短編
□国語
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「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
ここは図書館。
私は 名字 名前。ただ今べんきょーちゅー。
国語が出来なさすぎて悶絶ちゅー。…図書館でやればなんとなか出来るようになる気がしたんだけどなぁ。
「うーん…。」
「ここはこれですよ。」
「え、ほんと?って、え…?」
いつからいたのか男の子がとなりにいた。
「あ、えっと…黒子、テツヤくん?」
「!僕のこと知ってるんですか?」
「うん、バスケ部だよね。すごいって聞いたことあるよ。」
図書館なのであくまで小さな声。
私が黒子くんのこと知っていたというと少し驚いたようにしてから小さく笑っていた。
「僕も知ってますよ。 名字 名前さん。」
「え、なんで…。」
「ここでよく勉強してますよね?」
そういって黒子くんはポケットから何かを取り出した。
「これ、こないだ落としてましたよ。」
「あ、生徒手帳!どこにいっちゃったのかと思ってたんだぁ…」
黒子くんから手帳を受け取ってお礼をいう。
「ありがとうございます。」
「いえ、届けることができて良かったです。」
そう言って少しほほえんだかと思うと、すぐに本棚の向こうに消えてしまった。私は届けてもらった手帳をしっかり鞄に入れて再び問題に取り組む。
「……。」
が、進まない。
ああ、もう、何が書いてあるのかすら分かんなくなってくる…。
「あの、」
先程と同じように聞こえた突然の声。
「黒子くん?」
そこにはまた黒子くんの姿があった。
「僕で良ければ教えましょうか?」
「え、いいの?」
「はい。」
「あ、りがとう」
「いえ、僕から言い出したことですし、それに…」
黒子くんはそこで言葉を切ると私のとなりに座って笑った。
「僕が 名字さんと仲良くなりたいと思ったからですし。」
きゅんっ
やられた。
私の負けはもう確定。
あんな言葉と笑顔には勝てませんでした…。
END