Song of the love to give you who are red

□番外編
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「くーろこっち!久しぶりっス!!」
「こないだ会ったばかりじゃないですか」
「えー、一ヶ月前は会ったばかりじゃないっスよっ!」
とある日曜日の昼間。金髪の間からピアスを見えかくれさせる青年、黄瀬涼太は友人である黒子テツヤに飛びついた。
「青峰っちはまた遅刻っスね」
「彼も仕事があるんでしょう。まさか警察になるとは思いませんでしたが」
「そうっスよね〜。でも黒子っちは保育士ぴったりって感じっス!」
「黄瀬くんもよくパイロットになれましたね」
「誉めてるんスか?貶してるんスか?」
無表情で話す黒子に少しむくれながら時計を見る。
時間が空いていたのでストバスでもしようと昔の友人達を誘ってみれば二人からのいい返事がきた。バスケと聞いて飛び付いてくるあたりバスケバカはなおってないらしい。まぁ、人のことも言えないのだが。
「もう時間も過ぎたし先にやっててもいいっスよね?」
「そうですね…。ただ待っているだけというのもつまらないですし」
と、二人で先にはじめて少したった頃長身の男がボーッと歩いてくるのが見えた。
「あれ、青峰くんですよね」
「あ、ホントだ!なんかボーッとしてないっスか?」
「なにかあったんでしょうか?」
「おーい!青峰っちー!!!」
ボーッと歩く友人の名を呼ぶとハッとしたようにこちらにダッシュしてきた。え、こわいっスよ?だって青峰っちって人殺したことありそうな顔じゃないっスか。それが急に近づいてくるんスよ?
「…青峰っちこわいっスよ」
「あ?んなことはどうでもいいんだよ!俺、スゲーもん見ちまった…」
「何を見たんですか?」
わなわなと震えながら自分の両手を見る青峰っちはまるで人を殺してしまったあとのような…「おい、声に出てんぞ」うそっス、冗談っスよ。睨まないで。
「で、何を見たんスか?」
「それがよ、赤司だったんだ」
「赤司っち?そりゃ日曜にでかけてる所を見ることもあるんじゃないっスか?」
「ちげーんだよ!赤司だけどもう一人いたんだ!!」
「はっ!?赤司っちが二人!?!」
「そーだよ!赤司が二人っきりで歩いてたんだ!!」
「ちょっと、バカ二人で会話してても話が見えなくなります」
頭のなかがぐちゃぐちゃになってきたところで黒子っちの冷静な声が入った。
「赤司くんが女性と二人っきりで歩いてたということでいいんですか?青峰くん」
「お、おぉ…そうだ」
「あ、なんだ、赤司っちが二人になったのかと…」
「はぁ?バカじゃねぇの?んなわけねぇだろ」
「青峰っちに言われたくないっス!」
「二人とも同レベルですよ」
ってそんなことはどうでもよくて!赤司っちが女の人と二人っきりで歩いてたってのが気になる!だって赤司っちっスよ!?あの女の人に興味無さそうな、ていうか今まで全く興味をしめさなかった赤司っちが!!日曜の昼間にいわゆる、デートだなんてっ!!
「そんなの後をつけないとっ!」
「黄瀬くん趣味悪いですね」
「だって気になるじゃないっスか!」
「ああ、でもよ…なんつーか、邪魔できねぇ雰囲気を醸し出してたからよ、俺も後はつけられなかった…」
「えーっ…気になる!!赤司っちとデートしたひと〜!」
「今度直接聞けばいいじゃないですか。人の恋路を邪魔したら馬に蹴られて死にますよ?
「う〜…」
ま、結局そのあとのバスケは全然集中できなかったわけで。
あー…気になる。赤司っちの好きな人!
今度絶対きかないと!!…こわいけど。









なんだかんだでみんな気になったので黄瀬くんが代表で赤司様にメールしました。
「めっっっっっっちゃこわかったっス」

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