Song of the love to give you who are red

□苦しい。熱い。期待。
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「二人とも、もう帰るよな?」という赤司さんのニッコリ笑顔で大輝さんとテツヤさんは若干ひきつった顔で「じゃあ…」と車を発進させた。私を見て「good luck」と言っていたが…。




「今日は何をしていたんだ?」
家に入ってからも赤司さんはずっと笑顔です…。
「えっと、アパート探しを…」
「へぇ、どうして?」
「だっていつまでも赤司さんに甘えるわけには…」
「君はここを出たいってこと?」
赤と黄のオッドアイに見つめられれば動けなくなる。
「そういう訳じゃないけど、」
苦しい。赤司さんの優しさが。私にはもったいないよ。
私なんかが赤司さんの近くにいたらダメだって思う。今まで夢を見てたんだよ。あいつにあって夢から覚めたの。私の現実はあいつで、別れて一人っていうのが寂しくて都合のいい夢をみてしまったんだ。
「駄目なんです。私がここにいたら」
赤司さんのそばにいたら、
「何が駄目なのか俺にはわからない。実際この生活で鈴が困ったことなどないはずだ」
「困ったことは、ないです。でも駄目なんです、苦しい、から」
「苦、しい?」

苦しい。どうして?だって、私は…

「私はっ…きっと赤司さんのことを好きになってしまうからっ…!」
「…」
「夢みたいに自分の都合のいいように考えちゃうから。そんなこと絶対ないのに、優しくされるとうれしく苦しくて期待しちゃうんです」
自分でも何をいってるのかわからなくなってきて気づいたらポロポロと熱い雫が頬を伝っていた。
まただ、何回赤司さんの前で泣くんだろう。きっとあきれてバカな女って思われてそれで私は現実に戻るんだ。
「馬鹿だな」
「ごめんなさい…自分でも分かってるんです」
「いや、わかってない」
赤司さんの両手が私の頬を包んで涙をぬぐいとった。うつむいていた顔があげられ、オッドアイと向き合う。
「鈴はなにもわかってないよ」
「ごめん、なさ…」



「俺とのことが夢だというならずっと夢を見続ければいい。俺の気持ちも知らないのに勝手にあり得ないと決めつけて苦しんで…本当に馬鹿だよ」















〈苦しい。熱い。期待。〉

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