短編
□やる気の出し方
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「ただいま!」
武は部活を終えていつも通りに家に帰る。
「…武…ちょっとこっちにこい」
(…親父?)
なんだろうと思いながら声のする方に行くとあきれた顔で父親が待っていた。
そして、手に持っている一枚の紙を見て武の顔が凍りつく。
「成績表が返ってきた何て聞いてなかったんだけどな?」
(やべっ…隠してたの見つかった)
「…ハハハ…次は頑張るからさ!」
若干青ざめながら答えるが父親の顔は厳しくなる。
「『次は』ってこの前も言ってなかったか?」
「うっ…」
図星をつかれて返せなくなる武。
「…はぁ…光ちゃんを見習ったらどうだ?」
「だってさ…光は頭がいい…そっか!光に教えてもらえばいいのな!」
(…獄寺は頭いいけど、何言ってるかわかんねぇし…なら光がいるじゃねぇか!)
武は嬉しそうに言うと光に、週末勉強を教えてもらうことを約束したのだった。