おうよ。ありがとうな。――待たせたな。本も買えたしよ…しばらくは暇つぶしに困らねぇだろうな。…それにしても、もう昼か。椿よぉ…腹減ってねえか?折角だし材料買って帰って、家で簡単なもんでも作らねぇか?どうせだし一緒によ。



いいね!何か食べたいものはある?



そうだな…どうするか。んじゃ、作るモンだが…そうだな、久しぶりに日本食でも食いてぇ気分だ。一人だとどうしても偏っちまうし、折角椿もいるからな、白米に味噌汁と…生姜焼きなんてどうだ?



いいね!早速作ろう!



ははっ、生姜焼き好きか。それなら良かったぜ。――早速、材料集めねぇとな。取り敢えずはこのショッピングモールで事足りる筈だ。…――この階だな。ショウガと肉を探すか、米とか味噌は家にあるからそれ使えば良いしな。他に欲しいモンあれば、多くなけりゃ入れて良いぞ。



じゃあ…後キャベツと…彩りにトマトも欲しいな…



…まあこんなもんだな。よし、材料はこんなモンか。美味ぇ生姜焼き、作ろうな…まあ、肉は取り敢えず焼けば美味ぇみてぇなところもあるけどよ。――んじゃ、会計済ませてくっから、待っててな。



ありがとう!待ってるね!



待たせたな、済ませてきたぜ。(肉を多めに買っておいた…これでサンドイッチの具にも困らなさそうだな…)買い物としてはこんなモンで良さそうか…?二日連続でショッピングだけってのも味気ねぇよな…時間もまだ少し早ぇし。この辺りに水族館があった気がするな…。行ってみるか?



いいね!行ってみよう!



んじゃ行ってみっか。じゃ店出るか。――確かこの辺だったか?…見つからねぇな。デケェ建物だから見落とすこともねぇとも思うんだが…。んー…もうちょい歩くみてぇだ。椿は歩くの好きか?しんどくねぇならこのまま歩くがよ…。



散歩も好きだし、体力なら負けないよ!



はっは。そうかそうか…。俺は普段車での移動が多い。歩くのはあんま好ましくねぇんだが…。なんだかな。椿とだと歩くのが…好きとまではいかねぇが…。悪くねぇ気分だ。お前は俺をすぐ変えちまうな。恐ろしい女だ。



そんなことないよ///



ふっ。…ポンポンッ。行くぞ。――「ぐす…うっ……。」ん?なんかガキが泣いてら。ちょっと待っててくれ椿。……おー坊主。何泣いてんだ男だろ?(かがむ)……「あいず…おどじだ…」アイス落とした?…んー。…何アイスだ。「ジョゴ…。」…わるいな椿。5分で買ってくる。坊主と待っててくれ。



うん…わかった



「うぅ…ぐす…ありがとぉ…。」――えーっと…ここか?さーてぃー……つー…?まぁここだろう。ウィン…。「いらっしゃいませ〜。」あのガキ何味がいいって言ったっけな。……ジョゴ…。とか言ってたな。すみません。ジョゴを一つ。「ジョゴ…?」ジョゴ。「…………えっと。」……すみません。ウィン…。電話するか。【八馬 道慈からの着信です】



…ん?…電話だ…どうしたんだろう?



すまん椿。あのガキとまだ一緒にいるか?今アイス屋に着いたんだが。…あいつ何味のアイス落としたんだ?…ジョゴなんてねぇって。たしかジョゴって言ってたよな。



…えっ?…あれってチョコのことじゃないの?



チョコ……。………………………………///……切るな。ブチッ。……はぁ…。ウィンッ。すみません…チョコアイスひとつ。「かしこまりました〜。」【数分後】もどったぞ。すまないな椿。お守させちまってよ。



ううん!大丈夫だよ!



…この埋め合わせは必ずするぜ。ほら坊主。チョコアイス。「……!――わぁぁぁ…!ありがとー…!」もう落とすなよ。ポンポンッ。「うんー!!」じゃあな。……ったく、すげぇ寄り道だったな。水族館行くか。



面白い道慈も見れたし私は満足だよ!…そろそろ行こうか



ほら、椿にもチョコアイス買ってきたから食べながら行こうぜ。……あのガキみてぇに落として泣くなよ?流石に買い直しはしねぇからな?…しかし、美味そうだな、それ。アイスつったらあのガリガリしてるソーダバーくれぇの印象しかねぇからよ。あー…一口くれねぇか?手が三つありゃ、俺の分も買ってきたんだが、そうもいかなくてな。



ありがとう!せっかくなら二人で食べようね!



