短編U

□月下美人
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「あの…私土方さんが好きです////」



私は悩んだ挙げ句にそう発した。



「…ガキに興味はねーな」



土方はそう冷たく言う。


椿は薄々分かっていた


振られることを…



(…だって土方さんは遊び人として有名だしね…)



「そうですか…だったら振り向かせてみせるまでです!」



椿は無理やり笑顔を作って言うと土方に背を向ける。


叶わない


儚い想いだとしても


そう簡単に諦めきれなかったから…


それから椿は土方を振り向かせるためにいろんなことを試した。



「土方さん!」



ある日は化粧をして土方の前に現れる。



「…化粧初めてしたのか?」



「はい!」



(これで少しは大人びて見えるはず)



「…化粧…下手すぎ」



「……っ!?」



「もう少し練習してから来い」



「…はーい…」



と逆に言い返されたり…



「土方さん!これどうですか!」



今度は今江戸で流行っているスリットの入ったセクシー系の服を着て登場する。



「あのな…流行に合わせりゃいいってもんじゃねーだろーが…てめーみたいなガキがそんなもん着たって色気もクソもねーんだよ」



「…スリット入ってるんですよ?生足がチラッと見え「お前はそれ以前の問題だろーが!…自分のタイプ分かってから服選んで来い!」」



と怒られたり…
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