皐月 通常

□2日目
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【朝】――…い、…おーい…!おきろ〜…。…あ、起きた?はぁい♡おはよ、椿お姫さまー…♡って…まだ覚醒してない感じ?(笑)彼氏のさっちゃん、朝から大好きな彼女に襲い掛かってまーす、の図…。あ、もしかしてこの起こし方心臓に悪い?でもー…ドキドキするからいいでしょ?あはー♡



心臓に悪すぎるからもっと普通に起こしてよ///



あは、真っ赤じゃーん♡でも寝坊助な椿も悪くない?椿って小さい頃から寝坊助だったもんなー。ほら、覚えてる?ガキの頃さー、お昼寝の時間に椿だけおやつの時間まで起きなくて先生に無理に起こされてキレてたのー(笑)あのとき俺椿ちゃんかっこい…!って憧れちゃってさ♡



それは恥ずかしい思い出だから忘れてください///



超かっこよかったよ?(笑)んでさー、そのあと一人で椿がお着換えしててそのときー…あ、こっから先は恥ずかしいかー♡椿パンツにおも……あは、嘘だってなんでもない(笑)ほれ、早く支度しないとー…その無防備で丸見えなブラー…さっちゃんが泥棒しちゃうよー?♡



…え?///着替えるからあっち行ってて!///



冗談だって(笑)そんな怒んないで?ってかそのブラこないだ買った?ゴミ箱にタグ落ちてたし、その感じだとまだ新品に近い…んー…あぁ、先週鈴子ちゃんと買い物行くって、……あー…ごめん(笑)推理癖でちゃった♡ま、今度ちゃんと見せてね、そのセクシーなブラ♡「椿ー?早くおりてきなさーい!」 んじゃ下で待ってるわ、お母さん呼んでるし♡



誰が見せるか!///さっちゃんのバカ!///



――…つぱつぱ…。や〜…お母さんの作る朝ご飯と酢昆布まじで合う!僕毎日お母さんのご飯が食べたいです!お母さんのお味噌汁を毎日…「ごほん」 あ、…お父さん冗談ですよー♡椿にこの味噌汁の味勉強してもらいまーす♡……お?椿ー…ちょっと俺の目見て?そのままでいいから早く♡



…え?…これでいい?



ん、そうそう♡……『こいつ、なんで当たり前のようにうちの朝ご飯に…』って思ってるな…?「あら、さっちゃん。椿のモノマネが上手ね♡」 あは、何年一緒に居ると思ってんですかー。って離れてた期間長いけど(笑)んま、目見ればなんでもわかっちゃうんでー…ね?♡椿、ビンゴでしょ?



…もうさっちゃんの目見ないようにする



あはー、わかりやすいんだよね。椿は♡ってかてか!もうこんな時間じゃんか!もー、こんなゆったりのんびりしてたら学校遅刻するって…!今日の一限…「あら、さっちゃん今日は日曜日よ?」「はは、皐月くん。そそっかしいな。」 …え、…まじ…?(椿の方を見る)



…まじだよ?



まじか〜……。今日は早起きできたし、購買のおばちゃん口説いて限定チョコ生クリームパン手に入れようとしてたのに…はぁ…さっちゃん落ち込んじゃう…。椿…事務所行こ。早く行こ…。ぎゅ…♡「あらあら、お熱い事♡椿、早く行ってきなさい!お父さんが拗ねちゃうわよ!」ほらほら〜母さんもそう言ってるし、行こ?



…う…うん?



じゃ、おかあさん、おとうさん。椿お借りしまーす♡いってきまーす!――…ま、つってもお隣だし速攻着くんだけど(笑)…お?あれあれ?事務所の前に見知らぬマダムが…もしやお客様…ってことは事件…?殺人?強盗?未解決事件!?椿、走って!早く行くよ!…はいはいはーい!朝日奈探偵事務所の朝日奈皐月でーす!(走って女性に近づく) 何か御用でしょうか!?



こういうことになると急に元気になるな…



【事務所】――…あー…ねこ……ねこちゃんね…ニャーン…。「そうなのよぅ。うちのね?可愛いマロンちゃんがね?あ、マロンちゃんは由緒正しい血統書付きの猫ちゃんなんだけど♡あ、写真見る?えっとね…」 っと、……あーマダム。申し訳ないんですが…ちょっとお手洗いに…。(席を立つ朝日奈)椿、ちょっと。


ど…どうしたの?



