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□慶 君と交わした未来の約束
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数年前――。
俺の大切な人が、突然目の前から姿を消した。雨が降りしきる中、ただ茫然と立ち尽くす事しかできず、気付いた頃には全てが手遅れになっていた…。何年か月日が経ち、昏睡状態の彼女を前に俺は…いつか目覚める事を信じて今もずっと待ち続けている。あの日起きた小さな奇跡を信じて――。



――…おはよう椿。今日も顔色が良いね…(すり…)椿の回復っぷりには、お医者さんも奇跡だってびっくりしてたよ。いつ目が覚めても可笑しくないって。これならきっと…あの日の約束が果たせる日もそう遠くは無さそうだね。(優しく椿の手を握る)…ちゃんと覚えててくれてたら嬉しいな、あの日の約束。



…慶…君…



【回想:数年前】――お、やっと起きた…おはよう椿。今日もぐっすり眠れた?珍しいね、椿がこんな時間まで寝てるの(優しく撫でる)そんなに慌てなくても大丈夫だよ、朝ごはんは作ってもうおいたし。折角の休みの日なんだから、寧ろゆっくり休んでも良いくらいだしね(なでなで)よし、それじゃあ俺は先にご飯の準備してこよっかな。椿は顔洗っておいで、可愛い寝癖ついてるよ?



寝癖ついてる?///…ちょっと直してくる///



(クスッ)このままでも可愛いんだけどね、行ってきな?――…おかえり、飲み物はピーチティーでいいんだっけ?はい、どうぞ。(飲み物を渡す)他の飲み物もあるから欲しかったら言って?朝ごはんだから軽めに作るつもりだったのに…楽しくて気合い入れちゃった(笑)ほら、椿の好きな物ばっかでしょ…?この間、椿に内緒でこっそり練習したから…結構おいしく作れたと思う。(じっ…)折角だから感想聞かせて?



ありがとう!すごく美味しいよ!



おいしい?(にっ)良かった、ありがとう…♡(パクッ…モグモグ)ん、美味しく出来てんじゃん…!やっぱ椿への愛情をいっぱい入れたからかなー…なんて(笑)あはは、そんなに美味しそうに食べて貰えると作ったかいがあるね。(嬉しそうに見つめる)ん、ちょっとこっち向いて?口に付いてる……よし、取れた(ぺろっ♡)ん、おいし。



なっ///もっと普通に取ってよ///



あれ、椿ちょっと顔真っ赤じゃない?そうそう、おかわりも沢山あるから遠慮なく言ってね?んま、朝起きたばっかだから…あんまり食べれないとは思うけどさ(パクッ…モグモグ)…そうだ、この間椿が作ってくれた料理…アレ俺にも教えてよ?一緒に作ってみたいなって思ってさ…凄く美味しかったし。



いいよ!なら今度一緒に作ろうね!



ホント?やった、ありがとう…♡…ごちそうさまでした、後の片付けは俺がするから運んじゃうね?大丈夫、これくらいすぐに終わるし…いつも椿に任せっぱなしでしょ?俺が仕事の休みの日くらい椿には休んで欲しいからさ。(食器を運ぶ)ね、ちょっとだけ待ってて?すぐに終わらせるから。



ありがとう!なら甘えちゃおう!



どういたしまして、任せて。――お待たせ…って、何してるの?(覗き込む)それ、昔に撮った写真だ…懐かしい!(写真を眺めて微笑む)へぇ…意外とこんなに沢山写真撮ってたんだね、俺達。どれもいい表情してるじゃん(ペラッ…)あ、これって学生の時に初めてデートした時の写真!確か2枚あって、もう一枚は椿に渡したんだよね。



そう!学生のときは手帳に入れててずっと持ってたんだよ!



そうそう、それ!俺にとっても大事な写真なんだ。この時まだ付き合いたてで、椿と手を握るだけでも嬉しくてさ…?照れ隠しするのに凄く必死だったんだよね(笑)思い返す度に、照れちゃいそうになるくらい覚えてるもん(手の甲にキスする)ちゅっ♡んま、今じゃこんな事出来るくらいには積極的にはなったけどね(クスッ♡)



こ…こっちはまだそれでも恥ずかしくなるのに…///



どう、あの頃よりもときめいた?なんて(にっ♡)――…(アルバムをそっと閉じる)よし!写真も片付いた事だし、たまにはベッドでのんびりしながらお喋りしない…?折角のお休みなんだし、ちょっとくらいのんびりしたっていいじゃん…ね♡よいっしょっと、(椿を優しく抱き上げる)ほーら、捕まえた…ちゅっ♡ベッドまでご案内しまーす…♡



