yellowprince

□初めての夜 完結
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明日は1日オフだ。やっと玉と2人きりで過ごせる… 両想いになって一週間、結局2人きりになれる時間なんてなかった。
F(明日かぁ… 今日って裕太 何してたっけ?)
とスケジュールを確認する。
(雑誌インタビュー 21時終わりか。俺は20時に終わるから…… よし!迎えに行こ!!)
ガヤは順調に仕事を終え、玉の仕事場には、終了20分前に着いた。
近くの駐車場に車を停め、現場まで行くと 丁度 玉が出て来た。
F『裕太』
T『ガヤ? どうしたの?』
F『俺も近くで仕事あったから、ひょっとしたら裕太に会えるかなと思って』
T『うれしい』
とニコッと笑う。
F『この後、何もないよな?』
T『うん』
F『腹 減ってないか?』
T『もー ペコペコだよ』
と口をとがらす。
F『じゃあ、何か食べに行きますか?』
と言う。
T『うん』
とガヤに付いて行く
駐車場に着くと
F『そう言えば、裕太俺の車に乗るの初めてだよな?』
T『う、うん…』
と緊張しているようだ。
F『ひょっとして、緊張してる?』
T『う、うん』
ガヤは助手席のドアを開け
『ハイ、どうぞ』
と玉を促す。
T『ありがとう』
と玉は助手席に座る
ガヤが運転席に座る
玉が
『何かドキドキする…』
と言うと
F『じゃあ、もっとドキドキさせてあげる』
と玉を引き寄せキスをした。
長いキスに玉は声を漏らす。
T『ンン… もぅっ…』
と唇を離す。
T『ガヤの意地悪…』
F『だって チュー したかったもん』
とイジワルな笑みを浮かべる。
T『もぅ』
と照れている。
F『よし、じゃあ 飯行くぞー。って 何食べる?』
T『うーん… イタリアン…パスタがいい』
F『了解』
と 車内は穏やかな雰囲気になっている。
ガヤが曲をかけると
T『あっ! ゙Taio Cruz"だ』
F『裕太 知ってんの?』
T『うん。オレ毎朝 ゙ハングオーバー" を目覚まし代わりにしてんだ』
F『そうなんだ』
T『いいよね!この曲』
F『俺も好きなんだよね〜』
(へー。音楽の趣味も合うんじゃね? 何か楽し!)
と ガヤはご機嫌になっている。

一通り食事も済ませ、車に戻る途中 玉が ガヤの袖口をつまみ口を開いた。
T『明日 休みだよね… あのさ… オレ… ガヤと……』
と声を震わせている
そんな いじらしい玉が、凄く愛おしくなり ガヤは玉を抱き締め
『俺は裕太と一緒に居たい。裕太は?』
と言う。
T『オレもガヤと一緒に居たい』
F『じゃあ、これから俺の家に行く?』
T『いいの?』
F『裕太がイヤじゃなければ』
T『うん』
と頷く。
F『じゃあ行こうか』
とガヤは手を差し出す。玉は そっと手を添える。するとガヤは、ニコッと笑い 玉の手を ゙ギュッ"と握る。玉は凄く嬉しかった。
T(暖かい…)
心の中まで暖かくなった。

F『どうぞ〜』
T『おじゃましまーす。わぁー ガヤん家 キレイだね』
F『そうか?』
T『うん』
F『ありがとな。あっ、何か飲むか?』
T『うん』
F『適当に座ってて』
T『うーん。やっぱり待ってる』
F『じゃあ、ちょっと待ってて』
T『うん』
しばらく待っていると
F『はい。コーヒー。裕太のは ミルクと砂糖 入ってるからな』
T『うゎぁ、ありがとう。ん。美味しい』
とニコッとする。
T『ガヤって、ブラックだよね。苦くないの?』
F『それがいいんだよ』
T『一口 ちょうだい』
と言って ガヤのを一口飲む。
T『やっぱ ダメ… ムリ』
と苦い顔をする。
T『やっぱり こっちの方が美味しい』
と自分のを飲んで、ニコッとする。
するとガヤが笑い出した。
T『何?』
F『いや、何か、裕太って やっぱり可愛いよな』
T『何?突然』
F『これからさぁ、俺しか知らない裕太を見せてくれる?』
T『えっ……』
ガヤはそう言うと、玉を押し倒しキスをしてきた。

T『んっ……』
ガヤに舌先で軽くつつかれて、誘われるまま唇を開いた途端、入り込んできた舌の巧みな動きに翻弄される。
強く吸われて それだけで呼吸を乱してしまう。
玉は『んんっ』『…んっ…ふぅ…』『はぁぁ…』
と 体をビクつかせる
顔中にキスを降らされ、喉元から耳たぶまで降りていた唇がまた戻ってきて キスを仕掛ける。
そのスピードに付いて行けずに、少しだけ待ってほしいと肩を叩くと、それまで夢中でキスを貪っていたガヤが ハッとしたように顔を離した
F『あっ…』
T『ガヤ… ちょ…と… ちょっと待って……』
はぁはぁと息を切らし、濡れた視線で見上げれば、ガヤは ひどく気まずそうに視線をそらせた。
F『ごめん… 焦ってた』
と言いながら身を起こした。
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