皐月 通常

□6日目
1ページ/2ページ

【次の日】…椿〜…椿…「椿〜皐月くん〜!起きなさ〜〜い!!(耳元で大声)」(ビクゥ…!!)び、びっくりした〜…あ、おはようございます…?「ふふ、おはよう皐月くん!で、椿はまだおねむかしら?皐月くん、悪いんだけど起こしてもらえる?朝ご飯の準備できてるから起きたら二人ともおいでね♡」はーい…ん、椿…ほら、起きて?(ゆさゆさ…)



うーん…もう朝?



起きた?めっちゃ眠そうじゃん…ちゅっ…おはよ、椿♡いや〜めっちゃ焦ったんだけど…服着て寝てよかったね?(笑)まぁもうお母さんには、あははうふふなことしてるってバレてると思うけどー…♡あ、そだそだ。朝ご飯できてるって言ってたから起きてリビング行こう?もう俺お腹ぺこぺこー♡



そ…そうだね…とりあえず朝ごはん食べよっか



あ、椿…じっとして?髪の毛、寝ぐせついてる。(手ぐしで椿の髪を整え)…ん、なおった♡じゃあリビングにいこっか♡…――【リビング】「やっときたわねふたりとも!ご飯はもうよそってるから、冷めないうちに食べなさい♡」今日は和食ですねお母さん!ちゃんと俺のだけ納豆ナシにしてくれてるところにお母さんの愛を感じますよー♡それじゃあいただきまーす!ぱくっ…もぐもぐ…。おいしいね椿♡



うん、美味しいよ



いやー毎日お母さんの美味しい朝ごはんが食べられて…俺はめっちゃ幸せです!でも俺以上に、お父さんはもっと幸せでしょうねー!奥さんが料理上手で、いつもラブラブで♡「はは、皐月くんもわかってるじゃないか…。母さんと父さんはいつまでもラブラブだからな。母さん、愛してるぞ♡」「お父さん♡私もよ…♡」あ、椿、もう食べ終わったんだ?お母さん、片づけは俺たちでやりますよ!ね?(椿のほうを見る)



えっ…うん…片付けはやるよ



「あら、ありがとう♡じゃあふたりにお願いしちゃうわね♡」「本当に、皐月くんは頼りになる男だな」いえいえ、これくらいなんてことないですからー。…椿、俺が使った食器洗うから拭くのお願いするね。洗剤で椿の手が荒れちゃうのは俺が嫌だからさ♡ジャー…「そういえばふたりにまだ言っていなかったんだけどね…」



ん?どうしたの?



「今日はお客さんがくることなってるから…」「ふたりには出かけてきてほしいのよ。私たちの古くからの知り合いと数年ぶりに会うから、ゆっくり話したくてね♡そういうことだから、片づけが終わったら外出しちゃってね♡」…なるほどーわかりました!お母さんとお父さんの頼みとあれば♡…んじゃ今日は……はっ…!…気付いてしまった…!



どうしたの?



椿聞いて…今日は…日曜日じゃん!てことは学校も休みだし…田中の酢昆布の工場見学行けるじゃん…!ほらこの間猫探し依頼されたマダムいるじゃん?コネクションもできたことだし♡…ねぇ椿…♡俺どうしても工場見学行きたいんだけどー…付き合って?お願いー♡



まさかの工場見学!?



椿なら聞いてくれるよね?お願いー…♡そうと決まればパパっと片づけ終わらせちゃおっか。椿も拭いてくれてありがと♡「ふたりとも助かったわ♡」…こちらこそ、お母さん、ご馳走様でした!てか、俺たち起きてそのままリビング降りてきたから、顔も洗ってなかったじゃん(笑)椿を洗面所まで連れてっちゃうね♡



確かに…ちょっと洗ってこよう



リビングでたから手ぇつなご?ぎゅ♡…ってもう洗面所ついちゃった。すぐ洗面所ついちゃうんだけどさー廊下から洗面所までのちょっとの距離でも繋いでたいじゃん♡?じゃあ椿、顔洗って…はい、タオル。椿んちのタオルの場所までもう熟知しちゃった(笑)じゃあ次…俺も顔洗うねー。ぱしゃぱしゃ…。



はい、タオルこれね



ん、タオルありがと♡はースッキリしたー。椿もスッキリ爽快って顔してんね?で、どうするかなー…あ、そうだ。椿、ちょっと待ってて?(pipipi…)んーと…うん!空いてる♡今日デートに行く場所決定!すぐでかけるから、椿も準備してきな?♡ちょっと歩くから、歩きやすい靴を履きなよ?



えっ…どこに行くの?