じゃ…じゃあお願いします///



ほら、危ないから俺にしっかり摑まっててね?――ベッドにとうちゃーく…♡(ポスッ)最近は俺もお仕事ばっかだったからね、椿とこうしてゆっくり話せる機会ってあんまなかったし…(なでなで)俺も椿と沢山話がしたいかな。こうしてちゃんと、お互いの目を見て…ね?(じっと椿を見つめながら嬉しそうに笑う)じゃあ、まずは何から話そっか…?♡



て…照れるからそっぽ向いてもいい?///



俺に顔見られんの、恥ずかしい?(…良かった、元気が無さそうに見えたしな…)…椿、寂しいとか何か困った事とかあったら遠慮なく俺に言ってね…?(優しく手を握る)今年に入ってから特に仕事が忙しくなってきて、一緒に居れない事も増えてきたし…椿にばっか負担をかけてるんじゃないかなって、心配だったからさ…。



心配してくれてありがとう!でも大丈夫だよ!



(心配そうに見つめる)…本当に?椿が大丈夫ならいいんだけど…。やっぱり椿には敵わないね…。最近、椿が元気ないような気がして…仕事中ずっと心配で不安でいっぱいだったのに、今こうして椿の幸せそうな顔を見てたら…なんか安心しちゃって。(なでなで)仕事の疲れも全部吹き飛んじゃったし、俺の方が元気になっちゃったもん。



私も元気をもらってるしお互い様だよ!



椿の笑顔はすごいよ…(なでなで)てか、ごめんね暗い話なんかしちゃって…最近変んな夢ばっか見てたから、その影響も少しはあると思うだよね。(優しく椿を抱きしめる)…椿が寂しそうな顔で、俺の方を見た後に必ずどこか遠くに行っちゃう…みたいなさ?そんな事、あり得ないとは思ってるんだけど…モヤモヤしちゃってね。多分、仕事の疲れからきてんのかな…。



そんな夢見てるんだ…慶くんも疲れてるのかもしれないしゆっくり休んでね?




ん、慰めてくれんの?ありがとう…。んまぁ、何となくそう感じただけ。今がものすごく幸せだから、ずっとこのままでいられればいいのに…って、俺自身が椿に離れがたくなってるだけかもしんない。(…ずっとこのまま、椿と一緒に居られるだけでも…)…俺は幸せなんだし(ボソッ)…椿はずっと俺の傍に居てくれる…?



うん!ずっとそばにいるよ!



ホント?ありがとう…そう言ってくれて(なでなで)安心した、ありがとね椿…(ぎゅう♡)結婚する前はさ、早く椿と一緒になる事が楽しみで仕方なくて…ずっと待ち焦がれてたんだ。(すり…♡)今も、付き合ってた頃とそんなに変わりはないかもしれないけど…結婚してからは毎日が楽しくて、椿とこうして顔を合わせる度に…どんどん好きになっていくし凄く幸せなんだよね。…椿はどう、幸せ?



私も慶くんと結婚できてこんなに幸せでいいのかなって思うくらい幸せだよ?



そっか、それなら良かった…。ちゅっ…♡(頬を優しく撫でる)ね、こっち見て椿…?ちゅ、ちゅうっ…♡れろ、ちゅうっ…♡んちゅう…♡…はぁ…♡もっと椿の顔をよく見せて…?(すり、すり…♡)可愛い…ちゅ、れろっ…♡ちゅ、ちゅうっ♡(頬に優しくキスをする)ちゅう…♡愛してるよ椿…♡(ぎゅう♡)



…ギュッ///私も愛してるよ///



俺も…椿が大好きだよ(すり…♡)ちゅっ…♡…そうだ、来週は2人の3度目の結婚記念日だから…長期休みを貰ったんだ。折角だし、旅行とか行きたい場所を巡ったりしたいなって思って。椿はどこか行きたいトコとかある…?どこでもいいよ、海外でもいいし…思い出の場所に行きたいとかでも、2人で色んなトコに行こうか?



休み貰えたんだ!なら思い出の場所巡りをしたいな!



うん、行こ?俺も凄く楽しみにしてるから。旅行とかさ、最近はちょっとしたデートばっかになっちゃってたから…俺も行きたかったんだよね。(スマホを取り出す)先輩夫婦におすすめされた旅館なんかも気になってたし、新婚旅行に行ったホテルに泊まるのでもいいのかなって。…あ、でも一つだけ…どうしても椿と一緒に行きたい場所があるんだよね。



いいよ!どこに行きたいの?



椿も知ってる場所だよ?ほら、昔2人で行った――――に行って、――――をしたくて…。(照れ臭そうに笑う)んま、流石にロマンチストみたいで少し恥ずかしいんだけどね?ん、約束…(指切りして)2人の大切な約束にしよ。その日をもう一つの記念日にしてさ…?



