うたプリ長編♪

□お隣さん
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さわがしい、と 思った。

何やら隣の部屋がうるさい。
引越しがあったのは知っているが業者も先ほど去って行ったはずだ。

「……(集中できない)」

レポート用紙に持っていたペンを放り投げる。するとほぼ同時に部屋のインターホンがなった。だるい体を持ち上げて玄関に行くと適当なサンダルに足をかけてドアを開けた。

「あ、初めまして!隣に引っ越してきた一十木音也です!」
「初めまして、一ノ瀬トキヤです。」
「…帰れ。」

赤い髪と瞳が特徴的な少年っぽい者と大人びていて丁寧に頭を下げたものを見て一言 、言い放つとドアをしめた。


「…え!?と、トキヤ、俺なんか変なこといった?」
「いえ…。特にはいってないと思います。」


なにやら会話が聞こえてくるが気にしない。何故 隣の部屋になっただけで仲良くしないといけないのだ。そんなことを考えていると再びインターホンがなる。無言でもう一度ドアを開ける。

「あ、あの!これ、どうぞ!!」

ずいと何かの詰め合わせのようなものを差し出してきた。

「…いらない。」

そう言ってドアをしめようとするともう一人の一ノ瀬とか言う人にドアをガシッとつかまれる。

「……放して。」
「そう言われると余計に放したくなくなりますね。」

ぐぐぐっとドアを引き合っていたが男女の差ですぐに負けると分かると力を抜いた。

「ありがとうございます。」

うわ、ちょー笑顔で言われた。うぜぇ。

「何なんですか?」
「なにが?」
「その嫌そうな態度のことです。」
「これが素なもので。」

一ノ瀬という人はまあ、いいですと言ってさっきの詰め合わせを無理やり押し付けてきた。

「ね!名前は?」

一十木という人がキラキラとした笑顔で聞いてくる。

「… 紅葉 。」
「 紅葉 …って名字だよね?名前は??」
「………………… 美音 。」
「…なんかその間が気になるけど。言い名前だね! 美音 って呼ぶね!俺のことは音也でいいから!!」
「一十木。」
「えーーー………。」

一十木はしょぼんとしていたが知らないふりをする。

「これからよろしくお願いします、 紅葉 さん。」
「嫌だ。……じゃなくてよろしく一ノ瀬。」

断った瞬間黒いオーラが見えた気がしたから思わずおーけーしてしまった。こいつ、こわっ。
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