yellowprince-2

□俺も…
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4回コールが鳴った。
F『はい』
T『ガヤ』
F『玉か どうした?』
T『あのさぁ、ちょっと話せる?』
F『いいけど…』
T『よかったぁ… 15分‥10分でいいからさぁ』
F『10分って… どうしたんだよ』
T『いや……』
F『変なやつだなぁ。で?』
T『で? って言われても……』
F『ん? ちょっとまて…… 用事じゃないのかよ』
T『えーっと… 違う』
F『何なんだよ一体』
T『とりあえず 何か話そうよ』
F『何かって何を?』
T『えーっと… ガヤの好きな食べ物とか……』
F『何だそれ』
T『えー… じゃあ… 今聞いてる音楽は?』
F『VOBBY.V とか』
T『へー って オレ知らない』
F『玉は 何聞いてんの?』
T『Bruno Mars とか…』
F『それなら俺も聞くよ』
T『今度 VOBBY.V 聴かせて』
F『いいよ』
突然
『うわぁっ』
と 玉の驚く声が聞こえた。

F『どうした!』
T『ネコが 飛び出してきた… びっくりしたー』
F『ネコ? 玉、今 何やってんの?』
T『えっ… あの… その… 家へ帰る途中』
F『帰る途中って… あっ、玉 ひょっとして 帰り道怖いのか?それとも1人じゃ寂しいとか……』
T『ち、違うってー ちょっと電話したかっただけなの』
F『ホントかなぁ』
T『ホ、ホントだってばぁ』
F『ふーん…』
T『あ、あの… そろそろ電話切るね。ガヤ ありがとね』
F『はいはい』
と 玉は電話を切った
F(何だ玉のやつ… 帰る途中って……)
T(良かったぁー ガヤ出てくれて。でも、ネコびっくりしたなぁ…)
と思っていたらマンションに着いた。

(やっと着いた…)
玉は いつものようにポストを開ける。
すると、また白い封筒が入っていた。
(また入ってる… 何なんだよこれ…)
中を見てみると 白いカードに
  “お帰り”
と書いてあった。
『何だよ…』
玉は怖くなり 一目散に部屋まで向かった
『もー 何なんだよこれ』
玉は封筒とカードを丸めた。
(そうだ…)
玉は携帯を見る。

着信履歴には非通知の文字が残っていた
(さっきまで入ってなかったのに… 拒否したのに……)
玉に 怒りとどうしようもない不安感が湧いてきた。
(携帯、番号変えようかなぁ… あっ、勝手に変えられないんだ… あーもう! 明日マネージャーに聞いてみる!)
玉は 携帯の電源を切り すぐにベッドに入った。


翌朝
稽古場に着くと皆揃っていた。
T『おはようございます』
玉は皆に挨拶をすると
『ふーっ』
とため息をつきイスに座った。

M『玉ー 昨日 電話ごめん』
T『電話…』
M『玉くれただろ?』
T『あ、ああ… 別にいいよ』
M『何か用事だった?』
T『別に…』
M『気付いたの遅くてさぁ。玉に電話したけど電源入ってなかったし』
T『あ、ああ』
M『留守電入れたけど聞いてくれた?』
T『ごめん。聞いてない…』
M『ちゃんと聞いてくれよー』
T『ごめん… 何だった?』
M『今日の夜 ご飯どうかなって思って』
T『ご飯かぁ… 今日はパス』
M『明日は?』
T『考えとく』
M『わかったよ』

宮田と話し終わると ガヤが玉に声をかけた。
F『昨日ちゃんと帰れたか?』
T『帰れたよ…』
F『それにしても… 昨日の玉の驚き方…』
T『何だよ…』
F『可愛かったぞ』
T『その話しはいいよぉ』
と玉は照れている。
F『あっ、ほら』
T『何?』
F『昨日言ってただろ? VOBBY.V』
T『いいの?』
F『いいぞ』
T『ありがとう』
F『で、今日は ちゃんと帰れるのか?』
T『えっ… あ、ああ 帰れるよ』
F『電話してやろうか?』
T『大丈夫だよ』
玉はニコッと笑った

T『あのさぁ、ガヤ…』
F『何?』
T『携帯の番号って変えてもいいかなぁ』
F『あー 番号ね… 手続きもあるし、玉が面倒じゃなきゃいーんじゃねーの? まぁ、マネージャーが何て言うかだよな』
T『そうだよね… マネージャーだよね…』
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