Isn't over at Night.

□嵐の後に。
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「傘の意味……無かったな…。」


「まぁ無いよりはマシさ!」


雨でびちゃびちゃに濡れた外国人2人がホテルにる。
だがこのホテル…普通のホテルとは違うようだった。ピンクが多く使われているし、妖しげなお香の香りもする。その違いにイギリスは直ぐに気がついた。
ポケットから日本にもらったメモ用紙を取り出すと、『予約名は高橋で予約してあります。恐れ入ります、すみません。』と書いてあった。イギリスは恐る恐る店の者らしき中年の女性に声をかけた。


「予約していた高橋ですが…」

『………そこのエレベーターから上がってね』

少しだけぶっきらぼうにルームキーを渡されると正面のエレベーターのボタンを押した。
だが入った瞬間、エレベーターの壁に目を見張った。急いで壁に貼ってあるポスターの前に立ちはだかり急いで隠した。アメリカはまだ気づいていないが、内容が恐ろしいものだったのだ。イギリスは確信した。



(ここは……ラブホテルだ‼‼)


「どうしたんだい、イギリス?」

「何でもねぇよ!、ほらチョコやる‼」

「わーい!」


イギリスがあげたチョコに夢中になっている間に呼吸を整えた。あまりにも衝撃的な内容に頭がおかしくなりそうだ。
所謂、大人の玩具を無料で貸し出す、という内容だった。ラブホテルだというのを裏付ける決定的な理由だ。
部屋の前に着くと、イギリスは腹をくくった。もう、何が来ても驚かないという覚悟で。
ピピッという音がし、アメリカが勢いよすぎるほどの力でドアを開けた。


「っひゃほー!」

「うげ…」

まるでお姫様が泊まるようなファンシーな部屋にイギリスはもう正気すら失せていた。

「イギリスー!来てごらんよ‼」


隣にいないと気づく前にバスルームの方からアメリカの興奮した雄叫びが。やれやれと向かうと泡でいっぱいになった湯槽を見て目を輝かせているアメリカ。なんとこの風呂の形はハート型でラブリーにしてある。イギリスは目眩でふらついた。


「イギリスから先に入りなよ!」

「え、いいよ俺は…」

「風邪引くぞ!?」

「いいって…っくしょん‼」

「「…………」」


浴室に響くイギリスのくしゃみが虚しく思えた。
結局アメリカの前に風呂に入ることになってしまったのだった。


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