紫月通常

□1日目
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でも俺だって何も分かんないし…それに、椿が嫌がることはしたくないからさ。あ…でも、別に急ぐつもりもないよ。確かに色々な姿は見たいと思ってる、けど…誰かと付き合った事ない俺が、ぐいぐいリードできるとも思ってないし。……そういえば、椿のそういう話とか噂って今まで一度も聞いたことないけど…もしかして椿も、俺が初めての彼氏だったりする…?



う…うん///



マジか…初めての相手ってこんな嬉しい気持ちになるもんなんだな。(幸せそうに笑い)俺は全部、椿が初めてだからさ…。彼女っていう存在もそうだけど、ずっと一緒にいたいって思ったり、それから…(する、と指を絡め)…こうやって、触れたりしたいって思ったりするのも、全部初めてのこと。もちろん…触れるだけで満足するつもりないけど。(空いた指先で椿の唇をなぞり)



えっと…///



こうやって触られるのが嫌じゃなければ…もう少し恋人っぽいこと、してみよっか。椿、目…閉じて?…ん、そうそう……(ちゅっ、と軽く唇を重ね)…ふ…椿、ぎゅって強く瞑り過ぎて睫毛震えてる。キス…初めてだったんだ。(ふわりと笑って)まぁ…俺もそう、だけどさ…。ていうか…そんな可愛い反応されると、止まらなくなるんだけど…?



…いいよ///



…いいの?そんなこと言ってると、本気にするけど。ごめんね。椿を前にすると…手加減、してやれなくなる…。(ちゅ、ちゅ…っ…♡)…ん…あ…、もしかして俺の唇冷たかった?さっきまでアイス食べてたから、ちょっとひやってしたよな。…まぁ…それでも椿の顔はさっきよりもっと真っ赤になってるんだけど…。(意地悪な笑みを浮かべ)



そんなこと言わないでよ///



どこまで赤くなるのか…試してみよっか?…ん…、(ちゅ、ちゅく…ちゅう…♡)…はぁ…くち、冷たかったのにもう温かくなった…椿、体温高いな…。でも、全然嫌な感じじゃない…もっと熱くなりたいなんて思ったの、初めて…(かぷっ…ちゅ…♡)…椿、すき…好きだよ。俺の彼女になってくれて、ありがと。(ぎゅう…♡)



私も…好きになってくれてありがとう///



ふ…はは、椿…もうゆでだこみたいになってる。可愛いな…。まぁ俺も大分顔赤くなってる自覚あるし…お互いさまって事で。なんならこないだぶっ倒れた時より顔熱い気がするもんなー…。ってわけで…今日はここまで。際限なくキスしちゃいそうだし…急がないって言ったくせに…色々、我慢できなくなるから。



わかった…ありがとう///



椿は無自覚かもしんないけど…俺はずっと煽られっぱなしだから。っと…そろそろ時間も時間だしな…椿、家まで送ってく。――…【鴻森の自宅前】…あれ、時間の割に意外と外明るいな。…と思ったけど、今日の月が大きいだけか。ほら、上見てみ…綺麗。今日満月だったんだなー…。……あ…よく狼男と吸血鬼も関係があるとか、満月を見ると力が増幅したりするって言われるけど…別に俺はなんともならないからな…?



えっ…そうなの?



まぁでも…月ってちょっと特別ではあるかもな。…ほら…月はさ、太陽の光を反射して光ってるだろ?だから本当は、大昔の太陽が天敵だった時代の吸血鬼なら、月の光だって苦手だったはずなんだ。でもそうじゃなかった。それってなんでなんだろうな、って思うけど…もしかしたら月は鏡みたいな役割があって、力まで反転させてたのかもな。……なんて、考えても正解なんて分かんないんだけど…。でも…それってまるで誰かさんみたいだなー、とも思ってさ。



えっ…その誰かさんって誰?



ふ…椿のこと。椿は…多分、俺にとって月みたいな存在なんだと思う。周りの人間は椿のこと、太陽じゃないかって言いそうだけど…俺からしたら、月。いつもそばにあって、時々びっくりするほど眩しくて…でもそれが全く嫌じゃない。苦手だったり煩わしいって思ってたことも、全部椿に対してだと逆の気持ちになるからさ。……ああ、でも唯一月と違うところもあったかも。



違うところ?



椿は…簡単に俺を狂わせるからね。――…あ、椿の家着いちゃったな。話してたらあっという間だった…。(するりと手を離して)ふ…そんな顔しなくてもちゃんと明日は行くから、心配しなくていい。(ぽんぽん…)…じゃ、また明日…学校でな。(椿の頬にキスをして)



うん…また明日ね///



ん、じゃあな…って……そんなふにゃふにゃの顔してると家の人に心配されるぞ。――――…【夜道】…はー…、緊張…した…。明日からどんな顔で学校行けばいいんだ、俺…。(ずるずるとその場に座り込み)くそ…椿が可愛すぎるのが悪い…や、悪くないけど…。(ぐい、と自身の頬をつねって)…夢じゃ、ないんだな…。――…(ピロン♪)『鴻森紫月からのメッセージが1件あります:連絡先はずっと前にいつの間にか交換してたけど、俺から連絡すんの初めてかも。あの後親御さんに何も言われなかったか?まぁ連絡は入れといたって言ってたし、大丈夫だとは思うけど…。椿が良ければまた放課後とか、俺の家おいで。それが言いたかっただけ。今度こそ…おやすみ。』



おやすみ、紫月///
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