蒼 通常

□2日目
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【翌朝】…あ、おはようございます。椿さん。(にこ)ふふ、寝室までご飯の匂い…してました?朝ごはん作ったので一緒に食べましょう。今日は少し気合をいれて作ってみました。椿さんと初めて一緒に過ごす朝ですから…やっぱり特別ですね。(幸せそうに頬を赤らめて)あとは運ぶだけですから、椿さんは顔洗って来てください。急がなくていいですからね。



ありがとう!



はい、待ってますね。…――おかえりなさい、ご飯準備出来ましたよ。椿さんのお口に合うといいんですけど…。それじゃあ…いただきます。(手を合わせて)ん…ちゃんと美味しく出来てますね。この玉子焼き、今日とっても綺麗に焼けました。(にこにこ…)椿さんも食べてみてください、……どうですか?(どきどき…)



とってもおいしい!



美味しいですか?よかったぁ…。(ふにゃ…)あ…そうそう、食事中にすみません。椿さんにこれ…渡しておきますね。予備に置いてたやつなんですけど。(コト…)この家の鍵です。好きに使ってください。…昨日言ったこと、ボク本気ですから。やっぱり、椿さんと一番長い間…一緒に過ごすのはボクがいいです。(真っすぐに椿を見て微笑み)



私も蒼くんと一緒にいたい!



同じ気持ちって分かるの、安心するなぁ…。そう言ってくれてありがとうございます。それと…一緒に暮らしたいって言ったのにはもうひとつ理由があって…。ボク、昼は舞台の稽古が入ってたり、夜はバイトに行ってたりして、会えない日も多いと思うんです。でも、椿さんが一緒に住んでくれたら…家に帰ってくれば絶対会えるじゃないですか?それって…すごく幸せだなって思いませんか?(ふわりと微笑み)



うん!とっても幸せだと思う!



同じように幸せを感じれるのって、こんなにふわふわした気持ちになるんですね。(にこ)今日も実は、お昼から稽古があるんです。だから、これを食べたら出掛けなきゃならなくて…本当は今日も、いや…毎日一日中、椿さんと過ごしたいですけどね。(眉を下げて笑って)でも…朝からこうして椿さんとお喋りしてから稽古に行けるなんて…ボク何でも頑張れそう。ふふ…やっぱりいいこと尽くめです。



私も蒼くんと話せて元気が出るよ!お仕事頑張ってね!



ありがとうございます。椿さんと話してると、不思議と元気になるんです。(ぱく…もぐ…)…ん、ご馳走様でした。沢山食べてくれて嬉しいです、明日は何作ろうかなー…って、今からワクワクしちゃいます。(にこにこ)それじゃあ、食器を片付けたらボクは稽古の準備をしますね。この家はもう、椿さんの家でもありますから…自由に過ごしていいですからね。



ありがとう!片付けなら私やるよ!



遠慮しないで、片づけは任せてください。…自由にしちゃっていいですよ。…――【数分後】…。(無言で髪を整えている早乙女)…ん?わ、椿さん…いつからそこに?…って、びっくりさせたのはボクの方でしたか…。そういえば、この格好を見せるのは初めて会ったとき以来…でしたね。あとは…舞台で見てくれたことはあるのかな。ふふ…もっと近くで見ますか?(ぽんぽん、と隣へ呼んで)



うん!



ほら、来てください…お隣どうぞ。…、…ふふ、そんなにじっと見つめられると…少し恥ずかしいですね…。(照れくさそうに視線を逸らして)椿さんも知ってると思いますけど、ボク…こういう役柄で舞台に立つことが多いので。メイクとか、ヘアセットとか、結構自分でしたりもするんです。まだ時間ありますし…椿さんもどうですか?簡単なヘアアレンジですけど。(さっとヘアゴムを取り出して)



…え?いいの?



遠慮しないでください、じゃあ後ろ向いて…。(しゅる…さら…)…やっぱり、椿さんの髪は綺麗ですね…。こうして女の子の髪を梳かしてると…なんか、昔のこと思い出します。ボク…妹がいて、昔はよく強請られて髪を弄ったりしたんです。人の髪をセットするのは…それ以来な気がするので、随分久しぶり…。…う、そう思うと少し緊張してきた…。(苦笑して)



そうだったんだ…緊張しなくても思うままにしていいよ!



ふふ、家族以外だと椿さんが初めてってことになりますね。(しゅる、しゅる…)あの頃、そうやって妹のおめかしを手伝ったりしてたので…いざこうして女装して仕事するって決めた時、そんなに苦労も抵抗もなかったんです。…でも、(ふと目を伏せ)…うまくメイクして、髪をセットして、見た目が女の子になった所で…ボクがボクじゃない、違う誰かに成り代わる事は出来ないんですけどね…。(薄く微笑み)



…蒼くん?



……あ、すみません…。心配させてしまいましたね。…偶に、本当の自分がどこにいるのか、分からなくなる時があるんです。色んな役柄をやっているからですかね?…あ、でも…舞台の上ではまるで別人になったような気分になれるので…それはそれで楽しいんですよ。椿さんも、そんなボクを見てファンになってくれたんですもんね?(ふわりと目を細めて)



うん!初めて見たときに一目惚れだったよ!



