yellowprince-2

□危機感
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ミツはフードを被りスタジオの片隅でイスに座り目を閉じている。
今は個々で雑誌撮影をしている。ミツは一番最後だ。
そんな中 撮影中の玉を見てスタッフは言う。

A『なぁ 俺さぁ、いつも思ってることあるんだけど…』
B『何だよ』
A『ぜってーひかねーか?』
B『言ってみろ』
A『あの人ってさぁ、クールって言われてるよな』
B『だよな』

Ki(ん? クール? 玉か……)

A『雑誌とかも、格好いいの多いよな…』
B『まぁなぁ…』
A『今もクール系だよな…』
B『そうだな…』
A『でもさぁ、たまに すげー可愛い写真あるんだよね』
B『可愛いって…』
A『変かもしんねーけど そう思うんだよね……』
B『どうしたんだよお前……』
A『ホント どうしたんだろーね……』

Ki(あーあ… ここにも玉にやられた奴いるのかよ… 玉のやつ… ったくもう…)

B『大丈夫か?』
A『わかんねぇ…』
B『お前、アイドルの☆☆好きだろ。そいつのこと考えてればいーじゃん』
A『いやー』
B『何…』
A『何か どうでもよくなってきたんだよね……』
B『どういうこと?』
A『あの人のことが気になってしょうがないんだよ』
B『おいおいおい… 男だろ…』
A『わかってんだよ。わかってんだけどさぁ…』
B『何…』
A『よく見たら そこら辺の女よりいいんだよ』
B『どこが…』
A『肌白いじゃん。笑うと可愛いじゃん。声もいいじゃん。見てると癒されるじゃん… あっ、何かやってる…』

玉は 撮影で使う小道具で遊び始めた。なかなか自分の思い通りにいかず ちょっとふて腐れている。

A『可愛くね?』
B『まぁ…』

すると 今度は上手くいった。玉は得意気な顔をしている。

Bは思わず笑ってしまった。
B『何だあの人… 子供みてーだな』
A『だよな… 男らしかったり、格好よかったりするのに、こんなん見るとねぇ…』
B『あー 何かわかるわー』
A『だろ?』
B『そのまんまなんだろうな… 天然だな……』
A『ほら 周りの奴等も あの人見て笑ってるだろ?』
B『ホントだ』
A『何か 自然と目がいっちゃうんだよね…』
B『そうみたいだな』
A『惹き付けるんだろーね』
B『だな…』
A『あー お近付きになりてー』
B『何だそれ…』
A『いや…』
B『何…』
A『… 触れてみてーなー って思ってさ…』
B『ああ〜』
A『男だってわかってんだよ。わかってんだけどさぁ…』
B『まぁ あの人ならね……』
A『やべ…』
B『何だよ』
A『マジであの人のこと 欲しくなってきた』
B『お前単純だなぁ』
A『お前は無いのかよ。無性に欲しくなる っていうコト』
B『ああ 急にムラムラしてくるって?』
A『そうそれ! 俺 正に今あの人にムラムラしてる』
B『冷静になれよ』
A『いやー 想像したら無理だわ』
B『想像って…』
A『あの人を後ろ手に縛り上げるだろ?』
B『ああ…』
A『あっ 前の方がいいか?』

Ki(おいおい…)
B『うーん… 手首縛るなら、上から吊るした方が良くないか?』
A『おお〜』

Ki(なるほどね…)

B『服は シャツの方がいいなぁ… 前開けて…』
A『あ〜 色は白だな』

Ki(似合うねぇ…)

B『確かに』
A『で、無理矢理?』
B『いいねぇ〜 何か睨み付けても可愛いんだろーな』
A『それ解るわ〜 涙目になってそーだし』

Ki(想像力すげーなぁ… てか、俺も解る!)

B『いや〜 俺までその気になってきたわ』
A『まぁ 実際には出来ないけどな』
B『だよな』

Ki(当たり前だろ! マジで想像だけにしといてもらわねーと…)


スタッフ『おーい そこの2人』
A・B『はい』
スタッフ『ちょっと』
2人は別のスタッフに呼ばれた。

Ki(呼ばれたのか…)
ミツが目を開けると、さっきの2人が玉の所にいる。

Ki(おいおいおい…)
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