□雷
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すっかり暗くなった銀魂高校。3年Z組の教室の前で、土方は止まっていた。何てことはない、いつもの教室だ。
しかし……これは…。
真っ暗なはずの教室内から微かに白い光が漏れている。
電気を消し忘れたのか……。
いや、それはないな。と、土方は思い直す。消したのは土方本人だからだ。本当は最後に電気を消すのはクラス週番の役目なのだが、本日の週番。神楽と長谷川。神楽には何も期待してはいけない。長谷川に至っては自分がクラス週番だということも忘れて学校の後すぐにバイトに出かけてしまっていた。
いや、そもそも。
この部屋の照明ってこんなに暗かったっけ?
「ハハ……‥ハハハ…やーっぱ電球付け換えねぇとダメかー‥…しょーがねぇなぁー……ハハハ」光の正体が電気以外の何かであるという可能性を全否定して土方はわざと大きな声で笑った。
別に、怖い…とかそういう訳ではないぞと、土方は自分に言い訳をする。おー!全然?!怖くなんかねぇよハハハハハハ…。実に奇妙な光景だが、とにかくそうしてしばらく3年Z組の前で笑い続けた。そして、ようやく勇気を振り絞って教室に入ろうとした時。
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