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□佐久間奮闘記
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――…「大人の渋い男特集」……「包容力のある男になるには」……?(ブツブツ)うう〜ん……ビビっと来るモンがねぇ…。おっこれは…?「初心者向け肌の焼き方レッスン〜これで貴方もファビュラス〜」…って違う!アニキの魅力は黒さとかの問題じゃねぇんだ…!あああ〜っ!どうすれば…!……あれ、そこにいるのは…椿さんじゃないっすか!しかも椿さんの持ってる本って…!?…ちょ、ちょっとすいやせん!



ど…どうしたの?



椿さん、こんな所で会うなんて奇遇っすね!あ、安心してください。俺確かにこんなナリですけど…カツアゲとか、そういうのやるタイプじゃないんで…。回収したりはするんすけどね!…って話が逸れちまったじゃないですか!その…椿さんが持ってる本が知りたかったんす。それ、「月刊・仁義」じゃないっスか…?



そうだけど…これ探してたの?



やっぱり!椿さんも愛読してるなんて…やっぱり仁義は最高っスよね!…実は俺、その本を探しにこの本屋に来てたんす。でも見つかんないんで、代わりに参考になりそうなのを漁ってたんですけど…まさか偶然お見かけできるとは!あの〜…コレ、俺に買わせてもらいたいんスけど…ダメっすか?土下座しろってんなら…覚悟は出来てるっすよ…!



そこまでしなくてもあげるよ!



え!マジっすか…!?懐、広すぎっす…!本当に嬉しいっす…これでアニキに一歩近付けるかも…。はっ!お礼!お礼したいんで、ちょっと店の外で待っててもらっても良いっすか!?すぐに買ってくるんで…!(後退りしながらレジに向かう佐久間)――…ウィーン…。お待たせしました!



そんなに待ってないから大丈夫だよ!



ホントに待っててくれるって思わなかったんで…嬉しいっす!そうだ、さっき言ったお礼なんすけど…こういう時は茶を奢る、ってのが大人でスマートな男だと思うんスよね…。なんで、茶シバきに行きやしょう!つっても椿さんと俺一緒に歩いてると、俺が職質されそうなんで…少し後からついて来てください!こっちっす!



ありがとう!…職務質問されたことあるの?



まぁ…何度かありやすね。逸れそうになってもすぐ見つけるんで大丈夫っすよ!――…あれ、椿さん?さっきまでちゃんと後ろにいたのに…椿さん、椿さーーーーん!きょろきょろ……いた!って、もしかして絶賛ナンパされ中…!?アニキに殺される…!セイセイセイ…!(手刀を切りながら椿の元に駆けつける佐久間)



佐久間さん!…ありがとう!



大丈夫っすか…!?すんません、俺が目離した隙に…。…まぁとにかく、この姉さんは自分と約束があるんで失礼しやす。…今度こそはぐれないように、やっぱ隣歩いた方がいいっスね。「いやいや、コッチの話まだおわってないんですけど〜?見た感じ俺より歳下だよね?(笑)譲ってくれない?」………あぁ?



…え?



椿さん…下がっててくだせぇ。そもそも…椿さんはモノじゃねぇから、譲るとかいう問題じゃねぇ…。「やだな〜もしかして暴力で解決しようとしてる?君そういう見た目してるもんね…。でも男とやりあうのは興味ないからさ、俺はこっちでいーの♡グイッ…♡(椿の腕を引く軟派男)」…椿さっ…!―――ゴンッ!…えっ?



…え?



…落ち着いてくだせぇ…。今のは、椿さんの振り上げた肘が…見事コイツの鳩尾に入ったみてぇでして…。すっかり伸びちまってますね…。椿さんって、もしかして結構…?…ハッ、そんな事言ってるうちに一先ず此処から逃げないとっすね…行きやしょう!(椿の手を取り走り出す佐久間)



うん!



――…はぁ、はぁ……女の人走らせちまってすいやせん…。でもあの場にいると、100パー俺がやったみたいになるんで…。あっ、椿さんのせいとかじゃないんでそれは安心してくだせぇ!あれは完全なる正当防衛っすから!…俺はこのナリなんで、疑われんのはしょうがねぇっす。



確かにあれだけ見たら佐久間さんがやったみたいになるもんね…でも助けてくれてありがとう!