んだよ、あのおばさん…。猫探しとかそーいうしょぼい仕事は俺の趣味じゃないっていうかー…んでもさ、断って悪い噂たてられんのもシャクじゃん?だからー…椿!たのんだ!お願い!この仕事は椿に託す!ほら、昔椿さ、猫拾いまくってお母さんによく怒られてたじゃん?(笑)



人を猫発見器みたいに言わないの!…手伝うけど、さっちゃんも協力してよね?



いいの?やったー♡あーっと、マダム。申し訳御座いません、お待たせしてしまって♡今から私は少し大きな事件の為外出しなくてはならないので…ここから先は助手の椿が対応致しますので。ね、椿クン?椿はうちの事務所でも腕の利く探偵で猫探しのプロですので。「あら…そうなの…。残念だわ。椿さん、うちのマロンちゃんお願いしてもいいかしら?」(よし、我ながらいい流れ…ラッキー♡)



(…後で何か奢らせてやる!)…わかりました!…マロンちゃんのこと聞いてもいいですか?



ほら、頼もしい助手なんですよ♡プルル…「あらごめんなさい。主人からだわ。…はい。…ええ、そうなの…マロンちゃんね、…ええ…見つかるといいけど…。そっちは大丈夫です?…そうね、…うちの酢昆布があればあの子も…」…え?今の聴き間違い?酢昆布?



私も酢昆布って聞こえた…



だよね、今酢昆布って…。ピ。「すみません、主人もマロンちゃんが心配で電話を…。」あ、あの…先程電話で…。…っは…!(先程の電話…、マダムの風貌、…それにこのツンとした匂い…もしかして…彼女は…。いや待て、何か…決定的な証拠…)きょろきょろ…、ん…?(マダムのバックに…)!…あは、みっけ♡…マダム、やはり僕にお任せください。マロンちゃん、僕が必ず見つけて差し上げます。「あら、よくって?」



…急にどうしたの?



もっちろんです…!!!何を隠そう僕は…マダムのご主人の会社、田中の酢昆布の大ファンなのです…!いつも食べさせていただいてます!っていうか田中の酢昆布しか食べてません!!(他会社の酢昆布をゴミ箱にぶち込みながら)「あらあ、嬉しいわ。お若いのにうちの酢昆布なんて…」もう田中の酢昆布無しでは生きていけない…!(大嘘)田中の酢昆布のおかげで何件もの事件を解決したか…!(大嘘)ね、椿…!(きらきら〜)



そ…そうですね!…彼にとって田中の酢昆布は何よりも大事な物なんです!



ほらぁ!いつも一緒の助手もこう言ってます!愛しの猫ちゃん、マロンちゃん!もちろん探させていただきます!それであのー…ご提案なんですけど、見つけた暁には報酬として御社の酢昆布を1年分とかいただけると嬉しいのですがー♡他の金銭等は一切頂きませんので…!「あら、それじゃあ少ないわよ。見つけて下さったら3年分は差し上げます」



やっぱり酢昆布目当てか…



ich bin glücklich(っしゃ、めっちゃラッキー)!是非お任せください…天才探偵朝日奈皐月、命に代えても猫ちゃんを探し出します。ささ、早速マロンちゃんの情報を出来る限りお教え下さい…!――…では、また進展がありましたらご連絡させて頂きます!「あ、でも…」何か?



どうしたんですか?



「どうして私が田中の酢昆布の人間だとわかったの?」…あー、あは。簡単な推理です。日常的に酢昆布の話をする人間なんてごく僅かですし…そのあと気が付いたんです。田中さんの風貌…何処かで見た田中の酢昆布の製造者の写真に雰囲気が似ていて。それと…少しだけ香る酢昆布の匂い、…それに…その鞄についてるのは…18年前の田中の酢昆布のキャンペーンのもの。限定5個キーホルダー…の、シリアルナンバー0番。これで確信しました♡ちなみに僕は…3番所持者です♡(チャリン♪)「ふふ、よく見てるのね…。頼んだわよ、お若い探偵さん」……ふう…。んん?椿どしたん?あ、さっちゃんの華麗な推理にびっくりした?



