短編

□寂しいから
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「うーん…でもさ、もうあの子達屯所の外に遊びにいっちゃったし。」
「え、あ、あれ?」

沖田さんのいう通りさっきまでいた子達はいつの間にかいなくなっていた。

「だからこのままでもいいでしょ?」
「あ、はい…。じゃなくて、子ども達がいなくなったのなら部屋に戻ってください!」

いいながら沖田さんの顔を見上げると私をからかうような笑顔からムスっとした顔になっていた。

「嫌。」
「子どもじゃないんですから…。」
「子どもで結構。」
「なんでそんなに戻りたくないんですか…。」
「だって、部屋に戻ったら君は土方さんのお手伝いにいっちゃうでしょ?」
「まぁ…。」
「だから嫌なんだ。あの部屋で一人は…寂しいから。」

あ、今度は悲しい顔だ。
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