短編

□HAYATO様ごっこ
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「やった!レア来た!!」
「何をしているんです、 名前
?」
「あ、トキヤ!見てよこれ!」
「…何ですかコレ。」
「HAYATO様のブロマイド!

そう、私が持っているのはHAYATO様のブロマイド。もうこの笑顔とか最高だよっ!

「捨ててしまいなさい、こんなもの。」
「は!?嫌だよ!コレは私の宝物だよ、家宝にするから!!」
「いらないでしょう、そんなもの!ここに本人がいるんですよ?」
「誰かさんが引退したせいでもうあのスマイルは見えなくなってしまったんだよ……?」

そこまで言ってハッと気付く。

「トキヤ!」
「…何ですか?」
「HAYATO様やって!」
「嫌です。」
「なんで!?」
「貴方は恋人である私よりもHAYATOの方が好きなんですか!?」
「どっちもトキヤじゃん!」

ぐぐぐ…とにらみあっているとトキヤが先に目をそらしため息をついた。

「…仕方ないですね。」
「やったぁぁ!!」

すると今まで眉間にしわを寄せていたトキヤの顔がトキヤではありえないくらいのスマイルになる。

「HAYATO様だっ!」
「うんっ!HAYATOだよぉ、 名前ちゃんっ! 」
「相変わらず素敵な笑顔です!」
「そうかにゃ〜? 名前ちゃんの方が可愛くていい笑顔だよっ! 」
「そ、そんなことないですよ!」
「ホントにかわいいにゃ〜。僕、 名前ちゃんのこと好きになっちゃったかも? 」
「えぇっ!?そ、それはすごくうれしい…です。」
「ね、キス…してもいいかにゃ?」
「ぅえぇっ!?!」

HAYATO様は何を思ったかスッと顔を近づけてくる。

「え。ちょ、ちょっ…」
「ん?だめかにゃ??」
「ダメっていうかなんていうか…。」
「だって、 名前ちゃんは僕のこと好きだもん。いいよね? 」
「それとこれとは違くて、その…。」

なんて会話しながらもどんどん近づいてくる。

「ねぇ、いいでしょ? 名前ちゃん…。」
「い……。」
「い?」
「イヤだばかやろぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」

ゴンッと思いっきりHAYATO様に頭突きした。

「っ!?!何をするんですか!?」

トキヤのそんな声が聞こえたけど私はそれどころじゃなかった。

「……何を泣いているんですか。」
「うぅっ…ひっく…トキヤのばかぁ〜…。」

HAYATO様からトキヤに戻ったことになんとなくほっとすると涙が出てきた。

「トキヤのばかぁっ…HAYATO様のことも好きだけど…大好きだけど!!」
「そこ強調しなくていいです。」
「でも私とキスしていいのはトキヤだけなの!HAYATO様でもダメなの!!」

少しの間私の泣く声だけになって、急にトキヤに腕をひっぱられた。

「わっ…トキヤ?」
「貴方という人は…全くどうしてこんなにも私を引き付けるんでしょう…。」
「トキヤ?」

ぎゅっと抱きしめられたままトキヤの顔を見上げると今度はちゃんとトキヤのままキスをした。

「愛していますよ。何度言っても足りないくらいに…。」
「私もだよ?」
「HAYATOよりも?」
「もちろんだよ。」

そういうとトキヤはもう一度私をぎゅっと抱きしめた。















オマケ
「では、そのブロマイドはもう捨てて下さい。」
「イヤ。」
「……。」
「イヤ!」
「 名前ちゃん、さっきの続きしたいのかにゃ? 」
「い〜やぁ〜!!」




END

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