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□道慈 Happy Birthday
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「椿さん、もし…もしですよ?仮にアニキが、ヤクザじゃなかったとして…椿さんはアニキのことを、今と同じように好きになりましたか?」――…【前日・事務所】…ガチャガチャした音楽流して、随分と騒がしいな…一体何だってんだ…?「あ!お疲れっす!いや〜最近この動画投稿アプリにハマってて…アニキ達、知らねぇっすか?」知るか。ったく、カメラに向かってノリノリのヤクザ達なんて見てらんねぇよ…。椿もそう思うだろ?



ある意味ギャップがあって面白そう!



そうでもねぇってか?あまりこいつらを調子に乗らせるな。…んで?そのアプリとやらはそんなに面白ぇのかよ。(ひょい、と佐久間のスマホを覗き込み)「あっ…!あー!あんなとこに超デッカイサンドイッチが!(窓の外を指差す)」…何っ?……おい、なんもいねぇじゃねぇか。というかなんだ、超でっかいサンドイッチって…。「あれー?いや、確かにあった気がしたんスけどねぇ…椿さんも見ましたよね?ねっ!?」



確かにわたしにも見えた気が…



椿が言うんなら…そう…なのか?いやいや…。…っと…んなことしてる場合じゃなかったぜ…。俺はちょっと荷物の確認をしに、倉庫のほうに行ってくる。あそこは埃っぽいからな…椿はこいつらと一緒にここで待っててくれるか?(ぽんぽんと頭を撫で)お前ら、椿を頼んだぞ。



行ってらっしゃい!



ん、すぐに戻ってくる。その、椿…もしまた見かけたら、写真撮っといてくれ…。(小声で耳打ちし)…あ?なにが、って…さっきの超でっかいサンドイッチとらやだよ…。んじゃ、行ってくるな。――…「ふぅ〜…ヒヤヒヤした…!あやうく俺たちの計画がアニキにバレちまうとこでした…。でも流石アニキ、超デッカイサンドイッチが〜なんてあり得ない嘘にもノリよく付き合ってくれて、助かったっす…!」



…道慈は信じてたみたい…



「えっ!?本気にしてたんスか!?アニキ…。あ…さっきはありがとうございやした、椿さん!実は今、ウチのモンでアニキの誕生日に向けた動画を撮ってるんス!本当は盛大にお祝いしてぇっすけど…やっぱりアニキが一番喜ぶのは椿さんとの時間だと思うんで、明日は2人でゆっくり出来るようにって事で…。それで、最後だけ椿さんに協力して欲しい部分があって…!」



いいよ!



「ありがとうございやす!すぐに済むんで…!」――…おい、何してんだ…?俺がいない十分程度の間に、何をどうしたら椿がリボンでぐるぐるに巻かれた状態になるってんだよ…。(呆れたように佐久間達を睨みつけ)「ああっ…いやー…これは!片付けをしてたら絡まっちまいましてね…!?椿さん、今解いて……」…いや、いい。俺がやる。スルスル…。(むすっとしながら椿に絡まったリボンを解いていく八馬)



何かごめんね?



ったく、椿もこいつらにそこまで付き合わなくていいんだぞ?…スル…よし、解けた…。ほら…さっさと帰るぞ、椿…。(椿の腕を取り)お前たちも事務所をあまり散らかすんじゃねぇぞ?んじゃ、お疲れさん。「おつかれっした!アニキ、椿さん!」――…【八馬宅】ぎゅうっ…。(背後から強く椿を抱きしめ)…んだよ、まだ根に持ってるのかって?そりゃ、椿が他の男にベタベタ触られてたら心配になるだろうが…



そんなに心配しなくても大丈夫だよ!