ふふ、なら椿さんの為にも…もっと頑張らなくちゃ。(しゅる…きゅっ)あとはピンで留めて…っと。(ぱちっ)…ん、出来た。完成です…椿さん、こっち向いて見せてください。…わ、すごく可愛いです。(ぱぁっ)ほら、椿さんも鏡見てみてください。…どうですか?なかなかいい感じだと思うんですけど…。



すごい!自分で言うのもあれだけどかわいい!



気に入って貰えました?妹にはいつも、強請られてしてましたけど…。不思議ですね、椿さんには頼まれなくてもボクがやってあげたいなぁって思うんです。(にこにこ)折角可愛く出来たので…椿さんが嫌じゃ無ければ、一緒に駅まで行きませんか?お散歩がてら。少しなら、ボクもまだ時間があるので。



いいよ!私も行きたい!



よかった…じゃあ、準備してきてください。ボクも済ませて来ますから、ゆっくりでいいですよ。…――椿さん、お待たせしました。…ん?ああ…服は、着替えちゃいました。まあ、着替えなら稽古場ですればいいので。…だって…ちょっとの時間かもしれないですけど、デートですから。こっちの方が、男の子として…しっかり椿さんのこと守れますからね。(にこ)



ありがとう///



嬉しそうですね。椿さんのことは、ちゃんとボクが守ってあげます。それじゃ、出発しましょうか。あ、椿さん…。(ちゅっ…)…ん、外に出たらあんまりこういうこと出来ませんからね。今のうちにしておこうかと思いまして。(くす…)でも、手を繋ぐのはいい…ですよね?ふふ、折角のプチデート、ですから。



うん///



離しませんから、このまま行きましょうね。(にこっ)ボク、椿さんと行きたいところがあって。駅に向かう前に、そこに寄って行きましょう。…――椿さん、ここです。…ボクのお気に入りのセレクトショップ…なんですけど。えっと…確かこっちに…、あ、これ…。前見た時から気になってたんです。可愛くないですか?(楽しそうにクリームソーダのキーホルダーを手に取って)



か…かわいい///



可愛いですよね。…この色も、綺麗ですし…。…これ、お揃いで鍵につけたいなぁって。…ふふ、ちょっと子供っぽいかもしれないですけど…、どうしても恋人になって初めてのプレゼント、したくって…。やっぱり椿さんとは、喫茶店に行った思い出がたくさんありますし。(楽しそうに笑顔になって)…ボクとお揃い、してくれますか…?



うん!私もしたい!



ふふっ、やった…椿さんとお揃い…。…――(チャリ…)ん、付けれましたよ。はい、どうぞ。(椿に鍵を渡して)…これを見れば、稽古中でも、バイト中でも、椿さんが見守ってくれてるような気持ちになれるかも…。…あ、でも…逆に椿さんが恋しくなって、寂しくなっちゃうかもしれないですね。(苦笑して)ボク…本当に椿さんのことばっかり考えちゃってます…。



私も蒼くんのこと好きだから同じだよ///



照れすぎですよ…顔、赤くなってて可愛いです。…あ、駅…着いちゃった。もうお別れかぁ…寂しいですね。(名残惜しそうに手を握って)…でも、今日は家に帰ったら椿さん、待っててくれるんですよね…?あは…より一層頑張れそうです。えっと…それじゃあ、行ってきます。椿さん。(にこやかに手を振って)



家で待ってるね!行ってらっしゃい!



椿さんも、気を付けて帰ってくださいね。…――【数時間後】ただいまー…。わぁ…本当に帰ってきたら椿さんがいる…。(顔が綻び)ふふ、お出迎えありがとうございます。…なんか、嬉しくって顔が緩んじゃって…恥ずかしいですね…。あんまり顔見ないでください…。(ぎゅう…)



ふふっ///…おかえりなさい!



ん…恥ずかしいのでしばらくこうしてます…。(…すんすん…)…ん…、なんか部屋からいい匂いして…。…椿さん、もしかしてご飯作ってくれたんですか?(ぱっと目を輝かせて)椿さんが家で待っててくれるだけでも嬉しいのに…、ご飯まで用意してくれるなんて…すみません、すごく嬉しい…。(ふにゃりと笑って)



喜んでくれて良かった!落ち着いたらご飯にしよう?



本当に嬉しい…。ボクの為に…ってことですよね?冷めないうちに食べてもいいですか?椿さんも一緒に食べますよね。(そわそわと席について)ふふ…いただきます。(…ぱく、もぐもぐ…)…ん…、美味しい…。椿さん、これすごく美味しいです…。ボク、こうして誰かの手料理を食べるのなんて随分久しぶりで…。(もぐ、もぐ…)



口に合ったなら良かった!



すごく…すっごく美味しいですよ。(にこっ)…好きな人に作ってもらうご飯って、こんなに温かくて、こんなに美味しいんですね。…自分で作るのとは全然違います…。…椿さん…あの、時々でもいいので…またご飯作ってくれませんか?…面倒じゃなければでいいんですけど、椿さんの手料理…大好きになっちゃいました。(幸せそうに目を細め)



いいよ!手が空いてるときはご飯作るね!
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