Isn't over at Night.

□嵐の後に。
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「何だかすごい雨なんだぞっ!」

「こりゃ止みそうにねぇな…」

「ドイツ怖いよぅ……」

「俺がいるだろう?」

「僕の前で一体何をしているのかな?」

「落ち着けあるロシア…」

「お兄さんでもこの雨はどうしようも出来ないなー」


「……どうしましょう」


今日の会議は日本で行われた。
たが運悪くゲリラ豪雨のおかげで雷は落ちるし川は増水でとても帰れそうになかった。雨量は少ない日本でも困った話だ。
会議の部屋の窓を見ているアメリカとイギリス、イチャつき始めたイタリアとドイツ。それを見て蛇口を持ち出したロシアを止める中国。気にせず窓に映る自分を気にするフランス。急いで黄色いぶ厚い本で皆の泊まる宿を探す日本。


「ドイツ守ってぇ…」

「大丈夫だ。俺がいる。」

「本当に君達は見ていていい気分じゃないなぁ。」

「腹減ったあるー!」

「フランスどうにかならないのかい!?」

「俺に頼んなよ!こういう時はお友達呼べよイギリス‼」

「お前ぇそれ100%馬鹿にしてんだろ‼」

「みなさぁああん!」


皆が騒ぎ始めた。
だが日本ご珍しく大きな声を出したので一気に静まった。視線が集中し戸惑う日本だが胸を張り要件を伝えた。皆の宿の手配が出来たようだ。
ドイツとイタリアはビジネスホテルとなり、中国とロシアは特別待遇で高級ホテルだった。今の日本との位置関係の結果だろう。フランスは日本の自宅ということに。


「ロシアさんと中国さんには私の上司が案内致しますのでどうかご機嫌を…」

「俺 日本の家 初めてだなぁ」

「な、なぁ日本。俺とアメリカは?」

「え、えと…あ、新しく出来た宿でして…」


おずおずと日本が差し出したのは小さな紙に書かれた地図だった。丁寧な字で宿が記されている。赤い星マークの所がおそらく目的地なのだろう。


「で、ではこれで…行きましょうフランスさん」

「お兄さん、肉じゃがってやつが食べたいなぁ」

「ありがとなー!、日本」


とりあえず2人で向かうことになったのだが、恐ろしい事に傘が1本しかなかった。いかにも脆そうなビニール傘で今の豪雨を凌そうにない。イギリスが白目になってビニール傘を見つめていると、アメリカが傘を開いた。
ずい、と顔の前に差し出されるがこれはいわゆる、



「相合傘かよおおぉ‼」

「仕方ないだろう?早く入らないと置いてっちゃうんだぞ!」

「け、けど…」


ピシャァア

突然2人の近くで大きな雷の音がした。イギリスは反射的にアメリカに抱き付いてしまった。年の差7世紀なのにこれではイギリスが子供のようだった。直ぐに離れるが、なんとなく気まずい雰囲気が流れた。無言で2人で傘に入り目的地に向かった。







会議室では取り残されたカナダが一声。

「僕…どこで寝ればいいんだろうぅ……」


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