いつか書きたい小ネタ


◆no title 


・七松小平太×竹谷八左ヱ門

・死ネタ

・続けば現パロ風味






 ―――殺して。どうか、どうか…



+++


 夢を見ていた。夢を、見ていた。

 私は着物を着て、大きな門の前に立っていた。
 おめでとうございますと、その門の前に立つ小さな人影に言われ、ありがとうと私は返した。
 その中でも大して背丈も変わらない五人が、その中の一人を私の方へと押し出した。
 その顔は見えない。
 けれどもどうしてだろう。
 懐かしくて、懐かしくて…狂いそうなほどの、独占欲が私の胸を駆け抜けた。
「××」
「…七松先輩」
 ××の頬を、涙が滑る。
 笑っているのに泣いている、器用なそいつの頬を拭って、私は笑う。

「愛してる。ずっとずっと先も、お前を愛してる」


 その言葉に、××は笑った。泣きながらも笑って、その太陽のような笑顔を見せた。
 それに私は安堵して。「俺もです」と言った××の言葉に安堵して。

 そして私は歩き出す。
 隣には、五人。けれどもその五人とも離れ、私は一人で道を進んだ。
 一度も後ろは振り返らなかった。


 そこで場面は変わる。

 灰色の世界の中、私は誰かと戦っている。
 苦無を持ち、切迫。二三度と切り結び、そしてまた離れて。
 それを繰り返すうちに、相手が限界に来たのか膝をついた。
 そこを見逃さず、私は苦無を振りかざし、そして。

 死体を漁り、情報を探す。
 視界はまだ灰色。
 幾度となく繰り返してきた手を染めるこの行為も、凍りついたのか、心は動かない。

 視界の端で、きらりと光ったような気がして私はそちらへ目を向ける。
 死んだ忍が泣いていた。
 空を見る、焦点の合わない瞳から、一筋の光。
 灰色の世界の中で、何故かそれが光って見えて。

 そうと手を伸ばし、顔を覆っていた布をはぎ取る。

「………××」

 一気に世界は赤く染まる。

 大きな門の前、確かに笑っていた愛し子。

 ずっとずっとあいしていると、ちかった、はずなのに



 ―――いつだ

 自問する

 ―――いつから私は、「ヒト」じゃぁなくなったのだ




 赤く赤く、今まで気にも留めなかった赤い血が、私の全身を染めて、そして。

「あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」





 愛する人よ、愛する人よ
 私の唯一
 私の光

 どうか、来世では貴方と共にあれますよう





 

2014/04/07(Mon) 03:10

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