短編

□余裕
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「…ん。」

カーテンの隙間からこぼれる光が眩しくて目が覚めた。…が、体が重い。

「おはようございます、 名前 」
「おはよう、セシル…じゃなくてなんで私のベッドの中にはいってんの。」

起き上がれないとか思ったら覆い被さるようにセシルがいた。

「セクハラかっ。」
「セクハラ?NON! 名前と私は愛し合っている。 」
「あぁ、はい。そうでした。」

そう言うとセシルはニッコリ笑って寝転がった状態のまま抱きついてきた。

「ちょ……っと!」
「 名前はふわふわしていて壊れてしまいそうです。」
「いやいや、肉でしょ、それ贅肉。」
「でもしっかり中に強さも秘めていて…」
「あ、骨?そりゃ骨はあるさ。」
「純粋です。」
「男性経験なんてなかったもんなぁ!まったく無かったもんなぁ!」
「… 名前、おこってる?」
「いえ。」
「ソウデスカ。」
「ハイ。」

会話がとぎれるとふっと腕の力が弱まった。急にだったから不思議に思って少し上にあるセシルの顔を見ると いつも可愛らしい笑を浮かべていた。髪を少しすくわれてキスされる。次は額、まぶた、頬、鼻の頭…いつもしてくれるところにすぐにしてくれないのがもどかしい。
やっとそこに唇をおとされてうれしくなる。少し離れてもう一度 セシルを見上げると「 名前かわいいです。」と 言ってもう一度キスをおとされる。
こうゆう甘い雰囲気の時はすごく甘えてしまう。セシルの方が余裕がある感じでちょっと悔しいけどめちゃくちゃ嬉しいんだからしょうがない。どうせならもっと甘えてやろうと思ってセシルの背中に自らの腕をまわして力いっぱいに抱きしめた。








END

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