うん!二人にとって忘れられない日にしようね!



忘れないようにね、約束。そうだなー…他にもしたい事は山程あるから、全部やってみたりすんのもいいかも!俺、人生で一度も釣りした事ないからしてみたいしー…あとは、海にもう一回行きたいかなー?山で星も見たいし、キャンプもしてみたいかも!…って、流石にそんなに休みは取ってないから全部するのは難しいよね(笑)



楽しみはいっぱいあったほうがいいよ!それに今回が無理でも次の機会にしたらいいしね!



お、いいねー!俺もしたい!じゃあ、やりたい事リストとか作ろっか。全部出来なくても、これからまた休みとってすればいいしね?(なでなで)あはは、なんか来週が待ち遠しくなってきたかも…♡こういうのもまた、カップルと違って夫婦ならではの楽しみって感じがして好きなんだけどね?♡お互いのペースで決められるし…♡



そうだね!こういう楽しみはいっぱいあった方がいいもんね!



毎日が記念日って感じしない?てか、俺ばっかじゃなくて…椿も何かしてみたい事あったら言っていいんだよ?椿が笑顔になるんだったら、なんだってするよ?だって俺は…椿のその笑顔に何度も救われてきたんだから。(手を絡ませる)これからも、俺がキミを笑顔にしてあげるからね。



ありがとう!慶くん大好き!



今よりもずっと、この先もずっと…ね。【現在:病室】――…ん……(…俺、いつの間にか眠っちゃってたんだ…)…もうこんな時間か…。(椿を見つめる)…椿……今ね、懐かしい夢を見たよ?随分前だけど…結局行けなかった、3度目の結婚記念日…。まさか、あんな事になるなんてね…ホント、あの頃から何も気づけなくてごめん…。



かすかに聞こえる彼の声…ですがあなたの声は彼には届かず、眠り続けたまま…。小さな奇跡を信じれば、貴方の声はもしかしたら、届くかもしれません…。



謝らなくていいよ…慶くん



…俺、椿の事笑顔にするっていったのに…。だめだな俺、せめて椿に会う時は笑顔でいようって思ったのに…。いざ前にすると…後悔ばっかしちゃって、俯いてばっか…。これじゃあ、あの子にも笑われちゃうよね…(テーブルに飾ってあるぬいぐるみを見つめる)……いつか俺の夢に現れた、若い頃のキミが見たら…きっと怒るのかな…。それとも、悲しむのかな…?



多分一生懸命励まそうとするんじゃないかな?



(握った手が震える)…駄目、こんなんじゃ…駄目だって。俺は決めたんだ、諦めないって…だからずっといつまでも待つって…。(…お願い、もしも小さな奇跡があるんだとしたら…)……もう一度、椿の声が聞きたい…おはようって…何気ない言葉でもいいから…俺の目を見て声を聴かせて欲しい…。俺の名前を呼んで欲しい…。



彼の言葉が頭の中で響き、必死になって伝えようとするものの…彼には全く届かず、その手すら空をかいたまま…。あなたの意識は再びどんどんと遠のいて行くのでした…。



慶くん…待って



(ピクッ)…椿?……気の、せいか…。(…幻聴まで聞こえる様になって…)……っと、もう面会時間が終わっちゃう…。俺もそろそろ帰らなくちゃ…明日も朝早くから仕事だからね(優しく頬に触れる)…それじゃあ椿、また明日も来るから……それまで、ゆっくりおやすみなさい。(なでなで)また、ね…。



深い深い意識の中、最後に聞こえた彼の声…。もう自分の声が彼に届かないと悟った時、頭の中にかすかに響く…何者かの声が聞こえてきました。それはあなたのよく知る…いや、昔の自分の声によく似た少女の声…。彼女の声に耳を傾けてみましょう。



――『ねぇ、私の声が聞こえてるんでしょ?』



この声…私?



『良かった、ちゃんと聞こえてて』――『…ねぇ、私が助けたんだから今度はあなたが彼を助ける番だよ。彼を幸せにできるのは私しかいないんでしょ?これで最後なんて言ったら…許さない。…ほら、諦めないでもう一度彼の名前を呼んでみて?今度はきっと届くはずだよ、私も一緒に手伝ってあげるから』――――(後ろを振り向いて病室を見つめる)……今、声が……(慌てて駆け寄る)…ッ、 !



慶くん!



(――ガラガラ)――椿ッ……!!……ほん、とに……目が覚めて……もしかして、俺…まだ夢見てる…?(ポタ…)そんな……まさか…(ポタ…ポタ…)……ずっと、この日を待ってた……長い、長い……夢を見てたみたいで…(思い切り椿を抱きしめる)……椿……っ、椿…。



慶くん…ずっと待っててくれてありがとう
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