長編 薄桜鬼
□二章
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「うん、できた!」
「おぉ…袴だ。」
初めて着るからか妙にテンションが上がった。くるくると回っていると千鶴が髪をじっと見つめてきた。
「周防さん、髪長いですね。」
「え、そうかな?ってか名前で呼んで!敬語じゃなくていいし。」
「じゃあ、 夢羽ちゃん? 」
「うん、千鶴。」
二人で笑いあった後、千鶴が櫛で私の髪をといてくれた。
「綺麗な黒髪だね。」
「…千鶴ってさ土方さん好き?」
「え、ええぇぇぇぇっ!?!////////」
土方さんも黒くて綺麗な髪だよなーと 思っていたら出たのがこの言葉だった。そして意外にもとてもいい反応がかえってきた。
「な、ななななんでっ!?////」
「顔赤くしちゃってかわいいなぁ、もお。」
真っ赤な頬を手で押さえながらフルフルと震える千鶴を人差し指でつついた。
「あ、髪しばってくれる?」
「う、うん。」
紐で何て髪をしばったことがないから千鶴にしばってもらう。
「高さはどの辺がいい?」
「うーん。高いと面倒だししたの方でいいよ。」
「わかった。」
手なれた様子で私の髪を扱う千鶴を見てまたからかおう、と心に決めた。