yellowprince

□始まり 完結
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〜屋上〜
T(はぁ… もう全部なくなっちゃた。俺も消えてなくなればいいのに… 星になれたら、遠くから見続けられるよね…)
そんなことを考えていたら、玉を呼ぶ声がした。

『玉…』

T(えっ? ガヤの声)
F『玉』
T『何で?』
F『玉に話しがあるから来た』
T『オレにはないよ』
と視線をそらす。
ガヤは玉に近づき抱き締めた。
T『ちょっ、ガヤ、離してよ…』
F『嫌だっ』
T『何で…』
F『今離したら、二度と玉のこと抱き締められないから、絶対離さない』
T『ガヤ…』
F『玉、ごめんな。俺がもっと早く玉に言ってれば、こんなに悩まなくても良かったのにな…ホントにゴメンナ…』
T『えっ?何?』
F『玉 よく聞いて…… 俺、藤ヶ谷太輔は 玉森裕太を 愛しています』
T『ガヤ…』
玉の目から涙が溢れ出した。

F『玉…… 俺じゃイヤだった?』
玉は首を横に振る。
T『ガヤにはわったーがいるんじゃ……』
F『俺にとって渉は戦友みたいなモノだよ。それ以外は何もないよ。やっぱり玉、勘違いしてたんだな。ごめんな、勘違いさせて……辛かっただろ』
T『オレ、ずっとガヤが好きだった……でもガヤには……』
F『もう何も言わなくていいから。俺は玉…ウウン 裕太とずっと一緒に居たい。裕太を離したくない……裕太を俺だけのものにしたい…』
T『オレでいいの?』
ガヤは玉の目を真っ直ぐ見つめ
F『俺は、裕太がいいの。裕太じゃなきゃダメなんだよ』
と言う。
玉は、耳まで真っ赤にし泣きながら
『凄く嬉しい… ありがとう』
と言った。 そんな玉が愛おしくなり、思わずガヤは 玉の唇にキスをした。 その途端、玉の全身から力が抜けてしまい、その場に座り込んでしまった。
F『もう…… どんだけかわいいんだよ。あー もう!』
と顔のあちこちにキスをする。
T『もう、恥ずかしいよ…』
と手で顔をあおいでいる。

ガヤは玉の手を取り、ブレスをはめた。
F『もう二度と外すなよ』
T『うん…』
と頷く。
F『俺、裕太 って呼ぶから 裕太も俺のこと 太輔 って呼べよ』
T『やだ…』
F『何で?』
T『だって いきなり名前なんて…』
F『だーめ』
T『やだ…』
F『どうしても?』
T『恥ずかしいじゃん…』
F『しょーがねーなぁ。ぜってー呼ばせてみせるからな!』
と 玉の唇にキスをする。
T『もー』
と頬を赤くする。
F『やっぱ可愛いわ』
とお互い笑い合う。しばらく沈黙が続いた。

T『あのね。オレ、ガヤのこと本当に好きだよ… でもオレ、わったーみたいに ガヤの事 解ってないよ』
と言う。
F『そんなこと考えてたの?ばかだなぁ』
と玉の髪を撫でる。
F『これからゆっくりでいいから、お互い解り合っていこ。嬉しいコトばかりじゃなく、悲しいコトも辛いコトも 2人で色んな思い出 作っていこ。どんなコトも2人なら乗り越えられるさ』
T『うん』
と満面の笑みを浮かべる。
F『やっぱり、裕太の笑顔はいいな』
T『もう…』
とまた照れる。
F『そろそろ行くか…』
ガヤが手を差し出し、玉がその手を握る。 ガヤが玉を引き上げ もう一度抱き締める。 お互いの唇が重なり合う……

2人の歴史が 深く永く続くような 始まりの口付けだった……

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