短編
□love me!
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事の始まりはありきたりなものだった。
ドラマで男性が女性に「好きだ」と言い抱きついた。
それを見た時雨はやって欲しいと言い始めた。
…学校の昼休みに
当然小十郎は即刻断るが余程やって欲しいのか時雨は引かない。
そして今に至る。
「じゃあ、好きって言うだけでいい!」
「何で言わねえといけねぇんだ」
「言って欲しいから」
普通に言うと小十郎はため息をつく。
「言わん…俺の気持ちは知ってるだろ」
「…知らないもん」
時雨はわざとそう言うが…
「そうか…なら今までのことは遊びだったんだな」
小十郎はそう言うと立ち上がる。
「あー!ウソウソ!…知ってるから!嫌いにならないで!」
時雨は慌てて小十郎を掴まえるとそう言う。
(くぅ…小十郎の方が上手…でもここで諦める訳にはいかない!)
そして時雨は小十郎の口から『好き』と言わせるために作戦を考えるのだった。