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□If〜君と過ごした日々〜after days
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あの日のことを
今も鮮明に
あれから3年の月日が経った。
高3年の夏。
あの日のことを思い出す。
悲しみに包まれた学園。
行方不明だったのだっちの帰還。
何かに耐える様子ののだっちは、口を固く閉ざしたままだった。
最初柚香さんや蛍の様子は見ていられなかった。
けれど、少しずつ皆は前を向いて歩き出した。
蜜柑の救った世界を懸命に生きている。
俺はまだ、抜け殻のまま。
前に進めずにいる。
3年の月日は長いもので、記憶から暖かいくも悲しい日々が薄れゆく。
棗達は当時小学生だった。
だからか、今俺よりも記憶が曖昧な部分が出てきているようだった。
俺は中3だったから、微妙な年齢だった。だけどまだ大人に近かったように感じる。
蜜柑は、ある意味大人であり子供でもあった。
大人に近づいた俺でも、あの選択は理解出来ない部分がある。
子供だからこそ躊躇い無く選択出来たものなのか。
大人であったからこそ世界単位まで考えて選択したのか。
蜜柑だから、あの選択肢に至ったのか。
俺が蜜柑の立場なら。決断できただろうか。
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