ありがとよ…んむ…。んぐんぐ…。ん、美味ぇじゃねぇか。こりゃ、ガキが落として泣くのもわかるな…なけなしの小遣い握りしめて、折角買ったんだろうによ。ん…?お前口の周り鏡で見て見ろ。いい大人が凄ぇことになってんぞ…(鑑代わりに、真っ暗なスマホの画面を向ける)



チョコついてる///…ティッシュあったかな?///



だらしねぇから拭くぞ…フキフキ…。…椿を見てるとわらけてくんな。バカにしてるわけじゃないぞ。…お前は人を元気にさせる。……本当に…俺の隣で…いいのか?お前を欲しがるヤツは五万といると思うぞ。



私はその五万の人たちより道慈の隣がいい!



そうかよ…んじゃ、期待外れにならねぇ様に精進しつづけるぜ。なんつーか、やっぱ変わりもんだなお前はよ。…………大切にするからな。絶対離れんじゃねぇぞ。………何立ち止まってんだよ、お前。ほら、水族館行かねぇとだろ?そろそろ見えると思うぜ。



う…うん///



急に言い出すようなことでもねぇよな…。ワリィな。……ん、そうこうしてたらもう水族館じゃねぇか。早いな。…へぇ。結構でかいんだな。…ここでチケットを買うのか。えーっと?大人一名と…。口の周りにアイスつけてたヤツはー…。子供か。子供一名っと…。



アイスつけてたけど大人だってば///



ははっ、ワリィワリィ…お前は立派な大人だよ。――わかったよ大人2名買っとく。…ポチッ。…ん、これもう早速入れるみたいだな。行こうぜ?……うぉ。上見ろ椿。早速サメじゃねぇか…。いいなサメ。椿は魚だったら何が好きだ?



熱帯魚とか可愛いよね…後イルカも好きだよ!



イルカか。ほう…。なんか椿らしいな。お…すげぇな。海の中に入ってる見てぇだ。周りが水槽でできてる…中々、神秘的じゃねぇか。――「イルカのショーが始まります〜」…おっ。だってよ。見に行くか?



うん!行きたい!



そいじゃ行こうぜ…。あん?…椿、すげぇガキみてぇな表情するじゃねぇか。童心に戻ったんじゃねぇか?――ん、ここか。…お、丁度二席分あいてるな。…ほら、座りな。…ん。なんかビニール袋があんな。なんだこれ?



イルカショーの時は水しぶきがかかるからビニールが配られる所もあるんだよ!



ほぉ〜。そういう事か。詳しいな椿。よく考えられてんだなぁ。…って。そんなに…水飛んでくるのか…?イルカってすげぇんだな。…ん、なんかビールの売り子みてぇなのがいるな。酒もらうか?



ほんとだ…なら何か飲もうかな



ふっ…そうだよな…うし。頼むか。すみませんー。――「はいどうぞ〜」ありがとうございます。…んじゃあ乾杯だな。ははっ、グラスみてぇに良い音はしねぇが、まあ、雰囲気だよな。・・・ゴクッ…ゴクッ…。ゴクッ…。っぷっは!うめぇなぁ…。外で飲む酒はうまい。



ほんとだね!美味しい!



はは。幸せな顔してんな椿♡…その顔見れたら俺も満足だ。クイッ。ゴクッ…ゴクッ…。「イルカのショー開催しま〜す」んっ…ぷはっ。…もう始まんのか。お!見ろ椿…!3匹いるぞ…!



ほんとだ!可愛い!



すげぇな…。「このイルカさんたちは一人一人の事を認識できま〜す今、私が持ってるボール!欲しい人いますか〜?このイルカのルカちゃんに飛ばしてもらいま〜す」みんな手あげてるな。あのボール要るか?…椿手上げとけよ♡ほら…♡ふっ…♡



また子供とか言うんでしょ!…でも欲しい!



がばっ!(勝手に椿の手を掴んであげる)ふっ…。「う〜んルカちゃ〜ん!お友達がい〜っぱいいるね〜ルカちゃんはどの人がいい〜?……あのおねぇさんが良いんだね?おねぇさ〜ん!そこの!」椿、呼ばれてるぞ…♡「お名前は何かな〜?」



私っ!?…椿です!



「椿おねぇさんだねぇ〜」「それじゃ〜ルカちゃん?おねぇさんに向かってボールを投げてあげよっかぁ!…キュイッキュイッ…」へぇ…。言葉が通じるのか…。「いくよ〜?おねぇさんキャッチしてね〜?せ〜の…それ〜!」おぉぉぉ…!来た来た。すげぇ…。



凄い!ボールちゃんと投げてくれたよ!
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