お題:マフィア、空、宝石

□1.神とボスに誓って
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あの日俺たちは山本のために継承式を行った。
結局その時は炎真君達が途中で割り込んじゃったから継承式はとりけしになったし、その頃の俺はまだマフィアのボスになるつもりは一切なかった。
あれから何年もたち、俺ももう20歳になる。
そして今俺はその継承式を受けようとしているところだった。
前回と違うところといえば今回の継承式はイタリアで行われるということだ。
もともとボンゴレの本拠地はイタリアであり、俺もいずれイタリアにいくと決めていたから驚きはしなかった。
でも…イタリア語が通じるかは不安だったな。
でも俺には最強の家庭教師がいたから大丈夫だったんだ。


「準備はいいか、お前ら」

そういったのは赤ん坊から成長しているリボーンだった。
たった6年ほどだが凄いスピードで成長をして今では俺の胸ぐらいまできていた。
俺も成長してるはずなんだけど…

「大丈夫だよ。ね、みんな」

俺がそう言ってみんなを見るとみんな頷いていた。

結局俺の右腕は獄寺君になったみたいで、守護者同士の中も良いみたい。

山本はちょっと悔しがっていたけどそれも仕方ないって言って獄寺君と力を合わせるって言ってた。

お兄さんは相変わらず元気だけど、京子ちゃんのことがまだ心配みたいだ。

雲雀さんは大好きだった並盛を離れてイタリアにくる決意を俺に示してくれた。守護者同士なら群れても大丈夫みたい。

ランボはわざわざボヴィーノファミリーを抜けてボンゴレに入ってくれた。やっぱり俺のことはお兄ちゃんみたいだ。

クロームは元々骸の代わりだったんだけど、結局クロームがボンゴレを継ぐことになった。


俺がここまでくるのにたくさんの思い出や犠牲があった。
でもそれを乗り越えて今ここに立っている。
俺は改めて守護者達に向き直った。
みんなも俺が何かするのがわかっていたのか、真剣な眼差しで俺を見つめる。

「俺はボンゴレの10代目としてみんなに言う。隼人」

「はい」

「武」

「おう」

「了平」

「ああ」

「恭弥」

「うん」

「ランボ」

「はい」

「凪」

「………はい」

俺が名前を呼ぶとみんなそれぞれ返事をして跪く。
リボーンも後ろから壁に背をもたれかけそれを見届けている。
今なら言える。
俺が一番みんなに聞きたいこと…

「俺と共にきてくれるか」

そう。
それが俺が一番聞きたいこと。
俺も含めてだけどみんな元々は普通の学生だった。
まあ一人違うけど…
それでも俺と関わったせいで裏の世界に入ることになってしまった。
本当に後悔しないのか、それが一番気になっている。

そんな考えを込めて問いかけた言葉は守護者の代表として隼人が返事をした。

「俺たちの命はあなたに捧げます、10代目」

その答えは当たり前であるが、俺にとっては責任重大ということと、その言葉がとても嬉しいことだった。
ふとリボーンを見ると彼は当たり前だというかのようにふっと笑っていた。
そこで俺はまだ話の途中だということに気づき、慌てて隼人達に目を向けた。

「じゃあこれだけは守って欲しい。俺を裏切らないこと。そして…俺の許可なく死なないこと。…いいね」

俺がそういうと隼人達は俺に頭を下げて隼人が代表してこう言った。

「神とボスに誓って」

恥ずかしい言葉だけど、隼人はこういうことを平気で言える人だって知っている。
恥ずかしいけど俺にとっては嬉しくて仕方がないことだった。

「ありがとう。それじゃあ行こうか」

そう言って俺はみんなに背を向けて歩き出す。
それに続いて守護者達も立ち上がり歩き出す。


さあ、継承式を始めようか


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