俺の部下だろうが、男は男なんだよ…。椿に触れるのは俺だけでいい。…はは、柄にもなく我儘言っちまったな。普通に生活してりゃ、そんな事言ってらんねぇってのも分かってるんだけどよ…。ほら、俺は美容師でもなんでもねぇから、椿の髪を切ったりはできねぇだろ?それは重々承知してるんだが…それでも、椿に関してはそれすらも妬いちまうんだよ…。(恥ずかしそうに目を反らし)



ふふっ…嬉しいよ///



まぁ…その分、俺も沢山椿に触るけどな。(椿の首筋に鼻を埋め)…ん…今日は一日動いてたから、流石に汗かいてしっとりしてんな…。この季節の暑さはしんどいが…椿の匂いが濃くなるから、それは好きだ…。…ふ…ここで喋ってるだけなのに、随分とモジモジしてんな…。くすぐったかったか?それとも…何か他の感覚でもしたか?



何でもないよ////



誤魔化したって無駄だぜ、よくわかるからな…♡…にしても…椿の反応を見ると、さっきのがより面白くなくなってきやがる…。こうやって、肌の表面をなぞるだけでびくついてるような椿を…簡単に他の奴の好きにさせられねぇよ…。れろ…っ…♡(うなじに舌を這わせ)…可愛い姿を晒すのは、俺の前だけにしろよ…?



他の人にはしないよ///



ん…約束、な…♡いい子だ…。ぢゅっ…♡(肌に強く吸い付き)…ん…痕、つけちまった…♡ああ…今は隠れてるから安心しろ…。でも…この位置だと、暫く髪括ったり切ったりは出来ねぇかもしれねぇな…?ふ…俺の小さな独占欲だ、赦してくれよ…?♡っと…こんなところでいつまでも立ちっぱなしってのも良くねぇな。ほら、一緒に風呂でも入ってさっぱりしようぜ。



うん///



ん…まぁ勿論、隅々まで洗わせて貰うがな…?♡――…【一時間後】…ポチャン…。…ふぅ…暑い日でも、こうやって湯船に浸かるのは気持ちがいいよな…。それに、お前と一緒だと仕事の疲れも吹き飛ぶぜ…。って…椿はくったりしちまってんな…。洗ってたら椿の反応がまた随分と可愛くてよ…つい色々な所に触っちまった…。…怒ってるか…?



…怒ってる///



悪かったって…機嫌直してくれ。ちゅっ…。(頬にキスをして)…ああ、そういえば…明日は休みを取れることになったんだ。なんでも、下の奴らが気を利かしてくれたみてぇでな…本当は俺も行かなきゃならねぇ仕事が入ってたんだが、佐久間が代わりに行ってくれるらしい。……ゆっくり、できるな。俺は特にどこにも行かずに家で過ごしてぇって思ってるんだが…それでもいいか?



うん!なら家でゆっくりしようね!



ありがとよ…椿と過ごせるだけで、俺は幸せだ…。…さて…逆上せる前にそろそろあがるか。ふ…椿の顔が真っ赤になってきてるからな…。大事な椿に倒れられたりしたら、お祝いどころじゃなくなっちまうだろ…?♡ザパッ…。(椿を抱き上げ浴槽から出る)――…ん…?こんな時間に着信が入ってるな…佐久間から?ちょっと急ぎかもしれねぇから、掛けなおしてみるな。



どうしたんだろ?



悪いな…風邪引かねぇようにしっかり着るんだぞ。――もしもし?って…んだよ、そんなしょぼくれた声出しやがって…。え?俺と椿に申し訳ねぇ?…突然何言ってんだ…よく分かんねぇけど、とりあえず椿にも聞いて貰えばいいのか?(スピーカーをオンにして)『うっ…うっ…う〜〜…あにぎ、椿ざん…すいやせん…』…はぁ、そうやって泣いてても何も分かんねぇだろ…。って…俺が言っても逆効果みてぇだな…。椿、ちょっと宥めてくれるか…?



大丈夫だから何があったか教えて?



