残り0.1秒の奇跡

□祭りの夜_序章_
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「祭りに行くぞ。」









「「「?」」」



「行くっス!」




赤司が言った事が理解出来ない黒子と緑間と青峰。喜びの表情で満ちている黄瀬がガッツポーズしている。紫原は興味なさげに新しいポテトチップスの袋を開けた。
赤司が言っているのは地元で開催する祭りで最後には大きな打ち上げ花火がある夏の思い出にぴったりのものだった。


「れ、練習はどうするのだよ!?」

「明日のメニューを増やすから問題無い。」

「ンなめちゃくちゃな話あるかよ!?」

「僕、確実に死ぬと思います。」

「浴衣にするか迷うっスね!」

「あーおぃひー」


選手達は練習時間より早く来てシュート練習をしていた。大体来るのはこの5人ぐらいで他はいない。そしたらいきなり集合かけられて突飛な事を言われたのだった。体育館に響く緑間の怒声は赤司の耳には入ってこないようだ。


「ま、気分転換に行くか!」

「そうっスよ!せっかくだし!!」

「敦、りんご飴は食べたくないか?」

「行く。」


「なんだか楽しそうですね」



「俺は行かない。そんな事 意味が無いのだよ。」

「緑間っち頑固っス!」


青峰と黒子は納得したようだったが固執して意見を変えようとしない緑間を見て黒子が誰もが振り返る様な乙女な顔で緑間の手を握った。


「僕……緑間くんとお祭り行きたいです。」

「…く、黒子っ…!?」

「さすが主人公だな、テツ」

「これで緑間っちも参加っスね!」

「7時に神社だ。遅れるなよ」

「赤ちん一緒に行こー」


黄瀬は横目で青峰を見た。
どうやら緑間と黒子が共に行き、紫原と赤司のペアらしい。
ここは2人きりになれるチャンスだった。実は黄瀬と青峰は一ヶ月程前から恋人になったばかりだった。
練習が忙しくてどこにも行けていないので今日がまさにチャンスだった。


「あ、青峰っち…あのぉー…」

「うし!今日お前の家行くかっ」

「えっ俺の家っスか!?」

「ほら行くぞー」

「ちょ、待ってほしいっスよぉ!」


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「く、黒子……」

「緑間くん、一緒に周りましょうね」

「し、仕方ないのだよ全く。」


(どっちがですか。」



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「赤ちーん綿あめもねー」

「いい子にしてたらな」





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