慶 通常

□慶 出会い
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〜〜♪ふふふ〜ん♪…ん?
あぁ、やっと来た。人の事呼んでおいて…遅くない?はぁ…。あと少し遅かったら、帰ろうかと思ってたとこなんだけど。…ねぇ、聞いてる?お〜い、なに戸惑ってんの。するんでしょ?…俺はもう準備できてるよ。こっち見て♡…ちゅ。



い…いきなり何!?…人違いです!



ちゅ…んっ…んん?人違い…って、キミ…どちらさん?あー…、俺間違えちゃった…?…ごめんごめん。俺以外にこの場所使ってる人なんていないと思ってたから、勘違いしちゃった。えっと、キミの名前は…って、あれ?よく見たら…キミ、椿さん…?…だよね?



…何で知ってるの?



合ってた?良かった。なんでって…クラスメイトだからかな。ていうかキミ、俺の事あんま興味ないでしょ?ちょっと傷ついちゃうなぁ…。ま、良いんだけど。俺の名前は慶。結城慶。慶ちゃんって呼んでも良いんだよ?あ、それともいきなり呼び捨てできる関係になっちゃう?俺、キミなら大歓迎かな♡



いや…結構です



そんな顔しないでよ、冗談だって。まぁ、同じクラスでも俺はたまにさぼってるから…興味なくても仕方ないか。…で、お弁当を持ってるってことは椿さんはお昼食べに来たんだ、邪魔しちゃってごめんね。…え…待って、まさか中身それだけ?後でお腹減らない?



…いつもこれくらいだよ?



本当?少食なんだね。でも心配だから俺のお菓子あげる。あー、俺も腹減ったしお昼にしよっかな。菓子パンどこに置いたっけ……お、あったあった。…ん、ほら椿さんも座りなよ。一緒に食べよ?って、そっちじゃなくて…こーこ。俺の隣♡あ、椿さんの卵焼きウマそうじゃん。俺にちょーだい♡あーん…



…え!?



ぱくっ。(もぐもぐ…)んっ…!…すげぇ、ウマい…。椿さんが作ったんだ?…へぇ、料理出来る子って凄いね。俺、この卵焼きの味、めっちゃ好き♡なんか懐かしい…ってのかな?あのさ…椿さんの気が向いた時で良いから今度また、卵焼き食べさせてよ。お礼もしてあげるし、ね?



…うん…わかった



分かった?貰いっぱなしってのも悪いしさ。何が良いかな…勿論さっきの続きでも…(prrr)ん、電話?…ちょっとごめんね!もしもーし。ん、あぁ、今から?ドタキャンされたからいいよ♡ラブホの前で待ち合わせ…ん、分かった。…わーかったって!ハイハイ、じゃあね〜♡ (pi) …ふぅ。…あ、ごめんごめん。煩かった?



ううん…大丈夫だけど、その…ラブホって…



そんな硬い顔しないでよ(笑)聞いた事ないの?さて…と、俺は用事できたし先に出るよ。あ、…椿さんも早く食べた方が良いよ〜?もう少しでお昼終わっちゃうし。じゃ、またここで会えたら嬉しいな♡――…っと、その前に。最後の卵焼きもーらいっ♡(ぱくっ)んっ…ごひそーさん♡今度こそまたね。



卵焼き泥棒!



(という椿の声が校舎に響いた…)【後日】…〜〜♪ふふふ〜ん♪…ん?あ、椿さんまた来てくれたんだ?…それ、俺のお弁当?やった、ありがとう!…わ、可愛い。玉子焼き沢山入ってるじゃん!いただきまーす♡……んー、美味しい!キミって、やっぱり料理得意なんだね?人の料理って苦手なんだけど、キミのなら沢山食べれちゃうね。…全部食べちゃった、おかわり。…って、無いか(笑)



…私のでよかったら卵焼きいる?



え、良いの?ありがとう♡じゃあお言葉に甘えて…一個だけ貰うね?ぱくっ、ん〜美味しかった♡…ふぅ。ご馳走さま。それじゃあ約束通りお礼しなくっちゃね♡…え、なにその反応…もう忘れたの?俺あの時、言わなかったっけ。…あぁ、そういえば電話かかってきて途中までしか聞こえなかったのかもね。ま、いいや。…目、閉じて?



嫌な予感がするからいい!



目塞いで欲しいって事?(笑)(椿の目を手で塞ぐ)じゃあ次、口開けて……どう?美味しいでしょ、オムコロッケパン。本当なら絶対にあげないけど、今回は特別(笑)え、どうしたのポカーンとした顔しちゃって…そんなに美味しかった?…それとも俺にまたキス、…されたかったとか…。あれ、図星?わー椿さんのえっち(笑)



絶対違う!



