千弘 通常

□出会い
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とある企業の事務職の就職面接のためにビジネスホテルへとやってきた貴女。待合せ場所が分からず途方に暮れていたところ、曲がり角で一人の見知らぬ男性とぶつかり転んでしまいました。



んーとぉ、今日のお仕事は〜…このホテルで間違いないはずだけど。こういう大きいホテル苦手なんだよなぁ、廊下も入り組んでて訳わかんないし…はぁ、やっぱり岡持っちゃんいないと結構不便かも。1107、1107号室は…あ、この角曲がったとこ……ドンッ!おっ、と…わ、お姉さん大丈夫?



大丈夫です!そちらは大丈夫ですか?



大丈夫だよ…尻もち付いちゃったね。怪我は……っと…(手を引っ込め)…怪我とか、痛むところはない?ほら、ちょっと立ってみて……ん、と…大丈夫…みたいだね。はぁ、よかった〜…前方不注意なんかで女のコの肌に傷つけちゃうなんてサイアクだもん、ゴメンね?…それにしても、その様子…もしかして、キミも迷子?



恥ずかしいですけど迷子なんです…



あは、じゃあ俺とおんなじだ。そ、俺も迷子なの。どこ行きたいの?俺結構このまわりぐるぐるしたから分かるかも。…んー、この部屋ならあっちの角右に曲がってちょっと進んだトコだよ。ちょうどさっき通ったから間違いないはず…。それじゃ、俺はこっちの部屋だから…面接、受かるといーね。



ありがとうございます!頑張ってきます!



どういたしまして、ばいばーい♡――…パタパタ…「あっ!こんなところに居たんスか…!よかった〜…もう、部屋そっちじゃないっスよ?ほら、早くこっち来てください!皆さんも待ちくたびれてますからっ!」…――【1107号室】ガチャッ…「監督〜!いましたよ、道に迷ってました!」「おっ、でかした!いやぁ待ってたよ〜!チヒロちゃーん、お相手さん来たよ!ほら、早く準備準備♡」はぁーい…。



…あなたは…さっきの…



…って、あれ…キミはさっきの…。あは…なーんだ、キミが今日のお相手さんだったんだ?もしかして新人さんかな…緊張してるみたいだね。ふふっ…♡大丈夫、不安になんなくっても…俺がちゃーんと、キミのいいトコ引き出してあげるから…♡ちゅっ♡…ほら、ベッド行こっか…♡



…えっ!?…あのっ!?



あは、戸惑っちゃってかぁわい…♡身体硬いね…んじゃ、俺が緊張解けるおまじない…してあげる♡くいっ…ちゅ、んちゅ…あむっ♡はふ…ちゅっ、れる…ちゅるっ♡ん〜…ぱっ…♡はは、どーぉ…?カラダ、解れるでしょ…♡そのまま、俺に身を任せて…忘れらんないくらい、最っ高に気持ちよくしてあげるからさ♡すりっ…♡さす、さす…♡



んんっ///



ふふっ、身体ぴくって震えたね…♡その調子で快感をたどっていくの…♡すりすり…つつー…♡ほら…そんなに身を捩ってたら服よれちゃうよ?脱がしてあげたほうがいっかな…♡シュルッ…♡…「うんうん、ちょっとぎこちないけど…今日の子はいい表情するねぇ。いい女優さんが来てくれてよかったよかっ…」…ガチャッ!「すみませんっ、遅刻しちゃいましたぁ〜!」……「ん?」「あれ?」…え?じゃあ、キミは…?



私は事務職の面接に来てただけで…



あー…あはは、やっちゃったね?――…「いやぁ…本っ当に申し訳ないっ!まさか本来の女優の子と一般の子を間違えてしまうなんてね…一生の不覚だよ」まぁまぁ、未遂で済んで良かったじゃないですかぁ。幸い服脱がし切っちゃう前に止めることが出来たワケですし…あはは、お姉さんの面接はパーなわけだけど(笑)キミも災難だねぇ、AV撮影の女優と取り違えられるなんて今日みたいな日なかなかないと思うよ。



え…AV…!?///



あ、そだ…自己紹介まだだったよね?俺、チヒロ。高嶺千弘。お仕事はぁ…AV男優やってまぁ〜す♡…あは、どーしたのその顔…アダルトビデオ、抵抗ある?みぃんな見てるモノでしょぉ、大っぴらに言えなくっても…ね♡ほら…キミの名前も教えてよ。いつまでもキミ〜とかお姉さん〜って言うのもなんだしさ?



椿って言います



ふぅん、椿…椿ちゃんね。可愛い名前♡よろしくね…♡…で、その持ってる書類が今日受ける予定だったトコのやつ?残念だねぇ、椿さんみたいな子ならどこでも受かりそうなのに……ん?待って、その会社名って…。…あー…椿さんの事災難って言ったけど訂正、それこそホントに不幸中の幸いだったかもねぇ。



…えっ?…どういうことですか?