推理にもびっくりしたけど、酢昆布への愛の方にもっとびっくりした…



あは、そうかな?さっきのは推理とかじゃなくて憶測繋ぎ合わせたら偶然、って感じだけどねー…まぁ、あぁいうのも結構鋭い方なんだよね、俺。人間観察は好きだしねー♡…じー…椿今、結構トイレテンパってるでしょ?朝から結構水飲んでたしちょっとそわそわしてるし♡いってきな―(笑)



そんなことまで分かるの!?…ちょっといってくる



おかえり(笑)…んで、本題。勢いでやるって言っちゃったけどさー?体力無いし地道な聞き込みとかマジ苦手だし猫探しとか悲惨なほど向いてないんだよねー…いやーどうするかなぁこれ…。でも…田中の酢昆布三年分とか言われたら…学生の俺は飛びつくしかないでしょー…。はぁ…。肩かして〜…(うなだれて椿にもたれかかる)



酢昆布のためにも頑張ろうよ…



えー…このままー…っちゅ♡なんてねー♡んでもまじどーすっか…、とりあえずこの情報をもとに周りに聞き込み調査ー…ん?誰かいる…?「ふっ…困っとるようやなぁ、東の凡才探偵」 …んんん?…あー…お前は…西の平凡探偵じゃん。何でこっちにいんの?「誰が平凡やドアホ!!お前より有名やっちゅーねん!!…って…お前、なんやその女…(ワナワナ)」



…えっと…何かまずいことがあるのでしょうか?



え?幼馴染。「…っっっんやねん!びっくりさせんなや…!女でも出来たんかとおも」 彼女だよ?「…なんやて朝日奈…そんな話があってたまるかっちゅーねん…」 あは、なになにそのテンション。もしかしてー…さっちゃんに彼女出来たのがショック?へー?翔平ソッチ系?「ちゃうわ!ド阿呆!……にしてもこの女……じー…」 ちょいちょい、顔近くない?あんま椿に迫るなって…。



私の顔何か変でしょうか!?



「お前…ごっつべっぴんさんやん…!♡」 はいはいはいはいはーい!終了でーす。離れてくださーい!(灰霧と椿の間に押し入る)ったく…油断も隙もあったもんじゃない…。んで?何してんのこんな東で。あ、椿こいつはー…自己紹介だるい。灰霧に聞いて。



…まさかの!?



「よくぞ聞いてくれた!ワイは、関西一の高校生、じゃなかった…大学生探偵の灰霧翔平(はいぎりしょうへい)っちゅうもんや!覚えとき!ま、こんな男前一回見たら忘れられへんと思うけどな!あぁ、んで…ちょいと用があってこっち来たんやけど…なんやここらで幅聞かせてる探偵がおるって噂訊いてのう。面拝んだろう思うたら、今にも死にそうな顔した朝日奈だったってワケや」 …ほう?



確かに死にそうな顔してたね…



死にそうって…失礼なヤツだな。ま、死にそうなのは間違ってないか…。俺たち結構忙しいんだよね。だからさっさと大阪帰ってドウゾ。「なんやねんその扱い!せっかくこっちまで来たんや、そない簡単に帰れるはずないやろ」 …はぁ、嫌な予感。嫌だよ。別に事件でもないし…いつもみたいに朝日奈!先に事件解決した方が勝ちや!!とか言って勝負挑んでくるとか「勝負に勝ったら、この女ワイがもらうわ♡(椿を抱き寄せる)」 はぁあ〜?



へっ!?そういう流れ!?


何言ってんのー…もう面倒臭い…。椿はモノじゃないし、仮にモノだとしたら俺のものなんだけど。こっちは何年も前から目ぇ付けてんだっての。「んなこと知ったこっちゃないわ!この女はワイが貰う。嫌なら…先に猫見つけた方が椿の男になるっちゅーのはどうや」 …なんで猫の事知ってんの?椿話した?



いや…何も話してないよ?



あっそう…。「たまたま聞こえてきたんやって…!んで?どうするんや?東の大学生探偵、朝日奈皐月くん?」 …へーへー、わかったよ。やるって。はぁ…こいついっつもこうなんだよ…。俺にくっだらない勝負しかけてきてさぁ…。とりあえず椿返して。今はまだ俺のでしょ?…っん、…ちゅ。「なっ…!朝日奈、お前…!」 何?付き合ってんだからこんくらい当たり前でしょ?ね、椿?♡



ひ…人前でしなくても///
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