あはは!そんなに慌ててると喉に詰まるよ?(笑)落ち着いて食べなよ。外が騒がしくなってきた…そっか、来月学園祭なんだっけ。だるそ〜…ま、俺は出ないけど。気が向いたら…(prrr)あー電話だ、ちょっと待ってね。…(pi) もしもし………え、今から?まぁ、いいけど。うん…分かった、じゃあね…(pi) ごめん椿さん、また用事が出来ちゃったから行くね。椿さんはもう教室戻る?なら、途中まで一緒に行こうよ。



教室には戻らないの?



うん、俺はこのまま出るよ。椿さん?ぼーっとしちゃってどうしたの…早くしないと置いてっちゃうよ。(ガラッ)…うっわ、もうこんなに夕暮れになってる。この調子じゃ、すぐに真っ暗になるよ。……早く行こう?…――じゃあ、俺はこっちだからここまでだね。



うん!じゃまたね!



うん、ここでお別れ。またね、椿さん。【一か月後】〜〜♪ふ〜ふふんふ〜ん♪(暇だなぁ…)…――っわ、椿さん…びっくりした……。なんかいい匂いするな〜って思って振り返ったらいるんだもん。もー、音立てて入ってきてよ(笑)てか、今日も来てくれたんだ?いつもありがと。ほら、こっち座って座って!お弁当の中身なに?♡



ちゃんと卵焼きは入れてるよ



ほんと?流石だね、嬉しい♡いただきまーす。……んん、ウマい…今日も相変わらず椿さんのお弁当は美味しいね。俺、これが最近の楽しみでさ。んっ…(もぐもぐ)あ、コレ、ちょっと味付け変えた?すげぇ好き♡…――あー本当にウマかった♡ご馳走さま。こんなに毎日お弁当くれたら俺、懐いちゃうかも♡あ、今度ちゃんとお礼させて。折角毎日作ってくれてるし。



お礼なんていいよ



良いって、俺がしたいの!すっごく美味しいし♡…(prrr)あ、電話だ。…ちょっと待ってね。…(pi) もしもし…うん……(一度椿に目を向ける)あー……ごめん、やめとく。今日は先約がいるから。いつか気が向いたらね。……そんな怒んないでよ、ごめんね♡(pi) …――ふぅ。お待たせ。



…断ってよかったの?



うん、大丈夫。もう、あんな事はしないって、決めたから……ね。えっと…あはは。はぁ……あのさ、椿さんって…俺の噂とか聞いた事ない?…よね。…まぁ、ここで会わなきゃ話した事すらなかったんだし…無理もないか。さっきのは友達…身体の関係だけだけど。彼女って訳でもなくて、…ただの遊び相手だよ。……軽蔑した?



まぁ…世の中にはそう言うこともあるから一概に軽蔑はしないけど…



そっか…心が広いんだね。俺はそういうコトすんの大好きだから。あ、もしよかったらお弁当のお礼…それにする?(顔を近づけ) 俺、結構上手いよ?あはは…(笑)椿さん…顔真っ赤。初めて会った時にも思ったけど、こういうの、経験ないみたいだね。…なら、俺がリードしてあげるよ♡椿さん、こっち向いて?



遠慮します!



………そんなに嫌だった?はは、怖い顔しないでよ(笑)冗談だって。ちょっとからかいすぎ、た……(ズキッ)…っ…頭いた……(ドサッ。)(気を失って倒れる)――【保健室】……ん…?ここは…保健室、か……椿さん、…手握っててくれたんだ。運んでくれたのも、椿さん…?俺、情けないね……



…情けなくないよ?…頭痛いの大丈夫?



そう?…でも傍に居てくれてたんだね。嬉しい。良かった、なんか安心したかな。そっか…ありがとう椿さん。…――あの…さ、さっきはからかってゴメン。椿さんと一緒に居る様になってから、話すが楽しくて…実は…あぁ言う誘いも断ってたんだよね。でもその分、バイトばっかになっちゃって…睡眠時間惜しんでたら、倒れちゃったみたい。…(ズキッ)……っ……いってて…まだ痛む…、ちょっと横になるよ



バイトより自分の体を優先してね?



