Song of the love to give you who are red

□笑った時に輝いた歯。
1ページ/1ページ

「ありがとうございますっ!!!」
私の鞄は無事手元にかえってきた。つまり、ひったくり犯は捕まったわけで…。

「休日まで仕事かよ」
あの後、一瞬で終わった。
頭から手が離れたかと思うと数十メートル先にいるひったくり犯を何故か一度追い越し慌てて戻って捕まえた。それはもちろん私ではなくあの手の主であって私はあっけにとられていた。
だってほんとにあり得ないくらいの速さだったんだから!
「ほらよ」と渡された鞄をぎゅっと握って、そういえばと顔をあげた。
え、こわっ…てかガラ悪っ。
「あえー…お前さ、この後なんか用あるか?」
「と、特にはないですけど…」
「じゃ、ちょっと一緒にきてくれ」
「え?」
「あ、俺けーさつだから」










「あ!青峰さん?」
「おー、桜井。こいつ現行犯逮捕したから。被害者はこっちのやつ。書類の方頼むわ。」
「は、はいっ!すみませんっ」
署につくと栗色の髪の青年に私のことを頼んで先程のガラの悪い人は中に入っていった。それにしてもみんなデカイな。あとこの人はなんで謝ったんだろう?
「あの、簡単なものなんですけど書類を書いてもらわなければならないので来てもらえますか?すみません…」
「あ、はい」
なんで謝るんだろう…?









書類を書いているとさっきの人が入ってきた。
「ん?お前、桐島 鈴っていうのか?」
「はぁ…。」
どっかできいたことあるな、と頭のうしろをかいている。
いやいや、私の知り合いにこんな怖いひとはいないですよと思いつつ見上げていると思い出すのを諦めたみたいだった。
「けーさつさんは…」
「けーさつさんってガキかよ」
「じゃあ、なんて呼べばいいですか?」
「青峰大輝」
「青峰さん?」
「大輝でいーぜ?」
「大輝さん」
「おう」




前言撤回。
ガラ悪けーさつさんはとても面白そうな人です。









「それ書きおわったら送ってってやるよ」
「やった!」









〈笑った時に輝いた歯。〉

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