ん、どういうことかって言うとね…ポンッ!「チーヒロくんっ!」ビクッ…!っと…あぁ、キミか…。キミも災難だったね、今日中止になっちゃって。「ううん、謝るのはこっち。お2人ともごめんなさい、私が遅れてなければ面接も撮影もちゃんと出来てたのに」いいの、大丈夫…っ椿さん、ちょっとだけ待っててもらえる?続きは後で話すからさ…すぐ戻るね。



あ…はい…



ん、いい子。それじゃ、行ってくるね…。――…お待たせ、連絡終わったよ。早速だけどさ、今からウチの事務所行こうよ。…あはは、身構えなくても別に怖いトコじゃないって♡うちのAV事務所はちゃんとクリーンなトコだから。…監督ぅ〜!椿さんへのお詫び、ウチで受け持つ事になったからぁ。「おお…じゃあよろしく頼むよ、チヒロちゃん!」はぁ〜い。…それじゃ行こっか、椿さん。



き…緊張する…



ん、迎えもうすぐ到着するからさ。…――ガチャッ…社長〜、椿ちゃん連れてきたよ〜。「ご苦労様、チヒロ。…貴女が椿さんですね。私がメイトプロダクション代表取締役です。この度うちの男優が粗相をしてしまったこと、改めて謝罪させてください」…でも、ホントまだラッキーだったんだよ?だってあそこでうちのスタッフについてきてなかったら、椿さんそのままヤられて裏DVD流されちゃってたかもだったし。



…え?…どういうことですか?



んー、どういうことかっていうとね…椿さんが面接受けようとしてた会社ね、こっちの業界じゃそこそこ悪名高いAV製作会社なの。今回は一般企業と銘打って騙して、素人モノとして撮影しようって魂胆だったんじゃないかな。だってさ、普通の企業さんがわざわざホテルに面接に呼んだりなんてするわけないもん…ね?



い…言われてみれば…



だから言ったでしょ、不幸中の幸いってさぁ。「ですが、結果としてこちらが勘違いで貴女を辱めたことは事実ですわ。…ところで椿さん、貴女…就職先をお探し中、ですよね?チヒロに伺った話だとだいぶ困窮してらっしゃるとか…。でしたらいかがでしょう、暫くの間こちらから貴女へ仕事の場を用意して生活を保証させていただく、というのは。…もちろん、撮影には直接関わりのない場所でね」



…えっ!?いいんですか!?



いいのいいの、お言葉に甘えちゃいなって。「任せる仕事は、主にうちの所属男優の送迎付き添いとスケジュール指示…といっても、専らチヒロについてもらうことになるんだけれど」え…社長、それは俺も初耳だなぁ…なんで教えてくれなかったの?「口を挟まないの。…普段は統括マネージャーが付いているんだけれど、今は別件で手が埋まっててね。彼、うちの…いえ、業界No.1のAV男優だから…誰かしら付けてないと不安なのよ、色々とね」



ありがとうございます!一生懸命頑張ります!



ん〜…まぁ、仕方ないかぁ。けど社長、女のコに男の付き添いってのはちょ〜っと酷なんじゃないの?「あら、酷ってのはどちらに対してかしら?」あ、これ故意だぁ(笑)…ま、拾ったのは俺だからいいけど。それにあんま困ることは無いと思うよ…俺、経験豊富だから♡これから暫くよろしくね、椿ちゃん♡



よろしくおねがいします!



あは、いい返事♡キミなら、まぁ大丈夫そうかな。…――【数日後・朝】…ピンポーン…ピンポーン……はぁい…。ガチャッ…あ、椿ちゃんかぁ…おはよぉ♡そっかぁ、今日は朝から撮影だったね…シャワー浴びてて出るの遅れちゃった。ありがとね、迎えに来てくれて。今さくっと準備しちゃうから…あ、そこの果物籠、こっちに寄せてくれる?



これですか?



ん、ありがとね♡んー、ちょうど食べごろ♡はい、こっちは椿ちゃんの分♡(桃を放って寄こす)俺待ってる間良かったらソファ座って食べててよ。しゃくっ…あむっ、んっ…ぺろっ♡はぁ…桃って美味しいよねぇ…♡やーらかくって、甘くって…♡見た目も可愛いし…ふふっ♡俺、桃ってだーいすき…♡ねぇ、キミはどう?桃…好き?



私も桃は好きですよ!



あはは、じゃあ気が合うねぇ俺達♡はむっ…んで、今日の撮影スケジュールどんな感じだっけ?(椿の手元のスケジュール帳を覗き込み)…んーと…朝は水晶映像さん、昼は玉響エンタメさん…夜はオーラルプロさんね、おっけ♡今日は3連勤かぁ〜…ふふ、スタミナ切れ起こさないように頑張らないとねぇ♡



今日は大変ですけど私もサポートしますから頑張りましょうね!



ありがと♡ま、スタミナ切れたことないんだけど(笑)もぐもぐ…ぺろっ。…ごちそーさまっ♡さ…それじゃあ行こっか、お仕事♡――…あ…やっほ、椿ちゃん♡撮影終わったよ……ポンッ。――ビクッ!…「チヒロさん、お疲れ様ですっ!また今度もお願いしますね〜!」…あ、ああ…うん、お疲れ様〜♡…はぁ…ごめ、椿ちゃん。こっち荷物まとめたら今日はもう帰れるからさ…ちょっと待ってて貰ってもいい、かな。



いいですよ!待ってますね!
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