短編
□あいつによく似た女
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「いつも椿が変わりに出てくれてるじゃねぇかぃ…今日も頼みまさぁ」
沖田はそう言うと何事もなかったかのようにアイマスクを付ける。
ブチッ
「誰のせいだと思ってんですかっ!?…今日こそは出てもらいます!」
女と思えないような歩き方でズンズンと近づく椿。
そして、沖田の腕を掴むと引っ張るが全く動かない沖田を運べるはずもない。
「女なんだから運べるわけねぇだろぃ」
「こ…こうなったら…」
椿は沖田を背負うようにして、フラフラになりながら立ち上がる。
「おー…すげーや…このまま運んでもらおうかぃ」
「…くっ」
沖田は気楽にそう言うと椿は一歩踏み出すが、沖田のマイペースさにイライラが募る。
「…何…で…」
「あ?」
「何で私が毎回毎回こんな目に合わないといけないんだよ!」
イライラが爆発した椿はどこにそんな力があるのか、そのまま沖田を背負い投げして中庭にあった池に落とす。
バッシャーン
「何すんでぃ!」
「当たり前だろうが!いい加減にしやがれコノヤロー!」