慣れてるんで、大丈夫っすよ。にしても喉乾きません?俺が走らせたから余計にっすけど…丁度良さそうなサテンがあるんでここにしやしょう。本のお礼に、さっきのお礼も追加されたんで…このスペシャルジャンボパフェだって食っていいっすよ!じゃあ入りやすか…カランカラン…。



じゃあ、スペシャルジャンボパフェにしようかな?



マジっすか!?さすがっすね!ヘヘッ…他にも美味しそうなのいっぱいあるんで、ゆっくり決めやしょう!…2名っす。(店員に凄みを利かせる佐久間)…席どこでも良いみたいなんで、端っこにしやしょうか。椿さんソファの方どうぞ!…にしても店員さんにやたら怯えられやしたけど、俺なんかしましたかね…?いつもこうなんすよ。



うーん…なんでだろう



うーん…椿さんにも分からないならお手上げっすね!そういえばなんすけど、俺の下の名前って知ってますか?名乗ったことあるような、なかったような…。今更っすけど、佐久間凛太郎(さくまりんたろう)っつぅんです。今後も何かとお世話になると思うんで…よろしくお願いしやすね!



こっちこそ宜しくね!凛ちゃん!



はい、好きな呼び方でいいッスよ!俺、知ってると思うんスけど周り男だらけでいつも「佐久間ァ!」って呼ばれてるんで…。女の人の声で呼ばれると自分の名前じゃないような気分になっちまいますね…///…そ、そうだ!注文しやしょう?飲み物と…さっき言ったパフェの他にもパンケーキとかあるみたいっすよ!椿さんはどれにします?



…どれも捨てがたい…けど、やっぱりスペシャルジャンボパフェにする!



おっ…やっぱりパフェ行っちゃいます?俺はコーラフロートと…ミルクレープにしやす!ヘヘッ…俺実は結構甘党なんすよね…///んじゃ、注文しちゃいますね。すいやせーん!…――わ、めちゃくちゃ美味そうじゃないっすか…!ちょっとコレ、写真撮っていいっすか?パシャッ!…うん、いい感じっすね…これは味も期待できそうっす!椿さん、食べやしょう!



うん!いただきます!



あむっ…モグモグ……う、うめぇ……!これはアニキにもご報告しねぇとっすね…!んむ、椿さんの方も…ヘヘッ、口に合ったみたいっすね!顔見りゃわかります…。イイもん食ってる時の幸せそうな顔って、見てる方も幸せになるんすよね!そう思わないっすか?



私もそう思う!



やっぱりそうっすよね、食べモンは偉大っす。……ああ、そうだ…さっき椿さんに譲ってもらって買えた本…。ゴソゴソ…。じゃん!(ジャケットの内側から雑誌を出す佐久間)コレ、マジで大事にしやす!俺のバイブルにするならこの本、って決めてたんで!あの…お茶ついでにもう少し俺の話聞いてもらってもいいっすか?



いいよ!



ありがとうございます…!椿さん、やっぱり優しいっすね…。実はですね…俺にはずっと憧れてる方がいるんす。分かりやすく言うと直属の上司みたいなモンなんですけど…とても男気があって、それでいて冷静で、でも人情に溢れてるっつぅか…!あっ…因みに顔もシュッてしてキリィ!って感じで滅茶苦茶かっこいいんす!(身振り手振り話す佐久間)



ふふっ!本当に道慈のことが好きなんだね!



椿さんにはやっぱ分かっちまいますよね…///そうです、アニキです…!とにかく、アニキに少しでも近付きたくて俺は絶賛漢磨き中でして…。でもなかなか道は険しい、つぅか…。俺に足りないものが何なのか、わかんなくなっちまってたんです。とりあえずガムシャラに本でも読み漁ろうかなと思って、目星だけ付けてから普段あんま行かねぇ本屋になんて行ってみたんすけど…。



それであの本を探してたんだね



ハイ…。でもまさか、ふらっと入った店で運命の出会いをするなんて…!椿さん!俺…今までずっと一人を目標にしてきたんすけど、色んな人からいい所を盗むってのも大事なんじゃないかと思い始めたんす…。その人のコピーにしかなれない自分じゃ、いつか超えることも出来ないっすから…!…っと、話がまた逸れちまいました。…つまりですね?…俺は椿さんの華麗な肘鉄に…惚れちまったんです!