流石椿だな…優しさが声にも表れてるぜ。『あの…さっき、ウチの母親が倒れたって連絡があって…軽い熱中症、ではあるみてぇなんですが…』…何…?それは、大変じゃねぇか。今日はもう遅いが、明日病院に……『で、でも…ダメっすよ…!明日は俺、アニキの代わりに…!』…馬鹿な事言ってんじゃねぇ、行ってやれ。元々は俺の仕事なんだ。それに…会えるなら、どんな時だって行くべきだ。俺なんかより、優先すべきモンがお前にはあるだろ…。…椿も…そう思ってくれるか…?



当たり前だよ!お母さんの所に行ってあげて!



ああ…ありがとよ。椿なら…そう言ってくれるって信じてたぜ。…という訳で…お前は何も気にするな。分かったな?『…アニキ、椿さん…。ほんとにすいやせん…!俺…行ってきやす…!』――…【7月25日・朝】…んじゃ、行ってくる。夕方には終わるからよ、帰ったら…(椿の耳元に口を寄せて)…ずーっと椿にくっついててもいいか?…はは、なんてな…。今日くらい、少し欲出したって…いいだろ?(悪戯に微笑み)



無事に帰ってきたらいいよ///



…俺は我慢しねぇぞ?♡いい子で待ってな…。…ちゅっ…♡――…prr…『あ、椿さん……アニキと椿さんのおかげで、母親すげー喜んでました!俺が来るなんて思わなかった、アニキと椿さんにお礼伝えといてくれ…って!それで、ちょっとお願いがありまして――…』――【事務所】「椿さん!突然お呼びしてすいやせん…!でも、ありがとうございやす…!(深々とお辞儀をし)…これ…今日の詫びも含めて、組のみんなからのプレゼントなんす。アニキが戻ったら、椿さんから代わりに渡してもらえませんか?」



わかった!ちゃんと渡しておくね!



「あざっす…!むさくるしいのがいるより、椿さんがここで待っててくれるのが一番だと思うんで。…改めて思ったんスけどね、椿さんもですけど…本当にアニキは器がデカくて、思いやりもあって…すごい男っす。…椿さん、前にも話したかもしれませんが…俺、アニキが本当に憧れで…。でも、もしヤクザじゃなくても…どこか別の場所で出会ってたとしても、きっとそうなってたと思うんす。寧ろ、たまに夢に見るっつぅか……あのですね、夢の中ではアニキはカタギで…椿さんと結婚してて子供もいて…俺はそんな2人のお子さんと、公園で遊んだりしてるんスよ!へへ、変…っすかね?」



ううん!素敵な話だと思うよ!



「変じゃないっすか?良かったー!(嬉しそうにニカッと笑い)めちゃくちゃ幸せな夢なんス!…あの、椿さん…。もし…もしですよ?仮にアニキが、ヤクザじゃなかったとして…椿さんはアニキのことを、今と同じように好きになりましたか?…って、その顔…へへ、聞くまでもなさそうっすね!そんなお二人の事をこんな近くで見守らせてもらえるの、すっげー嬉しいっす!…おっと…そろそろ、アニキ戻ってくる頃っすかね…。俺、行きやすね。残りの今日は、2人きりでゆっくり過ごして欲しいんで…!」――…【10分後】キィ…パタン……。ん…?そこにいるのは、誰……って、椿…?なんでこんな所に…!?



びっくりしたかな?組の皆からのプレゼントだよ!



びっくりしたが…嬉しいぜ。ありがとな…♡ココに戻って来る前に、ああ…椿が居てくれたらな…なんて思ってたんだ。だから…椿の姿が見えた時、一瞬夢か幻かと思っちまった。今日の夕焼けは特に綺麗だったからよ…。こんなヤクザの事務所が、幻想的な場所かと思うくらいにな…。(姿を確かめるように椿に触れる八馬)



幻じゃないよ?ちゃんとここにいるよ!
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