短編U

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「…てめっ…何者だ?」




「…通りすがりの者です」




夕方、完全に男を羽交い締めして涼しい顔をしている女と羽交い締めに合い痛そうな顔をする男、そして女の後ろに隠れるようにしている半泣きの女。




「いやー…何かしつこいから諦めたら?」




「くそっ…覚えてろよ」




男は悪態をつきながら去っていく。




「あ…ありがとうございました!」




半泣きの女は嬉しそうに言うと足早に去っていく。




こうして時雨の伝説は積み重なっていくのだった。
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