yellowprince-2

□プチ嫉妬
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『なぁ』
『ん?』
『どうだった?』
『何が?』
『だから、どうだったんだよ』
『どうだったって、何が』
『……』
『何がどうだったんだよ』
『だから…』
『… 何?』
『……』
『何だよ』
『だから…』
『… 何?』
『… 沢村さん』
『沢村さん?』
『ああ』
『沢村さんがどうかした?』
『どうかした? って…』
『… 何だよ』
『だから…』
『何』
『… 裕太 沢村さんに抱き締められてただろ』
『… ああぁ〜』
『どうだったんだ?』
『… どうだったって?』
『……』
『どういう意味?』
『だから、抱き締められて,裕太はどうだったんだよ』
『何でいまさら?』
『とにかく、どうだったんだ?』
『… 大人だった』
『大人?』
『うん』
『大人って…』
『包容力があって、安心出来る感じだった』
『包容力… 安心…』
『うん』
『……』
『沢村さんって、エロ男爵って言われてるだろ? でも全然イヤらしくないし,やっぱりダンディーなんだよね〜 大人の男って感じだし。あっ、及川さんも、いっつも笑わせてくれるんだよね。玉ちゃん,玉ちゃんって今も呼んでくれるし。尾上さんは気品があってスマート。かが屋さんは面白い。木村さんはやっぱりカッコいい』
『……』
『… てか何でこんなコト聞くんだよぉ』
『……』
『ガヤぁ』
と 玉は隣に座っているガヤの肩をつついた。
すると、ガヤは玉を引き寄せるとギュッと抱き締めた。
『… 何だよぉ』
『… なぁ』
『… 何?』
『俺はどうだ?』
『… どうだって?』
『俺はどうなんだよ』
『… 何が』
『裕太を こうすること』
と ガヤはさらに強く玉を抱き締めた。
『どうなんだ?』
『… 嬉しい』
『それだけか?』
『ホッとする』
『他には?』
『安心もする』
『他は?』
『もっとして欲しいって思う』
『ホントに?』
『うん』
『ホントにホント?』
『うん。だって、ガヤが1番心地好くて,ホッとできて、安心できて、1番頼れるもん』
『何で?』
『大好きだから』
と言った玉は、ガヤの頬にキスをした。
『裕太…』
『ガヤのこと大好きだもん』
『俺も好き』
ガヤも玉の頬にキスをする。
『ほっぺた?』
『どこがいいんだ?』
『ここ』
と 玉は唇を尖らす。
『しょうがねぇなぁ』
と ガヤは、尖らせている玉の唇をパクッと自分の唇で被った。

『もぉ… 苦しいよ…』
玉は顔を背ける。
『食べちゃいたい』
ガヤは玉の頬を両手で挟むと深いキスをした。
『もぉ…』
『嫌か?』
『… イヤなわけないじゃん…』
『おっ 嬉しいねぇ〜』
『もぉ…』
『ハハッ やっぱ可愛いな』
ガヤはもう1度深いキスを玉にした。
『… お風呂 入ろ…』
と トロンとした目の玉が言う。
『入れるか?』
『うん…』
『よし』
と 2人はお風呂に入った。

『ガヤぁ』
『ん?』
『チュー』
『チュー?』
『うん。チュー』
『はい』
と ガヤは玉のオデコにキスをした。
『ヤダ』
『ヤダ?』
『うん。ヤダ』
『何で』
『そこじゃないもん』
『じゃあどこ?』
『ここ』
玉は自分の唇を指差す。
『ここだけでいいのか?』
と ガヤは、自分の唇を指差している玉の指を握った。
『それは…』
『どうなんだ?』
『……』
『裕太』
ガヤは玉の指をくわえた。
『ィ,イヤじゃない?』
『何が?』
『… 唇 以外も…』
『唇以外もって?』
『それは…』
『ん?』
『……』
『例えば?』
『… 耳 とか…』
『耳?』
玉は頷く。
『耳ねぇ…』
『……』
『… こんなふうに?』
と ガヤは玉の左耳朶を軽く噛み、舐めあげた。
すぐに
『ぁぁっ』
と 玉の声が上がり身体もビクッとした。
『ん? どうした?』
『… これ キスじゃ ない…』
『キスじゃない?』
『うん…』
『あれ〜 俺間違えたかなぁ〜』
と言うガヤはニヤッとする。
『じゃあもう1回やってみるな』
と 今度は、耳朶にキスをすると舌先を動かした。
また玉の身体がビクッとする。
『あってるか?』
『もぉ…』
『何だよぉ』
『イジワル…』
『裕太』
『… 何?』
『俺が唇以外のキスを嫌だと思うか? キスだけじゃ物足りねぇんだし、裕太の全部食べちまいてぇんだからさぁ』
『ガヤ…』
『俺は、頭のてっぺんから足の指先まで裕太のこと愛せるからな』
『ありがと…』
玉は嬉しそうな、でもちょっと恥ずかしそうな顔をした。
『ホンと可愛いな』
ガヤの顔は、玉に対する愛おしさでいっぱいになっている。
『裕太』
『何?』
『俺、頑張るから』
『え?』
『大人の男になれるよう頑張る』
『… 何だよ突然』
『裕太、羨ましいくらいにどんどん魅力的になってるだろ』
『オレが? そんなことないよ』
『いや… 嫉妬するくらい魅力的だ』
と言ったガヤは、玉の頬に手を添えた。
『ガヤ…』
『裕太に負けねぇくらい、俺も魅力的になって、ちゃんとした大人の男になる』
『何で…』
『裕太のこと、誰にも盗られたくねぇからさ』
『ガヤ…』
『裕太の心が変わらねぇよう、俺は頑張る』
『… オレは? オレは 何をすればいい?』
玉もガヤの頬に触れた。
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