刀剣乱舞 長編

□白刃の輝き
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「これが今回の新しい刀です」



長谷部から手渡される刀。



(今回はどんな人だろう)



楓は期待しながら刀を握る。



「私は小狐丸と申します」



現れた刀剣はそう名乗る。



「…え?」



現れた男に楓は固まる。



男は楓と一緒に出陣した安定や長谷部よりも身長が高く、楓から見たら巨体に見える。



「…もう一回名前を聞いてもいいですか?」



「小狐丸と申します」



どうやら聞き間違えではなさそうだ



「小狐って聞こえたから可愛い子を想像してたのに違う!」



楓は思わず叫んだ。



「しかし、能力的には戦力として申し分ないですよ」



長谷部は冷静に告げる。



「…わかった…疲れたし帰ろうか」



小狐丸の姿に若干ショックを受けた楓はそう言うと本丸に帰ろうとする。



「主様!お疲れなら私がお姫様だっこをして差し上げましょう」



「…え?」



その声に思わず振り替えると小狐丸が嬉しそうに楓をお姫様だっこする。



「…え!?ええっ!?」



「ささ…では戻りましょうか」



「…また主遊ばれてるね」



「仕方ないんじゃない?」



小狐丸に抱えられて悲鳴をあげている楓とそれを見て助けもしない清光と安定だった。



本丸



「…小狐丸…今回もキャラが濃いな」



部屋に戻りようやく解放された楓はぐったりしていた。



「主様!何かやることはないですか!?」



いきなり部屋の襖が開くと小狐丸が勢いよく楓に抱きつく。




「…ぐえっ!?」



避けることもできなかった楓は変な声を出すと為す術もなく抱きしめられる。



「く…くるし…」



小狐丸の熱い抱擁に楓は身の危険を感じるが、なんせ相手は巨体



楓が身をよじるが一行に抜け出せない。



「こ…小狐丸?…う…馬当番を任せてもいいかな?」



苦し紛れに言うと小狐丸はパッと楓を解放する。



「…わかりました…馬なだけに馬鹿にしてやりましょう」



小狐丸はそう言うと颯爽と部屋を出ていく。



「…え?馬なだけに馬鹿にする?」



ことこん小狐丸に振り回される楓だった。
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