とにかく、そうしてね♡――椿、準備できた?あ、めっちゃいいじゃんその服♡椿ってほんとなんでも似合うな…ふ〜ん…じー…♡あ、ごめんごめん(笑)可愛くて見惚れちゃうなと思ってさ♡よし、お互い準備できたし出掛けようか。ん。(手を差し出す朝日奈)



そうだね!行こっか



ぎゅっ♡…ほら、行くよ?――…今日は天気がいいね♡こんな日は、やっぱり外に出てデートに行くのがいいよね。…あ、ほら見て?鳥が飛んでるよ。気持ちいい日差しに、鳥の声が聞こえて…お出かけ日和って感じ。こうして歩いてるだけでも、ちょっと楽しくなってくるね。



そうだね!…気分もスッキリするしたまにはお散歩もいいね



椿もそう思う?今日は電車だから駅までしか歩けないけど、少しでも楽しめるよね♡――【駅】あー、日曜だから人多いね。はぐれない様に気を付けて?ぎゅっ…♡…あ、電車が来たね。うわぁ電車の中も人多いな…これ乗れるかな(笑)



頑張れば乗れると思う



ま、大丈夫か(笑)んじゃ乗ろっか。…うっわぎゅうぎゅう…椿、大丈夫?苦しくない?俺が守ってあげるから♡ほら、俺の腕の中に来て?ぎゅっ…♡あはは、顔真っ赤じゃん♡抱きつかれて照れちゃったの?満員だし誰も見てないから大丈夫でしょ♡



さすがにこの状況は恥ずかしすぎるよ///



あ、やっぱり照れてたんだ?そういうとこ、すげー…可愛いって思うよ♡(なでなで♡――ガタンッ)わっと、人が多いからかなり揺れる。椿平気…?押しつぶされるかもしれないからね、苦しかったら言って?可愛い椿を、こういう時にこそ守ってあげるのが彼氏の役目なんだしさ。



大丈夫だよ…ありがとう///



彼氏が守らないで誰が守るのさ。おっと…(ぎゅ…)…苦しいのはいやだけど、椿とこうしてくっついていられんのはラッキーだわ♡これなら自然だし誰も気にしない…それにさ、椿も俺とくっついていたかったでしょ?なんて♡あはは、自惚れ過ぎかな…?(笑)



少しはくっつきたかった///



あはは、そっかそっか…椿は可愛いな♡(なでなで…)『次はー…』あ、これの次の駅だね。もう少しの辛抱だよ。…って、あ、ほとんどの人達ここで降りて行った…そういえばここって大きな駅で乗り換えあったもんね?あ、席空いたよ。あと一駅だけど座ろっか。押しつぶされて疲れちゃったしさ…ね♡



そうだね…空いてるし座ろっか



うん、ゆっくりしよ〜。ふぅ、まだ出掛けてすぐなのにもう疲れたんだけど…ってことで、椿〜…癒しの補充させて♡ぎゅっ…♡うんうん、少しずつ回復してる気がする…椿も疲れたならちょっとだけどゆっくりしなね?肩かしてあげるし♡



ありがとう…じゃあちょっとだけ肩貸してくれると嬉しいな///



あは、俺達甘えん坊カップルじゃん♡可愛いな〜♡ぎゅうっ♡椿はなんでこんなに可愛いの?反則だよ♡…(すんすん…)ん〜椿のいい匂い〜♡あは、匂い嗅がれるのやだ?俺の一番好きな匂いなのにな〜。でも椿が嫌がるのならやめとくよ。もうすぐで到着だからね〜!



う…うん///



あは、顔真っ赤♡俺も嗅いでイイよ♡とか言ってる間に見えてきました〜、じゃん!こちらが今日見学する田中の酢昆布製造工場でございま〜す♡う〜ん、実に立派な建物だ…無駄な装飾なんて一つもないね。椿、正門で田中のマダムに取り次いでもらおう。楽しみだな~♡



本当に酢昆布好きなんだね…



すみませ〜ん。…――「あらあ、え〜っと…阿佐ヶ谷探偵事務所の」朝日奈です。「あら、御免なさいねぇ朝日奈さんだったわねぇ。助手さんも、こんにちは。先日はうちのマロンちゃんを見つけて下さってありがとうねぇ。主人も大変感謝してたわぁ」いえいえ!田中さんの酢昆布の為ならたとえ火の中水の中ですよ!ね、椿?ね?(頼むよ〜?)



…はい…そうですね



ほらぁ!いつも一緒の助手もこう言ってます!「あ、そうそう…うちに子達のご挨拶がまだだったわねぇ…。」はい?お子さんですか?「うふふ、少しだけ待っていてね?」行っちゃった…でもここで田中のマダムのお子さん達に気に入られてもっと強固なパイプが…!