…えっ!?



ヘヘッ…言っちまいました…///あっ!肘鉄かよ!って思ったかもしんないですけど、勿論そのお人柄も素敵だと思ってるっす!椿さん程懐が広くて優しさも兼ね備えてる女性、俺は見た事ねぇんで…。(少し俯く佐久間)…あ…すいやせん、なんでもないっす!…で、もしよければなんすけど…またこうやってお茶してもらえませんか!?



いいよ!また一緒に行こうね!



いいんすか?やったー!(ガッツポーズする佐久間)俺こう見えて、結構最近のオシャレなサテン…カフェとか知ってるんすよ。単純に甘いモン好きだってのもありますけど…そういうのチェックしてアニキに教えると、呆れながらも褒めてもらえるんで…。〜〜♪…や、やべっ…着信…アニキからだ…!



どうしたんだろ?



すいやせん…今日はもう行かないといけなくなっちまいました…!えっと……ゴソゴソ…(ポケットからよれよれのレシートを出す佐久間)これでいいか、カキカキ…。よしっ…コレ、俺の連絡先っす!椿さんの連絡先はアニキに聞いておくんで…こっからメール来たら詐欺とかじゃないっすから安心してくだせぇ!んじゃ、これで…また会えるの楽しみにしてるっす!――…すいやせん、お会計を――…。



私も半分払うよ!



――…【数日後】あれ?アニキ…すげぇ険しい顔して電話してる…?「もしもし。おう、俺だ。俺だよ、オレオレ…お前がどこの下っ端か突き止めてやる、覚悟しろ。ブツッ。……ああ、佐久間か。気にすんな。ちょっと俺の端末に詐欺の電話があってな…返り討ちにしたところだ」そ、そうなんスか…。ご愁傷様っすね…。あ、そうだ…先日かくかくしかじかで椿さんと一緒に茶シバいたんすけど…。「ああ…椿も言ってたな」もしよければ、今日これから三人で新しく出来たカフェに行きませんか!?「ああ…?お前はいつも突然だな…まぁ、連絡しとくか…」…!ありがとうございやす!―――【八馬から着信です】



道慈からだ…どうしたんだろ?



「椿、今大丈夫か?突然わりぃな…。なんでも佐久間が今日行きてぇカフェがあるみてぇでよ…。ああ、ああ…俺と椿と佐久間の三人でだ。もうすぐ仕事も終わるしよ、車で迎えに行こうかと思うが…どうだ?……今隣で佐久間が土下座しようとしてっから、了承してくれると助かるぜ…」…椿さん、お願いしやす!



行くよ!だから土下座はしないで!



ありがとうございやす!流石椿さ…「んじゃ、準備して待っていてくれ」あー…!ずるいっすよアニキ!いつもアニキは椿さんと二人だからいいかもしんないですけど、俺だってもっとお二人と…!「だから今から一緒に行くんだろうが…」…あ、そうでしたね!ヘヘッ…楽しみっす!――…【数十分後】「…椿、待たせたか?ほら、助手席に乗ると良い…」…椿さんお久しぶりっす!ささっ…どうぞどうぞ…って俺の車じゃないっすけどね!



久しぶりだね!



んじゃさっそく出発っすね…ナビは俺に任せてください!後ろからアニキを完璧にお支えしますんで…!「はぁ…いちいち大袈裟なんだよ、お前は…」――…ここっす!ほら、お洒落じゃないっすか?なんつぅか…シック?な雰囲気なんで野郎でも入りやすいですし!まぁ…今日は椿さんという華がいらっしゃるんであんま関係ないっすけどね!椿さん、アニキ、何頼みますか?俺は決まってますんで…お二人でメニュー見てくだせぇ!



ここのお店もいいね!メニューは何があるかな?



「俺は…とりあえずコーヒーにするかな…」了解っす!椿さんも決まりましたか?俺はやっぱり…ミルクレープっす!ドリンクは…うーん…アニキを見習ってここは俺もコーヒーを…?「…無理すんな、いつも缶コーヒーの微糖でも苦い苦い言ってるだろうが」…うっ…それじゃ、段階を踏んでくっつぅことで、今日はカフェオレにしとくっす…。すいやせーん…!(店員を呼ぶ佐久間)――…ふぅ…ご馳走様っした!味も評判通りでしたね!



うん!美味しかったね!
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