ありがとう。その通りだね。…ごめん、こういうのに慣れてなくって。手、握らせて…?……椿さんの手、…温かくて落ち着く。保健の先生もいないみたいだし、もう少しこのままでも良い…?ちょっとだけ甘えさせて。なんかこうしてると…安心するって言うか…あったかくて…なんか眠くな…る……すぅ…すぅ…zzz…。



ゆっくり休んでね



…ん、あ?…あぁ(俺…。寝ちゃってたんだ。)(椿さんも寝てる。手…ずっと握っててくれたんだ…) …ありがとう。(ボソッ)あ……おはよう。よく寝れた?(時計の方を見て)もうこんな時間。んー…時間帯的にも外真っ暗になっちゃうから帰ろう?…って、俺の荷物持ってきてくれたんだ?ありがとう。…あー、俺のはこれで…えっとこれは…はい、椿さんの荷物。



ありがとう



うん。ん、礼を言うのは俺のほう、…じゃ、いこっか。……うぅ〜さっむ…今日寒いね。そうだ…俺と手、繋ぐ… 「あ♡けいーっ♡(ぎゅうう♡)もう、おっそい♡」……え?なんでいんの?「最近ノリ悪いから、迎えに来ちゃった♡今日はまいとありさもいるよ〜♡」…離れてくれる?(グイッ)何勝手な事言ってんの?……ってか、誰。どいて?……行くよ、椿さん。



…え?あの人たちはいいの?



「え〜?慶、誰?この子〜次のセフレ?」「ケイも変わってんね?こんな地味な子…どこがいいの?」「そうそう、みゆの方が可愛くない?けいの好みもみゆって言ってたし♡」「椿さん、だっけ?ねぇ…けいって〜、優しいでしょ。好きになっちゃったならやめときなって。けいが誰か好きになるってないから(笑)」はぁ……、気にしなくていいよ。行こう、椿さん。(手を握る)



…う…うん



「…は?何それ。意味分かんない。」「待ってよ、ケイ本気なの?手なんか握って…、頭おかしいんじゃないの?」「…それ。あんたも自分の事ちょっと大事にされてるからって、いい気になってないよね?」「こんなブスのどこが良いの?」「ね〜。もしかして、金……――うるさ。「え?」



…え?



椿さんの手、……離しなよ。さっきから何言ってんのか分かんないけど、お前らこそ俺のなんなの?「…え…。」椿さんは俺の彼女なんだけど。…人の彼女の悪口、よく彼氏の前で言えるよね。「けい……何それ…酷い…。みゆ、けいの事好きだったのに…。」「散々遊んどいてアホらし…行こうよ、付き合ってらんない…あんたもどいてよ。」(ドンッ)…――あっぶな。…椿さん大丈夫?



私は大丈夫だけど…結城くんは大丈夫?



そっか。良かった。俺は大丈夫。えっと…巻き込んでごめん。俺のせいで嫌な思いさせちゃった…よね…。でも…、椿さんがあんだけ酷い事言われてたら…なんかムカついちゃって。気付いたら…言ってた。椿さん…ちょっとだけ待っててくれる?…【数分後】…(pi.pi.pi.) ……これで良し。今までの連絡先全部消した…あーすっきりした。



いきなり彼女って言われたのはびっくりしたけど、庇ってくれてありがとう!…にしても全部消すって大胆なことしたね



ううん、お礼を言われるほどじゃないよ。ん?そんなにビックリする事?電話、うっとおしかったかったし…元からそんな大した付き合いじゃなかったからね。増やすつもりなかったんだけどさ、連絡先交換しよう?って交換してたらいっぱいになってたんだよね。…ま、今はもう、バイト先以外と学校の友達以外何にもないけど。……そうだ。椿さんの連絡先…ちょうだい?俺と交換しようよ。



そういえば知らなかったね



うん、だからさ、知りたいなって…あー、俺が打ってあげるよ。貸して?……(pi.pi.pi)はい、俺の連絡先。これでいつでも椿さんに連絡出来るね(笑)俺…今まで寂しかったのかも…。誰かとあんなことしてれば何も考えなくて済むかなって。最低な事ばかり繰り返してきたけど、今は大丈夫みたい。だって…



…だって?



だって…俺には椿さんが居るから。さっきは咄嗟な感じで彼女って言っちゃたけど、本気…だったらどう思う?…って、いきなり聞いても分かんないよね。なんて言ったらいいのかな。はぁ……、こんな事言った事ないから、どう言ったら良いのか分かんないんだけどさ。椿さん、聞いて?



…うん///



あのさ、椿さんって…。え〜っと…、…本気の恋、…した事ある?俺さ…、そんなのダサいし、絶対にしないって思ったんだけど…。なーんかさ、…キミの事、マジになっちゃったかもしれない。……ねぇ…俺の彼女になってみない?…好きだよ、椿さん。俺と付き合って。
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