何ていうか…そこまで来ると感心するよ



椿もそう思う?あ、帰ってきたみたい…。「お待たせしたわね。おいで〜♡」(大量の猫がやってきた)…あの〜マダム…うちの子達と言うのはまさか…。「そうなの、この子達よ〜。皆とっても可愛いでしょう♡」あ〜、ソウデスネ…。ん?お、椿!偽猫神様もいるよ。元気か〜?「ニャオー…」



元気そうでよかった



帰って来れて良かったな〜。酢昆布食べるか?「うふふ、この子達は皆して酢昆布が大好きなのよ〜♡」へぇ!お前ら俺と同士なのか〜、食え食え♡(酢昆布を振舞う朝日奈)「ニャオン、ニャオー」嬉しいか〜俺も酢昆布を喜んでくれて嬉しいぞ〜…あ、そうだ。マダム、今日来たのはお願いがあって来たんです。「あらあ、何かしら?」それはですね…。



…また酢昆布の依頼か?



この工場を見学させて欲しいんです…!「あら…酢昆布工場の見学に来たの?」はい、俺の大好きな酢昆布が作られる工程が見たくて…!お願いします!「いいわよ〜」この通り、何でもしま…え?今なんと?「好きに見学して頂戴♡ちゃんと異物混入を避ける為に着替えて頂戴ねぇ」勿論です!ありがとうございます!



良かったね!



Ich bin sehr glücklich!(めっちゃ嬉しい!)やったよ椿!ワクワクが身体の中を駆け巡ってなんだかもう凄いよ!♡マダムありがとうございます。早速行ってこようと思います。「あらあ、もう行っちゃうの?今からうちの子達のお話を沢山してあげようと思ったのに…」え〜っと、それはとても楽しそうなのですが…今度に取っておきます!「うふふ、楽しみを取っておくタイプなのね♡良いわよ、いつでも聞きに来てね」あ、ありがとうございます…椿、行こうか。



そうだね



ではマダム、失礼します。遂にこのこの時がやって来たね♡作っている工程を観れるなんて…酢昆布ファンなら喉から手が出る程にしたい体験だよね♡椿、さっそく行くよ。ぎゅっ♡…――これに着替えればいいんですね?「はい、服の上からで結構ですので」よし、着ちゃおう。



そのうちさっちゃん自分で酢昆布作りそうだな



あはは、椿いいね。カッコイイよ♡「しっかりとマスクをしてくださいね」はい、準備オッケーです!「では行きましょう…まず昆布は乾燥した状態で入ってきます。これを酢漬けして柔らかくする工程があります。これを荒漬けと言います」ほぉ〜スッゲー!こんなにいっぱい昆布が…!まるで古新聞をビニール紐でまとめたみたいだね!



凄い…こういうの初めてみた



酢昆布がここから出来るんだね…。「柔らかくなったら昆布の大きさをあらかた揃えます。丁寧に一枚一枚手作業で切っていきます」えっ、手作業?本当だ…。酢昆布用のカッターがあるんですね!「はい、専用包丁です」椿…俺は嬉しいよ…ここに酢昆布の歴史が詰まってるんだね…。ぎゅうっ♡



そ…そうだね…感動してるようで何よりだよ



いや、なんか感動しちゃうな〜…「次は酢昆布独特の味をしみ込ませる作業です」おお〜ここで味付けしてるのか!あの味の秘訣ってなんだろ…椿と作れたりすんのかな?「企業秘密の調味料で味付けされた液に漬け込みます」企業秘密か…家でも作れたらなって思ったけど、そりゃそうだよね〜。



家でも作れたら買う人少なくなるもんね



うわ、すげぇ〜…「味がしみ込んだ作業から、次は一枚一枚はがして付着したごみを取り除く作業です」…あ、ここまで全部手作業なんだ…!?すご…ここまで機械に頼らないで全部人の手でやってるなんて想像もしてなかったな…これからもっと味わって食べよ…。



確かに…ここまできちんとやってるとは思わなかった



はー…ほんと今日来てよかったー…工場っていうから、まあ大量生産に特化した機械とかいっぱいあるんだろうな〜とか思ってたけど、酢昆布って小さい短冊みたいなやつじゃん?いつもその大きさしか見てないから…なんか新鮮っていうか…元々の大きさ知っちゃうと夢膨らんじゃうよね…あれ何日分の酢昆布になるんだろう、とかさ…。



さっちゃんならすぐに食べきりそうだよね
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